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業種別部会長シンポジウム

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1999年下期業種別部会長懇談会 1999/08/15
  • 日系企業活動に側面協力。安全対策もお手伝いしたい。

    司会:上期回顧と下期展望ということで恒例の業種別部会長懇談会を始めたいと思います。本日はどうもお忙しいところ池田首席領事他、領事館の方々それから商工会議所から三好会頭にご出席頂いてどうもありがとうございます。池田首席領事は今回初めてこの会議に出て頂くので、一言ご挨拶を頂きます。

    日系企業活動に側面協力。安全対策もお手伝いしたい。
    ― サンパウロ総領事館 ―

    池田:ただ今ご紹介頂きました総領事館の首席領事の池田と申します。5月の18日に着任致しまして約3ヵ月弱経ったところです。

    私、ブラジルにはもう長うございまして、今回は3度目の勤務ということで、最初のブラジル勤務は1978年に、外務省の研修生としてジュイス・デ・フォーラというミナスにある街で、ポルトガル語研修。その後ベレン、あるいはリオの総領事館で、勤務をして参りました。

    また、本省でも中南米一課でブラジルを担当し、そういった関係でブラジルについては、ある程度理解しているつもりでございます。しかし、今回サンパウロに参りましてあらためて思いますことは、一つはブラジルは日本人の移住者の方々、移民の方々がたくさんいらっしゃるということは充分知っていたつもりなんですが、サンパウロで暮らして、その層の厚さというのをつくづく感じているところでございます。

    それから、今日のように日本の企業の方々がこうした形で会合されている、それも業種別の代表の方がお集まりになるだけでもこれだけの数になるということは、日本の企業の方々も沢山いらっしゃるという意味で本当にすごいところだとあらためて感じておるところでございます。

    日伯関係につきましては、みな様ご承知のとおり95年の日伯修好100周年、96年には両国首脳の相互の訪問、97年には両陛下のご訪伯、さらに98年には移民90周年もございました。こうした大きなイベントが立て続けにありまして、両国関係を21世紀に向けてさらに活性化していく気運は出てきているんだろうと思います。

    そうした中で日本の企業の方々のブラジルにおける活動、活躍は今後ますます期待されるところであると思います。私ども総領事館といたしましては、こうした企業の皆様がたの活動を側面から支援させて頂くというのがその役割だと思います。

    また治安が大変悪うございますので、安全対策という面からも色々配慮していくことが大切であると思います。どうぞご遠慮なく必要な時には声を掛けて頂きたいと思います。今後とも宜しくお願いいたします。ありがとうございました。

  • 司会の言葉

    司会:どうもありがとうございました。三好会頭には恒例により最後に講評を頂くということにさせて頂きます。

    本日は各部会長さんより業種ごとの99年上期の回顧と下期の展望についてお一人10分程度、皆さんお忙しいので、3時には終了したいと思いますので、総務委員会の赤嶺副委員長に時計係をお願いし、10分間で合図をして頂きます。合図がありましたら、すぐまとめていただくということでお願いします。

    各部会長報告の後に本日の副題でもあります「経済回復に伴う産業の伸長を阻害するもの」について自由討議ということにさせて頂きます。

    最初に私から共通部分について簡単に触れさせて頂きます。先ず、99年上期のブラジル経済についてですが、年初に為替の変動相場制への移行を余儀なくされ、その後ブラジルリスクへの過敏なまでの反応から為替が一時1ドル=2.2レアルまでいくなど不安定な局面があったわけですが、3月中旬以降インフレ懸念の沈静化とともに為替レートも落ち着き、金利も順調に下げられる等経済を取り巻く環境は良くなっており、実態経済そのものも回復基調にあると言えます。しかし、一方では7月26日の大規模なトラック運送業者の道路通行料金値上げ反対のストライキ等、民営化のほころびが出るなど問題点も多く予断を許さないのが実状です。

    下期につきましては国内では税制改革、年金制度改革など抜本的な財政改革の進捗動向、海外では米国景気の動向、及びアルゼンチンの経済情勢等不透明な要因が多く非常に予測が難しいと思いますが、各部会長さんには思いきった予測をして頂こうと思いますので、なるべく前向きなご意見をお聞かせ頂きたいと思います。

    それでは、田中コンサルタント部会長からさらに詳細な報告を頂きます。

    赤嶺:ちょっとよろしいですか。あの、制限時間が10分ですから念のために9分の時点で一つ(ベル音)の予告をしますので、そこで心の準備もして頂きながら、時間厳守でお願いいたします。

  • コンサルタント部会

    • 経済成長は思ったよりよかった
    • 公共料金値上げでインフレが心配
    • 財政収支目標達成やや困難
    • 経済の積極成長政策期待だが
    • 経済構造改革は足踏み状態
    • 実質金利は世界の最高水準
    • 為替4、5割切下げ輸出なおマイナス
    • カルドーゾ政権人気「悪い」が44%
    • 問題は場あたり的「妥協と譲歩」のくり返し

     

    田中:それではご指名により私の方から全般的な話を10分以内でさせていただきます。先ほど岡田さんが申されましたように今年は切り下げで始まったわけで、その後の経済の状況、実績がどうであったかをまず申し上げます。

    まず経済成長率。上半期はまだ出ておりませんけれども、第1四半期の実績はプラス1.02%ということで、当初のマイナス予想からすると予想よりよかった。それに従ってIMFとの合意も変更され、当初はマイナス3.5%~4%ということだったのですけれども、それがマイナス1%~1.2%ということで上のほうに修正された。実際に企業のアンケート調査を見ますと、工業では予想ほどよくない、という意見が多いのですけれど、数字はこういうふうに出ております。一つは農業がよかったということがあるようです。

    景気刺激すれば輸入増大

    2番目の問題はインフレ率。これも当初かなり大幅上昇予想でしたが、2月は上昇したが、3月以降落ちまして、消費者物価指数で見ますと5、6月はデフレになった。ただ、先ほどもちょっと申された、燃料、電話料金、電気料金など公共料金が値上げしておりますので、これからはインフレがどうなるか、問題であります。

    因みにブラジルの中銀はインフレーション・ターゲッテング・システムというのを採用致しまして、今年8%、来年6%、再来年4%ということで一応目標を定めております。次に貿易収支ですけれども、これは貿易部会長さんから詳しいご報告があると思います。当初110億ドルの黒字を期待したんですけれども、とても予想には達しないということで、去年の上半期に比べて改善はしたが、まだ上半期で6億ドルの貿易収支の赤字。これは輸入が大幅に減少した結果において貿易収支が改善したということで、輸出はむしろ前年に比べてマイナスです。それで新しく40億ドル、こまかくは37億ドルですか、の目標を作りましたけれども、それも今の状態では達成困難だということになっております。後で出てくると思いますが、もし後半景気を刺激しようということになると、更に輸出が抑えられて輸入が促進される可能性が強いということです。

    それから金利ですけれども、これは切り下げ前はselicのオーバーナイトの金利36%(年)がまだ切り下げによる混乱の中で引き上げまして45%まで上がったんですけれども、その後為替市場の落ち着きに従って今日まで10回引き下げ、19.5%となっております。

