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令和元年官民合同会議に出席 2019/12/12

 2019年12月12日(木)13時よりサンパウロ・ジャパンハウスにてブラジル令和元年度官民合同会議が行われ、日本政府関係者とブラジル各地の商工会議所代表者、計42名が一同に会し、発表と意見交換を行った。会議所からは村田俊典会頭をはじめ、常任理事や部会長、イノベーション・中小企業支援関係者が出席した。

 山田彰在ブラジル日本国特命全権大使は冒頭の開会挨拶の中で日伯2国間の関係強化について触れ、ブラジル新政権の誕生やリオに続く来年の東京オリンピック開催など、日伯関係進展の契機にあると感じているとした。メディアではボルソナーロ政権に否定的な報道も見られるものの、経済政策は順当でありブラジル政府も各種改革の必要性を認識していることを強く感じる、またブラジルのOECD加盟への働きかけやグローバルスタンダードへの動き、カナダとのFTA交渉、GDP第三四半期0.6%の伸びなど、成長の兆しも見られると評価。今こそが日伯関係強化の余地があり、様々な分野やレベルで対話や働きかけを行っていきたいため、政府関係機関、ジェトロ、JICA、JIBCとの連携、各地の商工会議所を中心とした民間との連携強化にむけ積極的な意見を頂戴したいと述べた。日メルコスールEPAの推進合意が今年叶わなかったことは残念であるが他国への劣後に対する危機感は十分に認識しており引き続き推進に向け働きかけを続けていく予定であるとし、各方面からの積極的な意見表明を依頼した。

(写真提供:サンパウロ総領事館)

 会合前半は官側からの発表のセッションで、初めに外務本省からの報告で大隅 洋中南米局参事官は、日メルコスールEPAの重要性は認識しており産業界からの声も重々承知しており、一方で南米で政権交代が続いているのも社会格差や貧困、政治汚職への国民の不満など、不安定な政治的状況が背景にあることも事実であり、引き続き民間の皆様からの様々な声を伺いたいと述べた。

 続いて在ブラジル大使館からの報告で、濱坂参事官が日伯経済関係の概況、日伯貿易の変移、日本企業のビジネス環境整備に向けた取り組み、日本企業の支援体制と伯中経済関係の状況について説明。

 JICA佐藤洋史所長からの発表では「JICAブラジルビジネス環境整備への取組み」と題し、今年はブラジルへの国際協力60周年という節目の年にあたり、1)都市問題と環境・防災対策、2)投資環境改善、3)三角協力支援を開発協力方針の重点においていることを説明。また様々な協力スキームがあり、具体的なスキームとしては①中小企業・SDGsビジネス支援事業、②インフラ・成長加速、貧困削減、気候変動対策を対象分野とした海外投融資制度、③円借款、④中南米日系社会との連携調査団派遣、⑤技術協力として防災、アマゾン熱帯雨林保全への取り組み協力について説明を行った。

 続いてジェトロ大久保敦所長より「ジェトロのビジネス環境整備への取り組み」について説明、全体方針として経済自由化・解放の進展とビジネス機会に関する情報発信、SMS活用による情報発信力強化、調査反響フォローアップによる成果創出、調査との連携による戦略的事業実施の3本柱をあげており、その具体的な取り組みとして対日投資・イノベーション促進、海外展開の一環としての中小企業誘致促進、農水輸出の促進などが挙げられた。また既存の進出企業のみならず新規参入に裨益する基盤的な取り組みとしてビジネス環境整備も重要な活動として取り組んでおり、調査・情報提供を通じて関係機関との連携や、日メルコスールEPA推進活動、会議所内に設置したイノベーション研究会の活動を通じて日伯間の企業マッチングや協働を促進していく予定であると説明した。

 JBIC国際協力銀行の石川敬之首席駐在員は、JBICのブラジルにおける活動について説明し、そのミッションと支援ツールを紹介、取組事例としてVLI S.A.向け投資金融や環境保全に資するインフラ海外展開を推進する質高インフラ環境成長ファシリティ、海外インフラ事業に対するリスク・テイクを可能とする特別業務の開始など、積極的な活動が紹介された。

