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業種別部会長シンポジウム

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2003年上期業種別部会長懇談会-金融部会(資料) 2003/02/06

「ブラジル経済、並びに各業界の2002年度下期回顧と2003年度上期展望」

I. 銀行業界

1.2002年度下期の回顧

2002年度下期のブラジル経済は大統領選挙による様々な思惑が市場を駆け巡り、ブラジル通貨レアル・カントリーリスクの乱高下、インフレ再発の懸念な ど、動きの大きい期であった。大統領選に焦点を当てると、市場関係者からは市場安定には与党ブラジル民主社会党(PSDB)でカルドーゾ前大統領の後継者 であるセーハ候補の勝利が必要と見られていた。然しながら、左派労働者党(PT)のルーラ候補の優位が確かなものになるに従って、カントリーリスクの上 昇、レアルの下落に拍車がかかった。選挙は10月6日の投票では決まらず、10月27日の決選投票にまでもつれ込んだ。その間、ルーラ候補の有利は変わら ず、10月10日にはレアル対ドルで4.0レアルを付けた。

しかし、その後、労働者党 (PT)の経済を担当するパロッシ氏が資本政策や債務モラトリアムは行わないこと、債務のGDPに対する比率を安定させるために必要なだけプライマリー収 支黒字を保つこと、金融市場を安定化させるために必要なあらゆる努力を行うことを強調した。 一連の金融市場沈静化へ向けた発言を好感して、通貨は小幅な がら回復した。10月27日の決選投票では大方の予想通り、ルーラ候補(投票率 61.3%)が与党のセーハ候補(同38.7%)を大きく引き離して当選を果し、ブラジル史上初の労働党政権が誕生した。

ルーラ氏の勝利後も労働者党(PT)は堅実な経済政策を継続すると繰り返し発言したこともあり、市場は沈静化の方向に向かった。然しながら、ルーラ氏優位 の選挙戦により、金融市場不安を反映してドルに対して通貨レアルが大幅に切り下がり、その結果ガソリン・電気・ガス等の値上げが実施され、インフレ懸念が 再発した。 中銀はインフレ対策として高金利政策をとり、SELIC政策金利を段階的に25%まで引き上げた。然しながら、2002年上期のインフレ率は 2.94%(IBGE)であるのに対し、下半期は9.32%(IBGE)となった。政治的には労働者党(PT)と与党ブラジル民主運動党(PMDB)との 連立交渉が最後まで縺れたが、新政権の歓迎ムードの中で下期は幕を閉じた。

2.2003年度上期の展望

2003年上期はルーラ政権の議会運営に大きく左右されるだろう。約20万人の人出となった、大統領就任式に見られるように、共和国第39代大統領の船出 は歓迎ムードで始まった。主要大臣は労働者党員(PT)となり、加えて国策会社であるペトロブラス、連邦貯蓄金庫といった企業の総裁も労働者党員となり、 労働者党色の極めて強い布陣となった。然しながら、与党となった労働者党(PT)は、ブラジル民主運動党(PMDB)との連立政権を断念した結果、両議会 で過半数議席を持たないため、ルーラ政権は今後厳しい議会運営を強いられることになる。

ルーラ大統領は100日の準備期間を要求しており、この期間は国民・政界・経済界も政府を見守るだろう。しかし、 2月末から始まる国会で、公務員の社会保障制度改革、税制改革をいかに迅速に実行して行くかが今後の課題となるだろう。議会運営の他に今後問題になるの は、インフレ動向であろう。ブラジル国家地理統計院(IBGE)は2002年のインフレ率が政府当初目標の2倍以上となる12.53%(IPCA)とな り、過去7年間で最高となったと発表している。大方の予想は、上期は借入金利は高く、物価の上昇、国民の実質所得は低下、失業率は高いまま推移すると見て いる。外部的にはべネズエラのゼネストの長期化に伴う影響とイラク情勢等不安材料が上げられる。国連貿易開発会議(UNCTAD)と国連経済局の共同調査 によると、ラテンアメリカ地域の今年の経済は、アルゼンチンの緩やかな経済安定とメキシコ経済の回復が継続されれば2.25%の成長が見込めると予想して いる。

3.2002年下期の銀行業界のトピックス

(1)決済リスクの軽減と資金の移動を円滑に行うことを目的に4月22日からSPB(ブラジル決済システム)が導入されたが、その中の新しい決済システム TED 方式(リザーブ勘定振替)については、不測の混乱を回避するため適用最低金額を当初5百万レアルに設定しながら段階的にこれを引き下げ、最終的には7月 29日に現状の5千レアル以上とした。TED方式と従来方式(小切手交換システム経由で行われる資金移動)の主要な違いは、資金化する期間である。従来方 式では受取人は送金実施日の翌営業日に銀行の入金通知を受取ることになるが、一方でTED方式は送金日当日に決済が行われ、送金手続を行った当日に受取人 の口座に資金が振り込まれる。

(2) 2002年下期の債券市場は大統領選の行方に対する不安感から、相場の急落する局面があった。加えて、5月31日に中央銀行が導入した投資信託に対する時 価会計制度の影響で、多くの投資家は資金を投資信託からポウパンサ預金や銀行保険預金(CDB)に逃避させる結果となった。投資信託からの資金の逃避は7 月が最も大きく、232億レアルに達し、8月にも182億レアルが逃避した。年間を通しては、凡そ700億レアルが投資信託から逃避したことになる。


