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AGIR第3回日伯政策対話開催 2016/03/30

日時: 2016年3月30日 (水) 午後3時~5時

場所: MDIC – Ministério do Desenvolvimento, Indústria e Comércio Exterior (Esplanada dos Ministérios, Bloco J, Sala 622, Brasília - DF)

出席者

ブラジル側:MDIC/Thaís Pereira Pessoa Dutra (SE, CZPE, Secretária-Executiva), Maria Cristina Milani (SDP, Analista de Comércio Exterior), Ricardo Debiazi Zomer (SDP, Automotivo, Analista de Comércio Exterior), Leonardo Rabelo de Santana (SE, CZPE, Coordenador-Geral), Delphino Pires de Souza Júnior (SE, CZPE, Coordenador de Análise de Projetos), Temístocles Lisandro Sena Loiola (SDP, Analista de Comércio Exterior), Pedro Henrique de A. Reckziegel (SDP, Automotivo, Analista de Comércio Exterior), ABDI/Simone Uderman (Especialista em Economia), APEX/Karina Bazuchi (Coordenador)

日本側:

在ブラジル日本大使館/小林和昭参事官、ジェトロサンパウロ/二宮康史次長、 

ブラジル日本商工会議所/広瀬大輔自動車部会副部会長代理(ブラジルトヨタ)、東崇徳労働WG副グループ長(ブラジルトヨタ)、飯田俊太朗インフラWG委員(ブラジル住友商事)、平田藤義事務局長、天谷浩之アドバイザー、吉田章則調査員

 ブラジル側代表のタイス・ドゥトラ開発商工省輸出特区局長は冒頭、本日の会合の開催とAGIRの中でZPEが取り上げられていることに謝意を述べたうえで、ZPEは、ブラジル政府が打ち出した産業発展のための税制優遇政策の一つであり、現在上程されている改正法案は通過に向けた最終段階を迎えていることを説明した。本日の会合では日伯双方が互いにアイデアを出し合い、日系中小企業の進出が増えるようなZPE制度の実現に向けた議論ができることを期待していると語った。

 次に、日本政府を代表して小林参事官が挨拶を行い、日本からのブラジルへの投資を増加する政策の一つとしてAGIRは重要な役割があり、日本政府としてもできる限りの支援をしていくことを約束した。貿投委で合意された政策対話がこのように定期的に実行されることはすばらしいことであり、本日のテーマである経済特区は、アジア各国の例にもあるとおり、活用の仕方によっては経済発展につながる有効な施策になるとして、AGIR活動を通じてZPEの利便性の向上に向けた活発な議論が展開されることを期待していると述べた。

 平田事務局長は、タイス局長と何度か直接お会いする機会があり、その際にZPEの改正法案が上程されていることを聞いて嬉しく思ったと述べたうえで、ZPE制度がブラジルの産業発展にとって大切な制度であることは間違いなく、部品産業の育成や高度な技術の導入に向けたカンフル剤になればと、新たなZPE制度への期待を寄せた。また、本会合を通じてZPEがより利便性のある制度となり、高度な技術を持った多くの日本の部品産業がブラジルに進出する環境がつくられることを期待していると述べ、両国間にとってのAGIR活動の意義を強調した。さらに、ZPEの目的の一つである輸出を目指すには、世界と競争できる技術や品質を身につけることが必要であるとして、本日カマラからは自動車組立メーカーや商社が参加し、他国での事例紹介やブラジルが置かれている現状について説明させていただけることになっており、この機会にお互いざっくばらんにアイデアを出しながら課題解決に向けた議論ができればと、本会合を設けたMDICに対し謝意を述べた。

 次に、タイス・ドゥトラ開発商工省輸出特区局長による「ZPEの改正法案制度について」のプレゼンテーションが行なわれた。

 (ZPEの体制)

財務省、予算企画省、官房、環境省、統合省などの省が集まり、MDICが議長となり、CZPE事務局をMDIC内に設置するかたちを取って成り立っている。80年代に始まったZPEであるが、2007年の法令第11.508/2007号による法改正をきっかけに利便性が向上し、同法改正以降に設立されたZPEに大きな進展が見られる。設立されている25のZPEの内、17のZPEで進展が見られるが、状況はZPE毎に異なる。最も進んでいるのが、セアラ州、アクレ州、ピアウイ州のZPEで、通関機能とZPE運営機関がZPE内に備わっている。この3箇所のZPE内では10社が企業活動を行なっており、60億ドルの投資を生み出している。その内セアラ州のペセンZPEの中の製鉄所には、Valle、Posco、Dongkukのジョイントベンチャー企業が入居しており、投資額は54億ドルで、ZPEへの総投資額の9割を占めている。同製鉄所は今年の6月に操業開始を予定している。ペセンZPE内に設立された5社のみならず、ZPE域外での経済効果も期待されており、200社もの関連企業が生み出される予定である。さらに、同製鉄所のプロジェクトにより、ZPE域内外で多くの雇用が生み出されることも期待されている。PLS法令第5.957/2013号は、既に下院の数々の委員会で承認を得ており、改定法案が通過する最終段階まできている。