    それから財政収支。一応IMFと決めた目標は、金利を除いた一時収支ですけれども、これは1月から5月までは109.6億レアルということで、IMFと決めた目標を15億レアルぐらい上回っており、余裕が出ておるということですね。しかし、1月から6月までの目標128.8億レアルを達成するためには6月に19.2億レアルの黒字が必要で、これはちょっと難しいという感じがしております。しかし総じて見ますと1~6月ではそこそこ、まあ、何とか格好のつく数字になったということです。

    IMFとの約束は経済安定政策だが

    で、今後の経済政策の志向がどっちに向いて行くかですけれども、全般的には成長路線、積極的にやっていこうというふうな空気が強まって来ております。IMFとの約束を果たしていくためには、安定政策を取り続けていくべきでありますけれども、一応そういう成長路線志向の空気が強まっています。それは背景に一つは政治的な圧力ということで、政治の動きがすでに2002年の大統領選挙、その前哨戦としての本年の市長選挙というのを頭においていることが挙げられます。それから失業が増える、貧困対策をやるべきだといったような意見も強く出てきております。

    それから2番目の背景としては、大統領の所属するPSDBも成長路線指向。第一次政権の4年間はインフレ抑制と通貨安定で来た。それに基づいて二次政権は成長で行きたいという考え方。まあこれは当然だと思いますけれども、それが一次政権の後半からいろんな形で出てきたわけです。

    それから3番目はIMFと約束した財政調整策。例えばCPMF(銀行小切手税)法とかそういったようなものを上半期に国会で為替切り下げ直後に、ほとんど全部国会を通過させましてさらに先ほど申しましたように、上半期の実績もまあまあの線に行ったといったような背景がありまして、成長路線志向の空気が強まって来ているということです。

    ただ問題点としていくつかの制約の要因がありますが、それは一つは貿易収支。先ほども申しましたように、成長が高まれば輸出が抑えられ、輸入が伸びてくると。それから2番目として外貨の流入が非常に低調だということですね。これは先ほども申されましたように、アメリカのインフレ、即ち金利上昇の懸念もありますけれども、それに加えてブラジルの最近の政治的な不安定さだとか、あるいはまたアルゼンチンの、ラテンアメリカの状況だとか、そういったようなことが原因で外資の流入がないと。

    それから3番目はインフレの上昇傾向。先ほど申しましたように、公共料金を中心にかなり上げてきている。抑えに努力しているようですけれども、ある程度は上げていかなきゃならんと。それから金利は、先ほど10回下げて19.5%まできた。ブラジルだけ見るとかなり下げているけれども、これを世界の水準と、実質金利で比較してみると世界の最高水準だとそれからブラジルの中でも、オーバーナイトは19.5%だけれども、個人融資になると100%とか200%ぐらいの金利になっておると。

    5 番目の問題はIMFとの約束を全く無視するわけにもいかないだろうという事で、ある程度そういう面で心理的にもチェックされている可能性があるかも分からないということですね。特に先ほど財政の一時収支が、なんとか格好ついたと申しましたけれども、あれは増税だとか、電話民営化代金の前受けとか、そういった臨時収入がかなり多くて、ああいうことになった。これからはあまり臨時収入もない。上期はなんとか格好ついたけれども、下期及び来年はちょっとメドが立たないという事ですね。それで、前回も申し上げましたけれども、何のための為替の切り下げだったかという事で、切り下げ前の切り下げ論者のコンセンサスは15%から20%でしたけれども、実際は40%から50%以上の切り下げになって、しかも輸出はマイナスだと。それから金利も国際最高水準だということで、何のための為替切り下げだったのかということが言えるわけですね。(合図のベル)

    ちょっとあと2,3分お願いします。(笑)ちょっと時計の針を戻して頂いて・・・・・・

    4つの緊急課題抱える政府

    その次はカルドーゾ政権の評価が急落したということです。今までの第一次政権の4年間は「よい」と「普通」というのが絶えず70%以上あった。それが切り下げ直後から60%に落ちて、さらに6月にはこれが50%になっている。その中でも特に「よい」がかつては35%あったのが最近は16%になっている。それから「悪い」がかつては25%だったのが最近は44%になっている。それでカルドーゾはこの評価の落ちたのを為替のオペレーションのせいだということで中銀総裁を代えた。

    為替は一応ある程度落ち着いたけれども、政権に対する評価は落ち続けているということです。それからその次は国会の構造改革の審議が進まないこと。現在の緊急課題としては財政責任法と税制改革と年金の制度改革、行政の制度改革とこの4つが緊急課題ですけれども、これが3月以降ほとんど進んでいない。

    7月は国会が休会だったけれども、休会明けてこれからそれ以外の例えばCPI(議会調査委)つまり司法とか銀行の調査委員会の継続がまだ残っているとか。また、市長選挙を来年に控えて選挙法の改正をおそらくやるだろうと。それから新たにACM上院議長が言い出しました、貧困対策というのも色々議論が出ておると。

    その次の問題は社会的な不安が次々に起こっている。土地無し農民の運動、トラック業者のスト、それから8月も色々なデモとかスト、抗議そういったものが続いて起こるようになってきております。これは一つにはカルドーゾ政権が原則、法律、ルール、こういったものに基づいた的確な運用をする姿勢がなくて「場あたり的な妥協と譲歩」を繰り返しており、そういうことにも一つの原因があるのではないか。

    最後に内閣の改造ですね。この間、内閣の改造をやりましたけれど、これは今回わりあいカルドーゾの意向が強く出た内閣改造だったと。一応カルドーゾの権威を取り戻そうというのが主な目的でやられたわけです。ただ支持政党のPFLとかPMDBなどに不満が残っておるということで弱まったカルドーゾ政権がこれからどういうふうになって行くかということは経済の動向にも影響を与えることが非常に多いわけで、非常にこれから難しくなるというふうに考えます。ちょっとオーバーしました。どうもすみません。

    司会:どうも有難うございました。ちょっと時間をオーバーされましたけれども、皆さん、10分があのぐらいの長さか、ということがお分かりになったかと思います。続けて金融部会の山浦部会長からお話し頂いた後まとめてみたいと思います。

  • コンサルタント部会(回顧と展望)

    部会長 田中 信

    Ⅰ.99年上期の回顧

    99 年は為替切下げで始まった。1月13日バンダ(為替変動幅)を従来の1.12~1.22レアルから1.20~1.32レアルに引き上げると共に、その中で1週間毎に変更していたミニ・バンダを廃止した。そのためドル相場は前日の1.21レアルから9.1パーセント上昇して1.32レアルの天井に張りつき激しいドル流出に見舞われた。

    ドル流出に耐えられず、中銀は1月15日にはフローティング(変動相場制)に移行した。ドル流出はスロー・ダウンしたが、ドル相場は上昇を続けた。為替政策を担当する中銀総裁は1月13日、グスタボ・フランコからシッコ・ロペスに交代したが、僅か20日間でアルミニオ・フラガに交代した。その頃から為替市場は均衡化の方向に向かい出した。

    3月2日、3日とドル相場はピークの2.16レアルを記録した後、下降線をたどり、5月10日にはボトムの1.65レアルとなった。

    ドル相場の主な変動要因は、①ブラジル企業の外債期日到来 ②ブラジル政治経済情勢 ③アメリカ経済、特にインフレと金利動向 ④ラテン・アメリカ、特にアルゼンチン情勢 ― などであるが、7月中は1.775から1.835レアルの間を変動した。為替政策変更前に比し46.7~51.7パーセントのドル切上げとなっている。