 前半の官からの発表を終えて意見交換では、日メルコスールEPAを取り巻く状況について質問があり、日本政府としてその必要性や他国への劣後が日本企業に与える影響等充分に把握しているものの、取り巻く様々な要因から未だ実現には至っておらず引き続き民からの声や意見を届けて欲しい旨回答があった。またイノベーション研究会を通じ、特に11月18日には第1回日伯オープンイノベーション交流会を開催するなど、その活動の成果に日本のイノベーション管轄部署でも大きな反響があった旨がジェトロから説明された。またJICAの活動の中でも特に日本企業の技術を用い注目される取り組みとして、先進的SARやAI施術を用いた新規性のある自然環境保全プログラムが紹介された。

 後半の民からの発表セッションではアマゾナス日系商工会議所から本田副会頭、南伯日本商工会議所から和田会頭、パラナ日伯商工会議所から村上隼也 Sysmexブラジル社取締役(会員企業)、パラー日系商工会議所から山中副会頭の発表に続き、当所から村田俊典会頭がプレゼンを行った。

 村田会頭は発表の中で、会議所でこれまで取り組んできた日メルコスールEPA推進活動を振り返り、今年の推進合意は叶わなかったものの会議所の日メルコスールEPAタスクフォースは継続し引き続き活動を続けて行きたい旨を述べた。またこれまでもビジネス環境整備のためにブラジル政府との政策対話活動に取り組んできたが、今年は特に中心的なテーマとしてブラジル政府の進める税制改革の後押しを行う活動を続けてきたことを説明。9月にはブラジル経済省との対話の場を持ち税制改革を含む新政権の政策について意見交換、また8月の第4回日伯農業対話においても税制改革を喫緊の課題として取り組んでいること、10月17日の第13回日伯貿易投資促進・産業協力合同委員会においてもまたブラジルが抱える課題を解決していくことで、市場開放と自由経済へ向けた政策をとっていることが明確に述べられていることを説明。先頃の常任理事会で承認が行われたばかりであるが、今年設置されたイノベーション研究会を委員会に格上げし「イノベーション・中小企業委員会」を2020年より発足することを発表。世界最先端技術を持つ日本の中小企業の技術と、日本の技術を必要とするブラジル企業がマッチングすることで、ブラジルへのさらなる中小企業誘致とブラジル産業力強化の実現というWin-Winの関係を目指していきたいことが述べられた。またそれに連動し、イノベーション分野でも日伯のニーズマッチングを図っていきたいため、官民一体となり広く協力をお願いしたいとしてプレゼンを締めくくった。

( 写真:ブラジル日本商工会議所) 

 意見交換の部では、ブラジルの現政府は外国企業の声を聴く姿勢を持っており働きかけの機会を増やしていく予定であるため、民間企業からの意見を積極的に頂きたいと山田大使が述べ、またネガティブな印象のニュースが先行するメディアの傾向を払拭する形でブラジルの現状を伝えるポジティブな情報配信を行っていくことの重要性が民間側参加者やジェトロから指摘された。また来年2020年の東京オリンピックを契機としたブラジル人へのビザフリー化の可能性なども質問されたが、総合的な判断が求められる案件でもあり現状ではフリー化は実現していない旨が官側から説明された。

 最後の野口在サンパウロ日本国総領事からのまとめでは、ブラジル政府の市場開放政策と日本企業への働きかけを強く感じると述べ、中国勢の台頭が勢いを増す中、日本政府としても農林水産物の海外輸出を積極的に促進していきたい、日本の素晴らしい技術と製品を是非PR、例えばジャパン・ハウスをPRの場として活用するなど、日本企業の積極的な取り組みもお願いしたいと述べ、会を締めくくった。

Pdf令和元年官民合同会議所議題

Pdf参加者リスト

(写真提供:サンパウロ総領事館)

 また最後に10月17日の第13回日伯貿易投資促進・産業協力合同委員会(http://jp.camaradojapao.org.br/news/atividades-da-camara/?materia=20137)で、経済省生産性・雇用・競争力局(SEPEC)カルロス・ダ・コスタ次官にも贈呈されている、日本が世界に誇る中小企業の高度技術について取りまとめた文庫本『世界が感謝!日本のもの』が会議所平田事務局長から紹介され、各公館代表者と全伯商工会議所の代表者に贈呈された。日本の素晴らしい技術を持つ中小企業をブラジルに誘致することで、ブラジルの産業を活性化、競争力を強化し雇用の拡大を以てブラジルの発展に貢献、また日本企業の海外進出を促進することで、追随する中国や韓国といった他国に負けない日本の国際競争力を取り戻していこうという思いのもと紹介がなされた。

 

 



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