同法改正案の要点は次のとおり。

1.製造業のみならずサービス業の会社設立を可能にすること

2.輸出義務を現行の80%から60%へ低減、ITサービスについては50%とする

3.企業が万が一違反をした際の罰則を確立すること

4.ZPE内への関連企業の設立を認めること

5.国内販売した際の罰金の利子をなくすこと

6.ZPE法以外の恩恵、例えばドローバック、が同時に利用できるようになること

7.ZPE期間の延長が可能になること

8.ZPE内に通関やZPE運営機関を設置すること

9.保留課税の実行

10.経済発展が遅れている地域に限らずZPE設立が可能になること

ZPEの基本的理念は、長期にわたり法的保護に守られ、原料に付加価値をつけて輸出加工するプロジェクトを支援し、製造業のみならず、製造業と商業が共存する仕組みを創ること。政府は企業に対してZPE以外にも恩典を与えており、全てのプロジェクトがZPEに適合しているわけではない。ドローバックやRecof(特殊関税制度)などが活用しやすいプロジェクトももちろん存在する。本日は、ZPEで展開できるプロジェクトのアイデアと、どのようなプロジェクトが実現可能であるのか、製造業が競争力を身につけるための投資とはどのようなものかなどを議論したい。我々MDICの役割は製造業を支援することにある。創造的なアイデアを出し合い、自動車の裾野産業がどのようにZPE機能を活用して競争力を高めていけるのかを検討していきたい。

  この後、日本側出席者から、ブラジルにおける現地調達率向上の難しさや輸出競争力強化の必要性、輸出促進策であるはずのドローバック制度の使い勝手の悪さ、労務問題を含めサプライヤーが直面する大変厳しい経営環境、また、他国での工業団地運営の事例や産業開発・誘致施策等の紹介が行なわれ、ブラジルにおけるより効果的な特区施策に向けた考え方や、サプライヤーに対する支援・救済策の緊急性等について活発な議論が交わされた。

(コメント)

タイス・ZPE局長

ZPE施策によって国内の経済発展に係わる課題全てを解決しようとしているわけではなく、これは産業支援施策の一つである。政府の役割としては、企業がビジネスを行いやすいようにすることで、実際に開発するのは民間であり、政府が民間と一緒になって、それぞれの役割を果たしていくような制度にしていきたい。サンパウロ州フェルナンドポリス市にあるZPEの運営を民間が行う動きも出ているし、製造業ではない商社もZPE内に会社を設立できるようになる。裾野産業の開発にも貢献できるようなZPEの法改正も検討していきたい。

リカルド・MDIC自動車担当

自動車産業界と毎日のように密に連絡を取り合うなかで、自動車部品メーカー育成の重要性を痛感している。現在、InovarAuto制度に含まれていない部品メーカーも活用できる支援制度を検討している。本日のテーマのZPEとは少し話がそれるが、AGIRの自動車部品産業の育成のテーマについて次回会合の準備に取り掛かりたい。中古設備・機械の輸入規制の緩和に関しての議論もしたい。また、前回のAGIR会合以降、BNDESと数回会合を重ねてわかったことがある。中小企業に対する金融支援制度は存在するが、その制度へのアクセスが難しいことが課題となっている。つまり、財政難や労働訴訟などが理由で「不存在証明」となるため、その金融支援制度が活用できないということだ。そこで、経営者育成の重要性を認識したうえで、JICAやSINDEPECASと協力して、コンサルタントを日本へ研修に連れていくプロジェクトも考えている。MDICとしては、SENAIやIELなどからの協力も得られないのか検討している。このプロジェクトにより、AGIR活動の進捗が得られると思う。また、中小企業向けのSimple Nacionalのような簡易税務制度の導入のテーマにおいては、財務省や中小企業省の支援が必要になるし、労働者の移動や労働弾力性のテーマでは、雇用労働省の協力も必要になるので、他省庁との連携や協力も重要である。

カリーナAPEX代表

APEXは、2014年に、MDICやトヨタなどと共同で日本に経済ミッションを派遣した。自動車メーカーや部品メーカーがブラジルに投資を検討する際のサポートをする役目もある。情報提供、企業とのコンタクト、工業用地の視察、そして連邦のみならず州の優遇措置の紹介も行なっている。

シモニABDI代表

自動車産業の育成には、ZPEが提供する優遇施策では限界があると見ている。AGIR活動を進める上で、MDIC以外の関連省庁との連携が必要になり、AGIR活動に関し、ABDIができる協力はこれからも継続して行なっていきたい。

(閉会挨拶)

タイス・ZPE局長

カマラの皆様をセアラ州のペセンZPEに招待することを提案したい。ZPE地域内で設立した企業との懇談会も設定したい。実際に現場を見て、実際に事業を行なっている経営者との懇談を通じて、ZPE制度の評価をして欲しい。

マリア・MDIC司会進行役

次回のAGIR会合は、ドローバック制度を含め、自動車部品産業育成をテーマに、中小産業省、雇用労働省、SECEX、CNIなども含めた会合を開きたい。早速、次回の会合日程の調整に取り掛かりたい。

タイス・ZPE局長のプレゼン資料「ZPE改定法案(PLS No 5.957/2013)について」(ポル語)

タイス・ZPE局長のプレゼン資料「ZPE改定法案(PLS No 5.957/2013)について」(日本語)

ZPEの改正法案制度についてのプレゼンをするタイス局長        

開会挨拶をする小林参事官

ZPE制度改善のコメントを行なう平田事務局長

自動車部品サプライヤーの現状を発表する広瀬自動車副部会長代理

ローカルサプライヤーの労使関係の説明を行なう東労働WG副グループ長

飯田WG委員による他国での工業団地運営の事例プレゼンの様子

タイ政府のエコカー優遇制度の説明を行なうジェトロ二宮次長

日本側司会を務めた天谷アドバイザー

司会を務めたマリア氏

左から(APEX・カリーナ氏、ABDI・シモニ氏、MDIC自動車担当・リカルド氏)

AGIR第3回日伯政策対話の様子

 

 

 



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