    為替政策変更直後はGDPの大幅落込み、インフレの昂進が予想された。しかし、上期実績は予想を大きく上回る良い結果となった。

    即ち、GDPの第1四半期実績は1.02パーセントのプラスとなり、年間では当初予想3.5~4パーセントの落込みが1~1.2%の落込み予想にかわった。

    インフレも2月は上昇したが、3月から再び下降に転じ、消費者物価(IPC-FIPE)は5月0.37、6月0.08パーセントの夫々デフレとなった。

    金利はレアル切下げ直前の36パーセント(Selic年)が45パーセントまで引上げられたが、為替市場の落着きに従って3月25日以降、今日まで10回引下げられ19.5パーセントとなった。

    レアル切下げにより、貿易収支の大幅改善に対する期待が大きく110億ドルの黒字目標がかかげられたが、上半期実績は昨年の18.4億ドル赤字に対し本年は改善はしたが、依然として6億ドルの赤字が続いている。

    財政収支に関しIMFとの間に約束された目標は一次収支(金利を除いたもの」黒字GDP比3.1%パーセント(約300億レアル)であるが、そのうち1~5月実績は109.63億レアルと、目標を15.13億レアル上回った。

     

    Ⅱ.99年下期の展望

    上述の通り、99年上期のブラジル経済はレアルの大幅切下げにもかかわらず世界も驚く急速な回復ぶりを見せた。

    IMFと約束したCofins、CPMF税率アップなどの財政調整策は殆ど国会で承認された。

    このような情勢を背景に、インフレ抑制と通貨安定を中心としたFHC第1次政権から、第2次政権は成長路線に転じたいというのが大統領の意向のように見受けられる。

    しかし、下期の情勢は上期に比し極めて難しくなることが予想される。

    先ず第1は財政である。上期の1次収支は未公表の6月実績を加えれば、IMFと約束した目標には不足するであろうが、5月までは達成しているので、何とかかっこうのつく数字になるであろうことは予想される。

    しかし、5月までの好調は、IMF支援の条件である財政調整策による増税や、電話民営化代金の支払いなど臨時的増収によるところが大きい。上半期は何とかかっこうのつく数字が出たとしても下期、更に来年、来々年は目途がたたない。

    また、レアル切下げ論者が切下げ前に主張したことは、輸出の増加と金利の低下であった。しかし、切下げ論者のコンセンサスであった15~20パーセントを大幅に上回る45~55パーセントのドル・レート上昇にもかかわらず、輸入減による貿易収支の若干の改善はあったが、輸出は前年上期比減少している。今後の景気刺激は更に輸出を押さえ、輸入増加となる可能性が強い。

    金利も下がったとはいえ、実質金利は世界最高水準であり、これ以上の引下げ余地は少ない。

    切下げを契機としFHC政権の評価は急落し、低下は依然として継続している。政権の弱体化から不安定要因的出来事の続発に対するコントロールが困難となりつつある。政府を支持する与党各党は2002年の大統領選、その前哨戦としての来年の市長選を射程においており、第1次政権当時のような協力ぶりは見られない。最重要課題である財政責任法、税制改革、年金改革、行政改革の行方に今後の経済の動向がかかっているが見通しは明るくない。

    7月FHC色を強調した内閣改造を行なった。意図通りFHCの信頼と権威を回復出来るかどうかが注目されるが、PFL及びPMDBの2大政党は今回の改造には冷淡である。

  • 金融部会

    • 与信リスク高まり銀行は貸出しに慎重
    • 銀行は国債投資運用で高収益
    • 大きかった為替差益
    • 外資が積極攻勢,地場銀行は規模拡大狙う
    • 企業によっては資金調達困難
    • 下期は回復への足がかりつかもう
    • 前途悲観・楽観まちまちの保険
    • IRB民営化に世界の大手が食指 動かす

     

    山浦:山浦でございます。全般の動きについて田中先生のほうからご説明がありましたので、要はこの上半期、相当金融動向が激変した訳なんですが、このような環境の中で国内の銀行は与信リスクが相当上昇したということもあり、貸し出しには慎重を期して充分なスプレッドを上乗せするという動きになりました。一方で景気後退もあり、企業側の資金需要自体も減退しましたので、銀行としては国債を中心とする市場運用の比率を上げた訳です。この国債にしても金利が相当高騰したこともあり、相応の収益を確保できているという構造になりました。

    蔵相と中銀総裁の奔走が奏効

    因みに日本の銀行であれば、大体総資産の5割から6割ぐらいは貸し出しに当てているものと思われるのですが、ブラジルの、特に地場大手銀行の場合は、貸し出しには3割程度しか回っていないというような状況にあります。更に1月の為替切り下げによる為替差益等も享受しまして、最近、今年上半期の結果を出しておりますが、前年対比で大幅な増益を達成しているところが続出しているという状況でございます。

    また、97年以降、金融界でも外資が積極攻勢に出ている訳でございまして、このような金融再編のうねりの中で地場大手銀行は、特に今後下期に入るんですが、バネスパ等の買収を視野に入れて“規模の拡大”を図っている、ということが言えると思います。因みに借り手側の国内大手企業ですが、この上半期は外貨の調達難に直面しまして、運転資金の調達ですとか、あるいは設備資金の繋ぎに国内CPを活用する等レアル市場への回帰の傾向も見られました。特に近年、借り入れによって経営多角化とか、あるいは拡大をしていた大手企業グループの中には、調達難に陥り、グループ企業を手放す等のケースも増えております。

    それから邦銀等の外銀の活躍範囲であります外貨調達、あるいは直投の動向がどうかということですが、このようにカントリーリスク自体も上がりましたので、調達環境も一段と悪化し、特に貿易取引向けの与信が枯渇するのではないかと心配された訳ですが、3月に中銀総裁、大蔵大臣が直々に海外金融機関に与信枠の継続依頼を致しました。これが功を奏しまして、特に欧米の銀行団は一旦減額した貿易与信枠を増額へ転じ、さらに4月下旬にはブラジルのグローバルボンドも発行できました。これは2年振りということでございます。従いまして切り下げ後の混乱以降、概して調達環境は快方へ向かってきたといえると思います。

    大手の身売り、合併の噂さ出る保険業界

    次に保険業界の動向に目を向けますと、公式データは4月末までしか出ていないのですが、それを見ますと、前年比で1.8%のマイナス成長ということですが、全般的には上半期は対前年比横ばいか若干プラスの成長をしているのではないかと言われています。で、その要因は健保が好調ということなんですが、ただこの健保を除くとマイナス成長ということで、ある意味では厳しい営業環境となっております。特に業界を悩ましているのは自動車の盗難が増えているということです。

    下期の展望

    次に下半期の動向、展望でございますが、IMFに宛てた政府の経済対策メモランダムに代表されるように、特に最近時点での色々な機関の経済見通しを見ますと、危機直後の予想と比較して格段に楽観的なものになってきております。従いまして、この下期は景気面では最悪期を脱出して回復への足がかりをつかむ半期と思われます。

