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2000年上期業種別部会長懇談会-金融部会(レポート) 2000/02/01

部会長 : 山浦 秀雄

Ⅰ 銀行業界

1)1999年の回顧

(1)概況

1月の為替制度変更、その後の中銀総裁更迭は99年上期のブラジル経済・金融動向を見る上で最大の山場となった。

ドル相場が高騰し悲観論が強まったが、国内では新中銀総裁の下、指標金利Selic利率の大幅引上げ、預金準備率引上げ等の引締策が採られ、対外的には IMF及び国際民間銀行の対伯与信枠維持の支援を得て、為替のovershootingは比較的速やかに改善した。しかし、ドル高の跳ねでインフレが再び 台頭し、下期に入り再び外貨需要の増加によりドルレートが高騰した。

政府 は7月からインフレ目標制を導入、中銀が目標達成のための担当機関と定められた。99年通算のインフレ実績(IPCA)は8.94%で目標値内に収まっ た。 Selic利率は3月上旬設定時の45%から漸減されたが、中銀はインフレ動向を睨み9月下旬以降、同利率を19%で維持している。

下期に鉱工業生産は漸次回復、失業率も幾分低下し、経済は浮揚の兆候を見せているが、貿易収支は赤字基調で推移、99年通算では12億㌦の入超となった。経常収支は通年で244億㌦の赤字を出したものの、外国直接投資は史上最高の300億㌦を計上してこれを補填した。

中長期外貨借入の新規導入額は前年同期比36%減少したが、政府は4月、本年初の海外債(“Global Bonds”)30億㌦を起債、その後も連邦 及び国立経済社会開銀がユーロ建て債を発行、為替制度変更後困難となっていた民間部門の海外資金調達も徐々に復調した。

(2)業界環境

殆どの銀行が年初の為替切下げ前、為替調整国債で運用する等のヘッジを行い、与信よりも自己資金のtreasury運用に比重をかけ、相当の利益を計 上、ドル換算でも前年比10%~20%の増益と見る観測、あるいは107銀行平均の純資産対比利益率は通年で18%程度との予想がある。銀行の自己資本比 率は9月期で平均20.3%とのレポートもあり、銀行システムの体質は全般的に強化されたと見ることができよう。

しかし98年10月 の『財政安定プログラム』の増収措置で、従来非課税のCOFINS(社会保障分担金)が99年2月から3%の率で金融機関にも課税され、加えて99年に銀 行経営上の諸規制措置が発令された。これらは今後の銀行経営を一層厳しいものとする。即ち、(a)銀行貸金を9分類とし、それに応じて引当率を設 定、(b)経営者の任命に一段と厳しい条件を規定、(c)銀行がコントロールを持つ非金融部門の子会社、海外所在子会社を連結決算に含めることを義務 化、(d)銀行の恒久資産・非金融企業宛投資限度設定、等。

(3)他の特記事項

①  金融取引の緩和・自由化 ― 預金準備率漸減。②為替取引の自由化 ― 銀行の為替売持限度廃止。輸入ファイナンスの為替締結時期の規制撤廃など。③中銀の為替市場介入 ― 中銀 の純外貨準備高下限は20億㌦引下げることがIMFと合意され、為替市場に介入する資金量が増加、中銀は年末Y2K問題に伴う外貨需要に応じるため 2000年初買戻す条件付きでドルを売りレアルの下落防止に役立った。④州立銀行の民営化 ― BANESPAは全面的に国営化。⑤外国銀行の新規参入  ― 99年は大きな外銀の参入はなかった。中銀は今後海外信用枠の保証、買収する金融機関への増資、技術移転等を考慮し、また州立銀行の民営化プロセスが 完了するまで新規外銀の参入は認めない方針とした。

2) 2000年の展望

① インフレ

為替、公共料金、金利、国際原油価格,輸出用Commodities市況等の影響を免れないが、目標の上限(8%)内には収まるだろう。

② 為替

財政改革の成否は極めて重要だが、10月の地方選挙が近づくに従い政局の焦点が移り、改革案の審議は鈍ろう。米国内金利の引上げが予想されるが、一方で は外国直接投資が2000年も堅調との見通しにある。中銀は今後も為替市場への介入を続行しよう。2000年上期レアルは1.80~1.95、下期は 1.85~2.00で推移すると見られる。

