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商用マルチビザや社会保障協定等、一歩一歩前進 2011/10/24

去る17日、ブラジリアで第5回日ブラジル領事当局間協議が行われ、以下サイトに(http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/23/10/1019_02.html)プレスリリースされた。

 

<平田事務局長談話>
ブラジル日本商工会議所は2006年9月15日、進出企業を対象に日伯社会保障協定締結に関するアンケート調査を行った。その背景には、日伯双方の社会保障制度に加入し社会保険料を二重に納付という負担を強いられながらも、一般的に滞在期間の短い対象者(駐在員含む)は伯国内での年金受給資格が受けられない為に実質的には掛け捨てであったという理不尽な事情がある。それは直接的に労務コストの負担増になっていたばかりでなく、日伯経済・人的交流発展拡大への阻害要因でもあった。

当時の推定駐在員数776人の年間二重払いの規模は約21億円(当時のレート51円/レアル)に達し、世界でも第3番目にランク付けされていた。当所は先ずカウンターパートの日本経団連に指導・協力を仰ぎながら、同団体が主導し日本貿易会および在外企業協会と伴に両国の関係省庁に働きかけた経緯がある。

実に5年の歳月を要しながらも今年9月末に伯国上院で日伯社会保障協定締結法案が承認され、来年2012年3月1日付けで発効される見通しとなった。永い間ご尽力下さった関係各位にはこのサイト上を借りて心から厚くお礼を申し上げたい。

又、2008年7月2日、経済産業省大臣としては24年ぶりに来伯された甘利大臣が、ミゲル・ジョージ前開発商工大臣との間で産業界からのビジネス環境上の問題に関し、伯政府に対して問題提起。率直に議論するための対話の場として日伯貿易投資促進合同委員会(以下略して日伯貿投委※注1)が発足されたのを機会に、ビジネス環境改善の一環として、当会議所で日伯貿易投資促進に関するアンケートを同年9月に行った。

そのアンケートの調査の中で税制改革(特に移転価格税制)、通関制度、労働法改革、ビザ案件、インフラの改善を喫緊のビジネス環境改善の課題として挙げ同日伯貿投委に俎上し、今日に至っている。大きな構造改革案件よりも解決可能な身近な問題から優先的にこれまで取り組んで来た。

昨年11月の東京会議では移転価格税制改善についてブラジル側から明るい報告があった他、商用マルチビザ案件(3年有効期間)についてはむしろ日本側のMOU合意が必要である事も判明した。今回の外務省ホームページや各種マスコミ報道でも発表されたとおり喜びを分かち合いたい。今年6月には松本剛明外務大臣が来伯、当所会頭を初め役員諸氏と会談し、その中で永き渡り悲願としていたビザ案件に触れ、会議所から商用査証の期間延長を要請していた。

ブラジルの周辺7カ国(アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイ、チリ、ペルー、コロンビア、ヴェネズエラ)が日本との間で、又韓国/ブラジル間でも短期滞在のビザに関してはEU諸国同様フリーで、商用マルチビザについても中国は伯国との間で3年有効期間(米国10年間)となっている時代に日本は遅きに失した感は拭えない。

1895年の日伯修好条約締結から116年、1908年のブラジル日本移民から103年が経過、第一次企業進出ブームの1950年代、70年代初期の第二次進出ブームそして現在の第三次進出ブームの現在、未だに韓国や中国の後塵を拝する結果には何故今頃かと誰もが絶句するに違いない。

大河の如く悠々と黙って流れる一世紀を超える歴史の中で一体誰が声を大にして叫んできたのか、毎日の営みの中で歴史の一頁一頁を造る両国民、特に「世界最大の日系人社会」とか「最も遠くて近い国」だと標榜して来た人達は歴史の事実の前に大いに反省すべきである。心情論の以前に解決すべき課題があったのだ。

人材の交流無くして経済・文化の交流なしとする誰もが口にする極当たり前の事、その根本を成すビザ案件がようやく陽の目を見るようになりつつある。日本には大震災後に、またブラジルにも2014年のワールドカップ、16年のオリンピックに向けた観光産業の振興と言った共通課題がある。短期滞在ビザフリーが当たり前のグローバルな時代に商用マルチビザだけで満足する時間的余裕は最早無い。


※注1:開催方法は、両省庁の次官級(経済産業省は経済産業審議官、開発商工省は事務次官)をヘッドとするメンバーで構成、年一回程度、日伯間で交互に開催することに なっていたが、ブラジル側から積極的かつ前向きな提案により関係省庁を交え6ヶ月に1回の頻度に開催され、今年の第5回貿投委は大震災の影響で去る8月バイア州サルバドールの年1回開催となった。

 

 



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