    因みに主要な外銀、あるいは地場の投資銀行等の9行の予想を集め、平均値を出してみましたが、各行によってどういったシナリオを描くかによって異なって参りますので、一概に平均値が意味があるとは言えませんが、インフレ率についていえば、消費者物価指数で6.5%、卸し売り物価指数で15%程度、銀行間の金利は年末時点で18%で、累積しますと年を通して25%。為替は年末時点で1.78レアルというようなことになっております。

    それから、外貨の調達環境についてはかなりの勢いで改善していると思われるのですが、資金供給者である我々外銀の立場から見ますと、特に景気動向に左右される企業の業況に従来以上に留意を払いながら対応して行くということになると思います。従いまして、巨額な外貨債務を抱える企業とか国内市場向けの企業、こういったところの外貨調達は引き続き簡単ではないと思います。

    一方で、当然景気も後退しておりまして、引き続き事業資金自体も減退していること。加えて為替切り下げを目の当たりにして外貨の調達に対する不安感も相当盛り上がっていること。また、従来内外金利差の鞘抜きを狙った運用資金需要があったのですが、これも国内金利がここまで下がって来ましたので減少するだろう、という借り入れサイドの要因もありまして、外貨の調達市場が急速に大きくなることは考えにくいかな、と思います。

    次に保険業界の下期の展望でございますが、これは業界では楽観派、悲観派かなりまちまちでして、楽観派の中では20%成長するだろうというところから、悲観派の中ではマイナス5%位の成長というようにバラツキがございます。ただ現実的にはブラジルのマクロ経済の成長率に即して動くということであろうと思われ、恐らく下半期では3~4%の成長で、通年で2%ぐらいの成長であろうと思われております。特に自動車とか生保、健保は下期堅調に伸びるだろうと予想されています。

    なお下期のトピックスとしては、過去60年間再保険業務を独占してきたブラジル再保険院、略称してIRBといいますが、これが10月14日の競売をもって民営化されるという予定になっております。競売の参加者としてはドイツ、スイス等の世界のビッグネームが噂されております。それから加えてトピックスとしては、ここ数年、業界を賑わしております国際的な合従連衡、この動きも出てくるだろうということで、業界では最近はブラデスコの保険部門がフランス資本に買収されるとか、イタウの保険部門がドイツのALIANZと合併する等の話も出てきております。以上でございます。


    インフレ、為替、金利予測

    司会:どうも有難うございました。今の田中部会長、それから山浦部会長から前半の回顧と下期の見通しの話がありましたけれども、まとめますと、後半の見通しはインフレ率は消費者物価で6.5%で、卸で15%。

    前回の2月の懇談会で言われた20%以上のインフレという予測に対して大幅切り下げ後、回復が早いということで、インフレ率は20%以下、15%ぐらいだろうと。それから金利が年末で18%ですね。いま19.5%ですから、あと少し下がるだろうと。それから為替が1.78ぐらいだろうと。いま大体1.78から1.82ぐらいをウロウロしていますが、まあ変わらないだろう、ということで成長率は山浦部会長いくらいになりそうですか?

    山浦:成長率は申し上げなかったのですが、えーとその同じ調査ですと大体マイナス1くらいですかね。0からマイナス1です。

    司会:それから貿易収支予想は、田中部会長は10億ドルぐらいの黒字だったですね。

    田中:ええ難しいとそういう言い方ですね。それから先ほどの成長率もIMFとの一応目標というか、目途としてはマイナス1からマイナス1.2%という数字はさっき申し上げたのですが、それから貿易収支は37億ドルの黒字に変わったと。

    司会:わかりました。今から順々に各部会長さんにお話頂きますけれども、一応この数字を頭においてこういうふうに言われたけれども、われわれの業界ではこう見ているという積極的な肯定否定も含めてお願いしたいと思います。それでは貿易部会の今宮部会長お願いします。

  • 金融部会(回顧と展望)

    部会長 山浦 秀雄

    1.99年上期の回顧

    1)金融動向全般

    1月のイタマール・ミナス州知事によるモラトリアム宣言に端を発し、巨額の資本流出、中銀総裁の辞任、変動為替相場制への移行、レアルの実質切り下げ、とブラジルを取り巻く環境は急速に安定を失った。しかし、3月にはフラガ中銀総裁が就任、金利を大幅に引き上げ、当面の景気よりもインフレ抑制を優先する断固たる姿勢を示したことにより、事態は一転、ブラジル経済に対する国際金融筋の信認は回復へ向った。資本逃避も一段落し、IMF等からの国際支援継続の取付けにより外貨需給も安定、それに伴い為替レートも安定へ向った。その結果、懸念された通貨下落によるインフレ圧力の顕現も極めて限定的に止まった。

    このような環境下で、銀行は与信リスクの上昇から貸出には慎重を期する一方、景気後退による企業側の資金需要減退もあり、国債運用の比率を引上げつつ、相応の収益を確保している。更に為替切下げによる為替差益を享受し、各行共前年比大幅増益を達成している。なお、国内大手企業は、外貨調達難に直面し、運転資金調達や設備資金の繋ぎに国内CPを活用する等レアル市場回帰の傾向も見られた。

    また、外資の積極攻勢に代表される金融再編のうねりの中で、地場大手行もBanespa買収等を視野に入れた規模拡大を図っている。2)外貨調達・直投動向

    カントリーリスク上昇から、外貨調達環境は一段と悪化することが懸念された。特に外貨獲得の本源的手段である貿易取引向け与信の枯渇が心配されたが、中銀総裁・大蔵大臣直々の海外金融機関に対する与信枠継続依頼が功を奏し、欧米銀行団は一旦減額していた貿易短期与信枠を増額へ転じた。また、危機直後に約2年ぶりのブラジル政府の外債発行も実現した。要すれば、概して調達環境は快方へ向かい、危機に陥ることはなかった。

    海外からの直接投資については、大型民営化案件の一段落感からピークアウトはしたものの、欧米勢を中心とする外資の積極的な参加により、引き続き高水準で推移している。(99年6月の段階ですでに130億ドルに達している)。

    3)保険業界の動向

    4月末までの業界公式データによると、保険業界は昨年対比でマイナス1.8%の成長となっているが、上半期は好調な健保が牽引役となり、昨年対比横這いか、若干ながらプラス成長に転ずるのではないかと見られている。但し、除く健保ベースでは依然としてマイナス成長という厳しい営業環境である。

    業界を悩ましている問題として、自動車の盗難が、増加していることが挙げあられる。更に長引く景気の停滞を受け、事業損益は各社軒並み悪化している。


    2.99年下期の展望

    1)金融動向全般

    金利上昇により心配された実態経済の疲弊も、通貨危機解消直後の素早い利下げにより、当初懸念された水準には至っていない。IMF宛て経済政策メモランダムに代表されるように、多くの機関による現時点での経済見通しも、危機直後の予想と比較すると格段に楽観的なものに修正されている。要するに、景気の面からも最悪期は脱しつつ、99年下期は実態経済回復への足がかりをつかむ半期となると思われる。

    但し、懸念材料として次の要因があることも拭いきれない。第一に、過大評価されていた為替が適正水準化したにもかかわらず、韓国、メキシコのケースと異なり、期待通りには貿易収支が改善しない点。第二、行政財政構造改革にかかる法案は通ったものの、それを具体的なプランとして実行していく腕力の欠如。第三、公共料金値上げによるインフレ圧力の胎動。第四、アルゼンチン動向のブラジルへの影響。万が一、これら消極的材料に市場が過敏に焦点を集める際には、再び上期のような混乱が惹起されるおそれもなしとしない。