③ 金利

中銀は金利政策に一層慎重になろう。2000年に予想される景気の浮揚が物価に反映することも考えられ、金利大幅引下げの余地は少なく、年末のSELIC利率は16%~17%とするのが妥当なところだろう。

④ 業界地図変更の可能性

5月予定のBANESPA民営化は外資の100%参加が認められた。国内では上位銀行数行のみ応札資格があると見られ、外資落札の場合、国内金融市場の 競争は益々激化、地場系銀行落札の場合も市場の集中度が増大、更に合併・吸収を招く等、業界地図変更の可能性は強まっている。

Ⅱ保険業界

1.1999年の回顧

(1)事業環境一般

保険事業、なかんずく損害保険事業は一般経済の景気循環のサイクルに四半期から半期のタイムラグを以って量質ともに業績が変動する性格を持っている。保 険業界では、国境を越えてのリスクの移転、売買が原則としてないため、99年1月のレアル貨の切り下げによる直接的影響はなかったものの、通貨切り下げ後 のブラジル経済停滞のため、企業分野においては物流の減少、設備増設の手控え、賃金の伸び悩みが発生し、夫々、運送保険・火災保険・生命保険保険料の伸び 悩みに直結した。また、家計分野にても個々の家計の支出抑制に伴い保険付保率が減少し、保険料が伸び悩むと同時に競争が激化した。

それに加え、99年2月には保険料売り上げの3%に当る社会保障分担金(COFINS)が適用され、同時に保険会社のソルベンシー維持強化の観点から IBNRと称する巨額の準備金を新たに積むことが義務づけられたため、事業環境は極めて厳しいものとなった。

更に、監督行政面では監督権の相当部分が国家再保険院(IRB)から、大蔵省民間保険監督局(SUSEP)へ移管され、監督の高度化、詳細化、強化が実施されたため、その対応に係わるシステム手当て等の業務増、社費増を余儀なくされた。

(2)量及び質

第3四半期末における業界保険料の、対前年比は+3.23%となっているが、同時点までの累積インフレ要素を勘案すると、実質はマイナス成長と判定され、この傾向は年度末まで継続した。

最大の種目構成比(31.19%)を占める自動車保険の伸び率は、第3四半期末で▲6.88%であり、付保率の低下と同時に上半期における節度を失った料率競争の結果が保険料の停滞に反映されていると云えよう。

質の面で特記すべきは、自動車の強奪(ROUBO)、盗難(FURTO)が未曾有の増加を示し、自動車保険の成績が全社一斉に悪化したことにある。 98年における全ブラジルの強奪、盗難車両数は約20万台であったが、99年は35万台となるものと推計されており、一国の自動車生産量に匹敵する驚くべ き数字であり、この結果、自動車保険の収益性は極めて悪い。

その他種目においても、健康保険の分野では引き受け成績が危機的に悪化しており(ロスレシオ95%)、また、一般的治安の悪化を反映して、トラック一台全体の盗難、事務所・工場への強盗の侵入が頻発しており、保険引受け成績の悪化に直結した。

一方、保険事業外損益については、資産のドルヘッジをした一部の会社を除き、一般的金利低下傾向で資産収益も伸び悩んだ。

以上、総括すれば、99年度は経済一般・行政・治安の3点において極めて地合いの悪い年であったと云えよう。

2.2000年の展望

行政面では国家再保険院の民営化(4月中旬)と再保険規則の公布が政治日程に組込まれており、予定通りゆけば世界的大手再保険会社(日本を含む)がブラジル市場に参入するのは確実である。

これに伴い業界における外資会社の比重が更に上昇すると共に、本格的自由競争が開始される見込みである。

自動車保険を中心とする保険料率競争は、上半期にはソフトマーケットからハードマーケットに転じようが、一方、商品・価格・顧客セグメンテーション・販 売チャネル面で、自由競争が激化し、情報システム面での投資と技術革新に取り残された保険会社は、行政の要求規準の高度化と相俟って、脱落を余儀なくされ る可能性が出てこよう。

以上

 

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