2003年度上期の相場見通し
(1) 為替相場

2002年下期の為替相場は、下期スタートとなる7月1日の2,8台から、ブラジルリスクの上昇と共に、7月下旬に3台に乗せた後も上昇を続け、大統領一次投票直後の10月10日には史上最高値の4,0を示現した。
しかし、ルーラ氏の勝利決定後は、徐々に沈静化し、2003年に入ってからは、概ね3,2-3,4のレンジで推移している。
2003年上期の相場展開については、以下の4つの要因から一旦3レアル近くまでレアルが上昇した後、最終的に6月には3,2-3,5のレンジ内に落ち着く展開を予想する。

①当局はインフレを抑えるために、ある程度レアル安を解消する政策を採るものと思われる。
②しかしルーラ政権は、国内外に依然問題を抱えており、一方的なレアル高は難しい。
③また、3レアルを割るような、レアル高は、輸出に影響を与えることから、当局としてもそこまでの誘導はしないであろう
④一方、上期は農作物の輸出により、恒常的に輸出超となりやすく、当局も特にレアル安誘導する必要はない。

(2) SELIC政策金利

中銀は昨年7月に4ヵ月ぶりに0,5%の利下げを行い、SELIC政策金利は18,00%となった。しかし、為替上昇に伴うインフレ上昇により、10月に緊急利上げを行い21,00%に引き上げた。その後も11月、12月に連続して利上げを行い25,00%とした。
ルーラ政権は大統領選挙の公約において、利下げによる経済成長を謳ったが、メイレレス新中銀総裁はインフレ抑制政策の継続を表明しており、当面現状の金利水準を維持することにより、インフレ抑制に軸足をおいた政策が行なわれるものと思われる。
ただ、新政権のパフォーマンスのためにも、インフレが低下局面に入れば、利下げを行なうものと思われ、6月までに2~3度の利下げが行なわれるものと予想する。

2003年6月末予想レンジ】 1月29日時点の各行予測

  A行 B行 C行 D行
為替(レアル=1ドル) 3.20-3.50 3.35-3.45 3.40-3.60 3.30
SELIC政策金利 21.5-24.0 22.5-23.5 24.0-26.0 24.0

 

 

II. 保険業界

1.ブラジル保険業界の2002年度の回顧

SUSEP(保険監督庁)が発表した2002年10月末現在の公式データに基づき2002年度のブラジル保険業界の動向(除健康保険)をお伝えする。

(1) 収入保険料

2002年度(1月-10月)の全種目収入保険料は196億レアル(約6,700億円)を計上し、対前年同期で約 30%の増加となった。種目別にみると自動車保険が3%増、海上・運送保険が8%増、火災保険が43%増(再保険料率高騰による)、生命保険が54%増と いう結果だった。
自動車保険の伸び悩みは自動車新車販売台数の5%落ち込みが最大の原因といえる。
近年、主要州の集中化が進んでおり、サンパウロ州は全国の55%を占め、次にリオ州13%、ミナス州6%、パラナ州5%が続き主要4州で79%を占めている。
2002年度は外資の新規参入は目立った動きはなかったものの、収入保険料に外資系保険会社が占める割合は33%を超えた。

(2) 事業収益

保険会社の事業収益を決定する最も重要な指標である損害率は61%と昨年同期より5%と改善したものの、主要種目である自動車保険の損害率は69%から71%へ2%悪化しており、自動車盗難件数が依然高い水準が続いていることによる。
資産運用益が予想以上に好調だった。

(3) 保険引き受け動向

1)治安の悪化

ブラジルの治安は依然として悪化傾向に歯止めがかからず、自動車保険及び国内運送保険、運送業者賠償責任保険で損害率が悪影響を受けている。
特に国内運送保険と運送業者賠償責任ではトラック輸送中のみならず、ターミナル停車・保管中の強盗が後を絶たない状況にある。各運送会社は事故防止のため サテライト、エスコート、運転手教育等々の防災努力中で効果が出るのを期待したい。過去2年で約200社の運送会社が盗難に伴う運送料金引き上げを吸収で きず、倒産に追い込まれているとの報道もある。

2)再保険条件の高騰

2001年9月の米国多発テロ以降、海外の再保険市場が極端にハード化し、その後も各地で発生している数々の天災事故により、再保険市場の料率アップの傾 向が続いている。このため、IRB(ブラジル再保険株式会社)の再保険料の高騰や引き受け条件の縮小が見られ、元受条件に大きく影響している。

2.2003年度の展望

(1)収入保険料
SUSEPの予測では、全種目合計で11%程度と緩やかな伸びと見ている。種目別には自動車保険が2002年度並の2~3%、生命保険は2002年度実績とほぼ同レベルと見ている。
FENASEG(保険会社協会)は、数年後には現在の自動車保険が生命保険に最大種目の座を取って代わられると見ている。

(2)収益性
最大種目の自動車保険の損害率の動向が大きく左右する。また、資産運用の鍵である基準金利の動向が気になる。

(3)ルーラ大統領指導下の保険業界影響と2003年度のトピック

いまのところ、大きな保険政策面の変化はないと見ている。懸案だったIRBの民営化は、労働党政権が発足した事に伴い遠ざかった感が強い。しかし、再保険の自由化では世界の流れから判断し、何らかの手を打つのではないかと思われる。
巨額物件は現在ほとんどが海外に再保険手配されており、それだけに海外再保険料率の高騰に大きく影響されている。そのため、国内再保険引き受けプールを創設し海外への再保険流出を防ぎ料率を緩和することも検討されている。
治安改善に向けたルーラ政権の具体策はまだ見えて来ないので、治安改善は当分見込めない。

以上

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