    なお、平均的な予測では、今年のインフレ率(CPI)6.5%、(WPI)15%程度、銀行間金利(年末)18%、(累積)25%、為替R$1.78%/US$程度となっている。

    2)外貨調達・直投動向

    期待以上の経済回復から外貨調達環境はかなりの勢いで改善しているものと思われるが、資金供給者の観点からは、景気動向を投影する企業業況に留意を払いながらの資金供給となると思われる。巨額の外貨債務を抱える企業や、内国市場型企業の外貨調達は引き続き容易ではないと思われる。

    また一方では、景気後退による事業資金需要の減退、今次為替切り下げによる外貨調達への嫌悪感、金利低下による内外金利差の鞘抜きを狙った運用性資金需要減少といった需要サイドの要因もあり、外貨調達市場が急速に活発化することは考えにくい。

    直接投資については、内外市場動揺の収束、国内経済の予想外に速い立ち直りにより、引き続き着実に進展する見込みである。99年の直接投資は当面のピークになると見られる98年の261億ドルには及ばないが、200億ドル程度と高水準に仕上がるものと思われる。

    3)保険業界の動向

    下半期の展望を巡っては、楽観派、悲観派それぞれ見方が異なっており、前者は20%の成長、後者は5%のマイナスと大きな差がある。

    実際にはブラジルマクロ経済の成長率にフォローして行くと見るのが妥当であろう。下半期で、3~4%の成長、通年で前年比1.5~2.0%の成長率を示すものと思われる。種目別には、マス商品(自動車、生保、健保)は、主要種目として堅調に伸びて行くことが予想されるが、ここ数年見られたような華々しい伸長は期待できない。

    下半期のトピックスとして特筆すべきは、1939 年以降半世紀以上に亘り、再保険業務を独占してきたブラジル再保険院(略称IRB)がいよいよ民営化されると共に独占体制に終止符が打たれることである。競売は10月14日に予定されており、ドイツのMunich-ReやスイスのSwiss-Reといった世界のビッグネームの参画が噂されている。独占体制終焉後のレギュレーション詳細は未だ不明であるが、2年間は民営化された新IRBが国内再保険市場の60%を支配できる権利を有するといわれ、本当の意味での自由化は未だ先である。

    ここ数年業界を賑わしている、国際的な合従連衡の動きも見逃せなくなってきている。最近の憶測では、AXA(フランス)によるBRADESCOの買収、ITAUとALIANZ(ドイツ)の合併の話が業界関係者の注目を浴びている。

    4)金融業の成長を阻害するもの

    具体的には、本年度1月から適用されることになったCOFINSは、実務上価格(顧客)に転嫁させることが出来ず、疑いもなく金融機関の収益構造を悪化させている要因である。

    また一般的には、実態に馴染まない法律の制定、制定された法律を恣意的に運用する司法・行政の体質が、実業を営んで行く上で多々障害となっている。

  • 貿易部会

    • 1~6は輸出224億、輸入230億、約6億ドルの貿易赤字
    • 気になる輸入増
    • 工業製品輸出ダウン,特に自動車、飛行機
    • 大きいメルコスール向け輸出低下
    • 日本向けは18.7%落ち込む
    • 日本からの輸入は自動車部品、通信関係伸びる
    • 貿易状況からつかめるアジアの景気回復

     

    ● 私見では通年で輸入500億ドル強、輸出は480億ドル割るか(最悪の場合)
    注:数字は部会レポート参照

    今宮:私のところは数字の羅列が多いので一応お手元に15表から成り立つ資料を配布しており、これに基づいてご説明します。この資料のバックデータは開発省の

    SECEX公表の統計資料で、おそらく今日あたり6月が取れると思うのですけれども、一応アベイラブルなもの、1月~5月ということで、年度末の時も11月までということでどうしてもひと月欠けるんですけれど、これを去年の同時期との比較で表を作っております。

    最初の1ページ目の表1はともかくとして表2に一応6月の速報というか、数字も出ていますんで、この輸出入に関して前年同期の比較をすると輸出が224億に対して輸入が230億ということで約6億ドルの貿易赤字。去年に比べると260と280で約20億ドルの貿易赤字が。まあ随分インプルーブしたということにはなるのですけれども、数字そのものは低調です。この中で一つ気になることは、6月に輸入が前年比較においてマイナス8.3%ということで、やっとこれがここにきて景気の回復で輸入が増えてくるのかな、と気にしていたところ、7月、一昨日発表された速報で本来一番ピークである筈の輸出入が7月に41億1700万、輸入が40億2400万とわずか9300万ドルの貿易黒字と極めて低調であるということです。輸入に至っては、去年の同時期はおそらく53億ドルぐらい入っていたと思うんですけれど、相当低調であると。

    工業製品、基本的にはラ米向け

    次に2ページ目、ブラジルの貿易を輸出と輸入ということで、大きな括りの中で見て頂きますと、輸出は全体で14%のダウン。しかしながら、その中でやはり一番ダウン率が大きいのが工業製品の16%。これは後ほど述べますけれども、自動車とか飛行機とか先進国に出すものを除くと、やはりブラジルの工業製品というのは基本的にラ米各国に流れている、ラ米経済の落ち込みがいかにひどいか、ということが分かると思います。それから一次産品、数量が例えばコーヒーが倍増されたとか、いくつかあるんですけれども、鉄鉱石、大豆他ほとんどの国際一次産品の価格が下がって金額的には約14%弱下落。それから半製品、これもスラブであり、アルミの地金であり、全般に下がっているが、一部上がったものもあるということで比較的微少で済んでいる。

    輸入については、当たり前ですけれども、全体で19.5%落ちた中で消費財が一番激しい。これは耐久、非耐久ともに落ちている筈です。それと燃料のマイナス29%というのは、ご存知の通り、前半非常に世界の原油価格が安かったという事と、ペトロブラスがいま瞬間113万b/dまで生産をしており、これが相俟って下がっています。ただ原油のスポットがもう20ドルを超え、下期を見ると原油だけで5、60万/日買ったとしても5ドルであれば一日250万でまあ、4、5億ドル増えると思います。

    次に3ぺージ目の表の5-1。これは大体1億ドル以上の輸出品目を25並べたものです。時間の関係上省略しまして4ページ。この輸出の内容を一次産品、半製品、それから工業製品で見て頂いて、実はこれも一番肝心なところなんですけれども、時間の関係で、後でゆっくり見て頂くということで省きます。

    次に輸出の相手国というものを見た場合まあ相変わらずアメリカ、アルゼンチンと、順番はほとんど変わらないのですけれども、特に下の表の経済ブロックで見た場合、やはり輸出が14%落ちた中でメルコスルの落ち込みが約29%と非常に大きい。それと次にアジア、12.1%、なかんずく日本がまだ18.7%ということで大きいと。東ヨーロッパとかその他ありますけれど、一つ注目しなくてはいけないのは、EUが若干やはりアメリカに比べて景気が後退ということで9%弱ですけれど、北米だけが唯一、まあプエルトリコというのは殆ど無視していい数字なんで、要するにアメリカへの輸出がここでやはり伸びているというのが一つの特徴です。

