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日本法との比較から見るブラジル労働法研究会に160人以上が参加して開催 2013/09/17

日伯法律委員会(村上 廣高委員長)と企業経営委員会(黒子多加志委員長)は、会員企業であるPinheiro Neto Advogados及び同提携先の森・濱田松本法律事務所との共催による日本法との比較から見るブラジル労働法・ブラジル子会社管理において必要となる労働法知識等についての研究会は、2013年9月17日午後3時30分から5時30分までPinheiro Neto Advogadosの大会場に160人以上が参加して開催された。

初めに村上 廣高委員長は、開催挨拶で日伯法律委員会並びに企業経営委員会(黒子多加志委員長)の労働問題研究会ではポルトガル語による月例会で企業経営に役立つセミナーを行っているが、日本語・英語によるブラジル労働法研究会の要請が強いのを受けて、Pinheiro Neto Advogados及び同提携先の森・濱田松本法律事務所の弁護士による研究会開催を実現したことを説明した。

またPinheiro Neto Advogadosのルイス・メンデス弁護士は、森・濱田松本法律事務所との共催による日本法との比較から見るブラジル労働法研究会の開催が実現、日本語が話せないので英語によるブラジル国内のアウトソーシング、モラルハラスメント、ストックオプションについて講演、講演終了後、屋上でカクテルパーティがあるので参加して下さいと招待、森・濱田松本法律事務所の松村祐土弁護士は、2002年に設立後日本進出企業のために中国やシンガポールに拠点を設けてM&Aなどでサポートしてきたが、外務省と一緒にどんなサポートができるのか研究しており、今回はブラジルでの労働法研究会開催で進出企業からの参加者は研究会を大いに活用してほしいと結んだ。

森・濱田松本法律事務所の荒井太一弁護士は、日本法との比較から見るブラジル労働法・ブラジル子会社管理において必要となる労働法知識等についての研究会で、初めにブラジルの労働法は労働者保護が強いがコンセプトは日本とあまり違わないので非常識ではないが米国と非常に違うために目立ってしまうと説明した。

ブラジル労働法の諸原則では、「疑わしきは労働者の利益に」と労働者側の解釈をとり、サービス残業の記録がない場合でも訴訟では、労働者に最も有利な条件の適用を行い、労働契約書に書いてある内容と実態が違う場合でも実態を採用、雇用関係継続では有期もしくは無期と解釈できるときは無期を採用する。

日本とブラジル労働法の決定的な違いとしてリーガルシステムの違いとしてインフレ調整の有無、証明は難しいが外資系という弱み、労働条件の硬直性、解雇自由原則が挙げられ、ブラジルの2010年の労働訴訟件数は300万件と新規雇用250万を上回っており、日本とは訴訟件数で100倍以上違う。

リーガルインフラの差として、ブラジルの弁護士は人口2億人で60万人、一方日本は人口1億2000万人で弁護士は1万5000人、ブラジルの労働訴訟ではダメ元訴訟、雇用保障の差、退職合意の無効、日本は雇用保証があるうえに終身雇用が前提となっているが、ブラジルでは雇用保証はなく労働条件は硬直的であり、米国は雇用保証がないが、労働条件の柔軟で変更可能となっている。

ブラジル労働法における労働契約の硬直性として、労働条件の不利益変更は、不可能で同一労働同一賃金の原則、同じ条件を3年連続で継続した場合権利化する。

ブラジル労働法リスクの全体像の把握として労働者数及び給与額の2/3はブラジル人でなければならない。有期雇用契約は最長2年で1回の更新が可能であるが、日本は5年の有期契約は正社員にしなければならない。派遣契約は3カ月を上限として雇用することが可能となっている。

雇用契約書の作成は義務ではないことは日本も同じであるが、ホワイトカラーに対して雇用契約書の作成が労働訴訟に対して望ましいが、非常に高い雇用コストを避けるために非正規雇用が増加傾向となっており、統計では労働人口の60%以上が非正規雇用となっている。

ブラジルの従業員の超過勤務は50%増し、日本は25%増し、日曜勤務は100%増し、日本は35%増し、深夜就業は20%まし、日本は25%増し、裁判例によって、特定の業種については、より高額な割増賃金が設定可能性があり、コンプライアンスに関する行政では労働省並びに地域労働省オフィス、労働検察官が存在する。

障害者の雇用義務として上行院数が100人から200人は総雇用数の2%、201人から500人は3%、501人から1000人は4%、1001人以上は5%と規定されているが、日本は一律2%ブラジルではEmployment at willが原則であり、回顧は自由にできるが、日本は解雇が無効になった場合は復職となり、金銭では解決できない。

解雇の場合の支払い義務として30日前の事前通知、未払い給与、未消化有給休暇の買い取り+1/3のプレミアム、13カ月サラリー、FGTSの累積積立金+50%の罰金、労働訴訟は契約消滅後2年以内を限度とすることなどブラジルの労働法について詳細に説明して、簡潔で非常に分かりやすい講演に大きな拍手が送られた。

Pinheiro Neto Advogadosのルイス・メンデス弁護士は、英語でアウトソーシング並びにモラルハラスメント、ストップオプションについて講演、アウトソーシングでは主なアウトソーシングの職種として、清掃関連業務並びにガードマン、管理人、建設部門労務者、炊事係、運転手などがあり、契約社員の雇用にはリスクを伴うので、採用前には人材派遣会社を比較、派遣会社のノウハウや歴史、得意な分野、労働訴訟の有無のチェックの必要性、契約後には派遣会社に派遣社員への給料の支払い明細書、休暇、食券やベネ フィットなどの支払い証明書を請求、勤続期間保障基金(FGTS)の積立、定期的なモニタリング、雇用保険や社会保険などの保険関連の支払い、指揮命令権が派遣先企業にあるために、その指示にしたがって起きた損害の派遣先企業の責任・賠償、派遣契約の内容を派遣先の企業が一方的に変更できないことやコアビジネスにアウトソーシングは適用できないことなどについて説明した。
モラルハラスメントではモラルハラスメントのコンセプトとは、加害者は嫌味、皮肉、口調、態度など、ひとつひとつを取ってみればとりたてて問題にするほどのことではないと思えるようなささいな事柄ややり方によって、被害者の考えや行動を支配・コントロールしようと試み、この段階では、加害者は被害者に罪悪感を、周囲には被害者が悪いと思わせ、被害者へ精神的な苦痛を与え職場において損害をもたらす行為を繰り返し行うことであり、モラルハラスメントは職場の品位を下げるばかりでなく、被害者へストレスによる病気をもたらすなど結果として、職務の生産性を下げることにつながり、モラルハラスメントに対する損害賠償金を求めた訴訟ケースは増加傾向にあることなどについて説明した。

ストックオプションでは給与、13カ月サラリー、退職積立金、有給休暇などのベネフィット以外に、取締役や従業員に対して、あらかじめ定められた価額で会社の株式を取得することのできる権利を与え、取締役や従業員は将来、株価が上昇した時点で権利行使を行って会社の株式を取得して売却することで、株価上昇分のベネフィットが取得できる制度であり、ストックオプションプランとストックプランの相違点、税制上の措置を受けられるかどうかで適格と非適格プランがあることなどを説明して講演を終えた。

森・濱田松本法律事務所の荒井太一弁護士

Pinheiro Neto Advogadosのルイス・メンデス弁護士

開催挨拶を行う村上 廣高委員長

Pinheiro Neto Advogadosの大会場に160人以上が参加

 

Fotos: Rubens Ito/CCIJB



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