    同じように次、やはり1億ドル以上のブラジルが買っている輸入品22品目を並べてみたのですけれども、若干特徴的なのは医薬品、発電変電機、それから航空機の部品、こういったものが伸びて、後は軒並み落ちている。これを本来なら資本材とかで分けるんですけれども、一応、一次産品、ほとんど原料だと思いますが、この中で唯一伸びているのが米だけで、あと工業半製品、それから工業製品ともに大体、一部まあ医薬品だとか先程申し上げた発電関係では伸びていますが、軒並み落ちている。次にブラジルの輸入先を、やはり同じ様に国単位で見た場合、大体上位は殆ど米国を筆頭に変わらない。これを次に経済ブロックで見た場合に一番落ち込みが激しいのが全体の落ち込み19.5%に対するメルコスルの30.4%。それから次にアジアが23.5%のダウン。日本もほぼ同じ比率で落ちている。やはり輸入に関してはかなり消費財の抑制ということでアメリカ、あるいはEUについても軒並み落ちていると。

    次に日伯の関係での輸出入。大体出てくるのは輸出の場合はいつも決まったコモディティーであって、少し日本の鉄鋼が回復して来ましたけれども数量は落ちる、それから値段も約12、3%下がった。まあここの5.7というのはたまたま1~3月。日本の契約というのは4月以降になっていますから、4月以降の契約は12%ほど落ちていますので、さらにこの数字は厳しいものだなと思います。それからアルミについても地金がLMEの価格が低迷している。唯一この中でブロイラーが増えている。面白いのはオレンジジュースの値段が瞬間前半は上がったのですけれども、数量が落ちて金額的には落ちている。日本からの輸入で見ると大体いつも出てくる物で、自動車部品、それから、通信関係は一応前年よりも伸びております。建設機械が著しく伸びているのですが、これは一過性のものと見ております。

    ラ米のきびしさ分かる
    アジア諸国の回復順番も

    それから次にメルコスルで見た場合、去年同時期の全体のメルコスル比率というのは輸出で17.3%、輸入に関しては16.5%あったのがやっぱり共に14%台に落ちている。その中で、特にメルコスルの中でアルゼンチンが殆どなんですけれども、先ほど申し上げたようにラ米がいかに厳しいか、まあ今日あたりペルーが経済成長を3%から3.4%ぐらいに上方修正しておりますけれども、ここの貿易の動きで見る限りメルコスル以外にこのALADIの7カ国、これも軒並み落ちていて、同じようにやっぱり輸入をみても全体31.2ダウンとかなりの勢いで、まあ金額は大いしたことないにしても落ちているということで、この辺はやはりラテンアメリカの中では「買ってくんなきゃ買ってあげないよ」という動きが一つあります。

    それからもう一つはしょりましたけど、アルゼンチンとブラジルの特徴の中で全体がやっぱり貿易をですね、アルゼンチンの一部出超にアジャストしているというのは見え見えなんですけれども、そのバッファーとして原油の引き取りで相当調整しているな、というのが別の資料から伺えます。それからアルゼンチンの中の輸出入というものをこれ見て頂きますと、今申し上げましたように輸入の中の原油が35.3%落ちていると。本来なら買ってやってもいいんじゃないかなと思うんですけれども、おそらくこの辺は20億の輸出に対して22億ぐらい買ってもらっているというのはおそらくこのバランスの現われだと思います。

    それと次にブラジルから見たアジア。これ初めて作ってみたのですが、やはり輸出で見ますと、韓国、シンガポール、それからインドネシアはまだのた打ち回っているけれども、一応貿易で見ると54.3%増ということで、大体アジアの景気回復のいわれている国の順番にこういうのが見れるかなと。同じ様に今度アジアからやっぱりブラジルが買っているもので見ると、やはり色んな落ち込みが23%あり、中でも韓国の落ち込みが6%台ということで、何となく韓国の景気の回復というのが分かる。

    それから最後にブラジルの5ブロックの経済地域からの輸出入をご参考までに付けて見たんですけれど、早い話、南東部と南部の7州で輸出に関して82%、輸入に関して83%、特にサンパウロっていうのはやっぱり消費財ということもあるわけですけれども、例えば今年の前半で見ると、8億輸入して64億ドルしか輸出していないということで、まあなかなか、景気が回復すればするほど厳しい状況になるのかなと。その他南部についてはやっぱり農業の一次産品のブロックとしての数字が出ていると思います。

    最後に下期の見通しなんですが、一応、田中先生、山浦さんのほうからもお話があったので、はしょりますが、私の了解ではですね、3月のIMFの110億出せとか、この間の7月の37億ドル出せと。これは極めて国際収支のボトムラインから溯った政治的な数字であって、おそらくある程度の見通しは出しているとは思うんですけれども、こういった数字というのは、やはりかなりポリチカルなターゲットであったなということで今、現在見ますと、最近あの37億というものを7月に発表した後、バンコセントラル(中銀)がやっぱり精々やって21億ドルかなと。

    ところがCNI(全国工業連盟)が7月26日に発表したので、これがかなりリアリスティックで輸出がだいたい前年比1%ダウンの506億、輸入が14%ダウンの496億ということで10億ドルぐらいがいいところじゃないのと。ところが二日前に7月の貿易収支の発表があって、ここのUSPの経済学者が「輸出が467億、輸入が494億ということで27億ドルの貿易赤字」の見通しをしております。

    なぜかというと、今言った1~6月の数字から推していきIMFのような数字でいきますと輸出を今後5カ月で平均47億/月、輸入を44億/月位で抑えろということです。先ほど田中先生の話でもあったように、そこそこ経済が明るい方向になれば、どうしても輸入の原材料が増えるということで、最終的に貿易部会としての独断と偏見では、輸出入とも多分通期で490プラス、マイナス10億というレンジで収束するのではないのかなということで、私個人の見方としては輸入が最悪やはり500億は超えると、輸出が下手すると480億を割るということで貿易収支の赤字っていうのはやはり私は20億ドル前後出てくるのではないかなと、こういうふうにみております。以上です。

    司会:どうもありがとうございました。インフレその他の数値は貿易業界のほうではどう見ておりますか?インフレ予想。貿易収支は非常に明解な予想が出たので。要するに輸入が増えるとインフレ傾向になりますよね。

    今宮:あの、明日から適応される、燃料値上げ。トラックの連盟は受けたようですけれど、こういうことで輸送コストが上がるとか、若干効率が落ちるというようなことで、やはり少しインフレ要因になるのではないですかね。下期はインフレが上がると、まあその感じはしますね。電気代にしても何にしても徐々にとですね、上期に比べると来るんじゃないかと。

    貿易黒字は望み薄

    司会:金融部会コンサルタント部会の見方と違うところは特にないですかね。

    今宮:まあ、だいたい2、3の人に聞くとやっぱり最初から貿易の黒字なんていうのは誰も期待していないというのが、ブラジルの経済界のコメントですね。

    司会:わかりました。どうもありがとうございました。それでは化学品部会の矢島部会長お願いします。

  • 貿易部会-各種データ-

    《貿易実績》

    ブラジル貿易実績

    表1                      (単位:百万ドル)

      99年1~5月 98年1~5月 増減(%)
    輸出額 18,133 21,082 △14.0
    輸入額 18,605 23,107 △19.5
    貿易収支 △472 △2,025

    -

    表2                                   (単位:百万ドル)

    輸出 輸入
    1999年 1998年 増減(%) 1999年 1998年 増減(%)
    1月 2,946 3,914 △24.7 3,646 4,640 △21.4
    2月 3,267 3,715 △12.0 3,164 3,936 △19.6
    3月 3,829 4,273 △10.3 4,052 5,168 △21.5
    4月 3,705 4,571 △18.9 3,669 4,629 △20.7
    5月 4,386 4,609 △4.8 4,074 4,734 △13.9
    1~5月合計 18,133 21,082 △14.0 18,605 23,107 △19.5
    6月(e) 4,313 4,886 △11.7 4,457 4,863 △8.3
    1~6月合計 22,446 25,968 △13.5 23,062 27,970 △17.5


    ブラジル貿易実績1999年1~5月

    表3

    輸出 輸出額(百万ドル)
    (構成比%)
    増減(%)
    1999年 1998年
    一次産品=鉄鉱石、コーヒー、大豆、大豆ミール、タバコ葉、肉類、etc 4,552(25.1%) 5,276(25.0%) △13.7
    工業半製品=鉄鋼半製品、アルミ地金、パルプ、皮革、ゴールド、合金鉄、大豆油、原糖、バター、etc 3,023(16.7%) 3,340(15.9%) △9.5
    工業製品 10,215(56.3%) 12,163(57.7%) △16.0
    その他 343(1.9%) 303(1.4%) 13.2
    合計 18,133(100.0%) 21,082(100.0%) △14.0

    表4

    輸入 輸入額(百万ドル)
    (構成比%)
    増減(%)
    1999年 1998年
    資本財 5,351
    (28.8%)
    6,126
    (26.5%)
    △12.7
    原料 8,865
    (47.6%)
    10,794
    (46.8%)
    △17.9
    消費財 2,989
    (16.1%)
    4,216
    (18.2%)
    △29.1
    燃料 1,400
    (7.5%)
    1,971
    (8.5%)
    △29.0
    合計 18,605
    (100.0%)
    23,107
    (100.0%)
    △19.5

    1999年1~5月貿易収支:△472百万ドル

     

    《輸出品》

    ブラジルの輸出品(1~5月)

    表5-1

    品目 輸出額(百万ドル) 数量(t)
    増減(%)
    平均価格
    ドル/t
    増減(%)
    1999年 1998年 増減(%)
    鉄鉱石 1,100 1,467 △25.0 △20.4 △5.7
    コーヒー豆 8989 828 19.4 111.2 △43.4
    大豆(ミール含む) 753 993 △24.2 △0.7 △23.6
    飛行機 594 402 47.8 20.3 22.6
    履物 540 567 △4.8 5.7 △9.9
    大豆粕 490 645 △24.0 2.6 △26.0
    パルプ 473 444 6.5 17.6 △9.3
    鉄鋼・製鉄・半製品 445 608 △26.8 20.4 △39.2
    オレンジ・ジュース 443 420 5.5 △13.0 21.1
    自動車部品 431 608 △29.1 △12.8 △18.6
    自動車用エンジン 371 452 △17.9 △13.5 △4.9
    乗用者 359 767 △53.2 △45.2 △14.5
    アルミニウム 351 394 △10.9 8.7 △18.0
    鉄鋼製品 342 490 △30.2 △6.3 △25.2
    ブロイラー 340 283 20.1 17.4 2.3
    粕糖 326 349 △6.6 53.3 △39.1
    精製糖 276 276 0.0 44.1 △30.7
    ポンプ/
    コンプレッサー
    275 294 △6.5 6.7 △12.3
    トラック 273 450 △39.3 △37.5 △2.7
    253 279 △9.3 1.2 △10.3
    大豆油 249 179 39.1 72.2 △19.0
    皮製品 241 298 △19.1 △14.1 △5.5
    送受信機 234 267 △12.4 39.1 △37.0
    タイヤ 192 219 △12.3 △2.8 △9.7
    タバコ葉 189 343 △44.9 △33.5 △16.9
    その他 7,604 8,760 △13.2 - -
    合計 18,133 21,082 △14.0 △11.6

    -


    同上グループ別(1~5月)

    表5-2A

    品目 輸出額(百万ドル) 数量(t)
    増減(%)
    平均価格
    ドル/t
    増減(%)
    1999年 1998年 増減(%)
    一次産品
    1 鉄鉱石 1,100 1.467 △25.0 △20.4 △5.7
    2 コーヒー豆 989 828 19.4 111.2 △43.4
    3 大豆
    (ミール含む)
    753 993 △24.2 △0.7 △23.6
    4 大豆粕 490 645 △24.0 2.6 △26.0
    5 ブロイラー 340 283 20.1 17.4 2.3
    6 タバコ葉 189 343 △44.9 △33.5 △16.9
    7 牛肉 155 96 61.5 70.9 △5.7
    8 カジュナッツ 49 62 △21.0 △41.4 34.3
    9 カオリン 48 46 4.3 8.3 △4.0
    10 アルミニウム  (鉱石) 45 42 7.1 16.7 △8.8
    その他一次産品 394 471 △16.3 - -
    合計 1 4,552 5,276 △13.7 △17.5 -
    工業半製品
    1 パルプ 473 444 6.5 17.6 △9.3
    2 鉄鋼・製鉄半製品 445 608 △26.8 20.4 △39.2
    3 アルミニウム 326 394 △10.9 8.7 △18.0
    4 粕糖 351 349 △6.6 53.3 △39.1
    5 大豆油 249 179 39.1 72.2 △19.0
    6 皮製品 241 298 △19.1 △14.1 △5.5
    7 木版 177 172 2.9 9.5 △6.2
    8 合金鉄 165 189 △12.7 △17.0 5.0
    9 ゴールド(鋳造) 133 142 △6.3 △1.1 n.a.
    10 鋳鉄 111 223 △50.2 △27.0 △31.8
    その他の工業半製品 351 341 2.9 - -
    合計 2 3,022 3,339 △9.5 11.6 -


    表5-2B

    品目

    輸出額(百万ドル)

    数量(t)
    増減(%)

    平均価格
    ドル/t
    増減(%)

    1999年

    1998年

    増減(%)

    工業製品

    1 飛行機

    594

    402

    47.8

    20.3

    22.6

    2 履物

    540

    567

    △4.8

    5.7

    △9.9

    3 オレンジ・ジュース

    443

    420

    5.5

    △13.0

    21.1

    4 自動車部品

    431

    608

    △29.1

    △12.8

    △18.6

    5 自動車用エンジン

    371

    452

    △17.9

    △13.5

    △4.9

    6 乗用車

    359

    767

    △53.2

    △45.2

    △14.5

    7 鉄鋼製品

    342

    490

    △30.2

    △6.3

    △25.2

    8 精製糖

    276

    276

    0

    44.1

    △30.7

    9 ポンプ・コンプレッサー

    275

    294

    △6.5

    6.7

    △12.3

    10 トラック

    273

    450

    △39.3

    △37.5

    △2.7

    その他工業製品

    6,311

    7,436

    △15.1

    -

    -

    合計 3

    10,215

    12,162

    △16.0

    11.1

    -

    その他取引(再輸出等)

    344

    305

    12.8

       

    総合計

    18,133

    21,082

    △14.0

    △11.6

    -

     

    《輸出相手国・地域》

    ブラジルの輸出相手国(1~5月)

    表5-3

    輸出額(百万ドル)

    増減(%)

    1999年

    1998年

    米国

    3,946

    3,871

    1.9

    アルゼンチン

    2,029

    2,780

    △27.0

    オランダ

    1,066

    1,130

    △5.7

    ドイツ

    1,036

    1,199

    △13.6

    日本

    767

    945

    △18.8

    ベルギー

    764

    880

    △13.2

    イタリア

    756

    937

    △19.3

    英国

    526

    500

    5.2

    スペイン

    513

    413

    24.2

    フランス

    475

    502

    △5.4

    メキシコ

    318

    429

    △25.9

    パラグアイ

    314

    525

    △40.2

    チリ

    291

    466

    △37.6

    ロシア

    273

    330

    △17.3

    ウルグアイ

    262

    343

    △23.6

    韓国

    249

    206

    20.9

    中国

    240

    409

    △41.3

    イラン

    210

    125

    68

    ベネズエラ

    203

    353

    △42.5

    ボリビア

    185

    304

    39.1

    その他

    3,710

    4,435

    16.3

    合計

    18,133

    21,082

    △14.0


    ブラジルの輸出相手地域(1~5月)

    表5-4

    地域

    輸出額(百万ドル)/(構成比)

    増減(%)

    1999年

    1998年

    EU

    5,580

    (30.8%)

    6,177

    (29.0%)

    △8.8

    メルコスール

    2,606

    (14.4%)

    3,649

    (17.3%)

    △28.6

    北米+プエルトリコ

    4,014

    (22.1%)

    3,924

    (18.6%)

    2.3

    アジア

    2,084

    (11.5%)

    2,371

    (11.2%)

    △12.1

    {内、日本}

    [768

    (4.2%)]

    [945

    (4.5%)]

    [△18,7]

    東ヨーロッパ

    396

    (2.2%)

    583

    (2.8%)

    △32.1

    アフリカ

    477

    (2.6%)

    585

    (2.8%)

    △18.5

    その他

    2,976

    (16.4%)

    3,793

    (18.3%)

    △21.5

    合計

    18,133

    (100%)

    21,082

    (100%)

    △14.0

     

    《輸入品》

    ブラジルの輸入品(1~5月)

    表6-1

    品目 輸入額(百万ドル) 数量(t)
    増減(%)
    平均価格
    ドル/t
    増減(%)
    1999年 1998年 増減(%)
    送受信機 731 827 △11.6 △31.5 29.0
    石油 618 975 △36.6 △28.2 △11.6
    乗用車 579 1,032 △43.9 △43.4 △0.8
    医薬品 519 388 33.8 △24.1 76.2
    自動車部品 506 639 △20.8 △19.6 △1.3
    発電・変電機 401 286 40.2 27.0 10.2
    機械類 373 514 △27.4 △31.8 6.5
    精密化学品 353 454 △22.2 △30.4 11.7
    ナフサ 345 465 △25.8 △3.4 △23.0
    コンピューター部品 336 345 △2.6 △8.7 6.5
    小麦 321 326 △1.5 12.0 △11.9
    コンピューター 296 353 △16.1 △28.7 17.7
    電話・通信関連 291 285 2.1 0.2 1.9
    精密機器 290 346 △16.2 △24.7 11.6
    燃料 244 300 △18.7 7.7 △24.3
    重機械部品 226 174 29.9 △32.1 91.6
    石炭 217 254 △14.6 19.6 △28.6
    航空機部品 202 160 26.3 6.7 17.8
    肥料 198 252 △21.4 △17.0 △4.7
    機械部品 192 293 △34.5 △48.1 26.8
    ポンプ・コンプレッサー 177 230 △23.0 △25.7 3.9
    綿 164 241 △32.0 △16.1 △18.0
    その他 11,026 13,968 △21.1 - -
    合計 18,605 23,107 △19.5

    △8.6

    -


    ブラジル輸入品

    表6-2

    一次産品 輸入額(百万ドル) 数量(t)
    増減(%)
    平均価格
    ドル/t
    増減(%)
    1999年 1998年 増減(%)
    1 石油 618 975 △36.6 △28.2 △11.6
    2 小麦 321 326 △1.5 12.0 △11.9
    3 石炭(粉) 217 254 △14.6 19.6 △28.6
    4 綿 164 241 △32.0 △16.6 △18.0
    5 米 160 142 12.7 52.0 △25.6
    6 干し魚 79 97 △18.6 △30.9 19.0
    7 銅(鉱石) 72 82 △12.2 42.8 △38.8
    8 コーン 42 55 △23.6 △18.2 △6.8
    9 石炭 37 69 △46.4 △52.3 13.3
    10 ニンニク 34 52 △34.6 △21.9 △15.4
    その他一次産品 522 941 △44.5 - -
    合計 1 2,266 3,234 △29.9 △12.7

    -

     

    工業半製品

    輸入額(百万ドル) 数量(t)
    増減(%)
    平均価格
    ドル/t
    増減(%)
    1999年 1998年 増減(%)
    1 KCI(肥料) 99 111 △10.8 △12.9 2.0
    2 パルプ 53 55 △3.6 10.4 △13.0
    3 皮製品 51 47 8.5 28.1 △14.4
    4 Copper Cathode 48 93 △48.4 △35.0 △19.9
    5 Synthetic rubber 46 58 △20.7 △15.5 △6.1
    6 大豆油 37 60 △38.3 △30.8 △8.6
    7 銀半製品 10 16 △37.5 △20.8 △16.7
    8 Nickel Cathode 10 12 △16.7 5.2 △23.2
    9 Refined Copper 4 4 0.0 27.7 △21.0
    10 亜鉛 4 2 100.0 103.4 △10.2
    その他の工業半製品 138 172 △19.8 - -
    合計 2 500 630 △20.6 △15.8

    -

    表6-2

    工業製品

    輸入額(百万ドル) 数量(t)
    増減(%)
    平均価格
    ドル/t
    増減(%)
    1999年 1998年 増減(%)
    1 送受信機 731 827 △11.6 △31.5 29.0
    2 乗用車 579 1,032 △43.9 △43.4 △0.8
    3 医薬品 519 388 33.8 △24.1 76.2
    4 自動車部品 506 639 △20.8 △19.6 △1.3
    5 発電・変電機 401 286 40.2 27.0 10.2
    6 機械類 373 514 △27.4 △31.8 6.5
    7 精密化学品 353 458 △22.9 △30.4 11.7
    8 ナフサ 345 465 △25.8 △3.4 △23.0
    9 コンピューター部品 336 345 △2.6 △8.7 6.5
    10 コンピューター 298 353 △15.6 △28.7 17.7
    その他の工業製品 11,398 13,936 △18.2 - -
    合計 3 15,839 19,243 △17.7 △1.4

    -

    総合計 18,605 23,107 △19.5 △8.6  

     

    《輸入相手国・地域》

    ブラジルの輸入相手国(1~5月)

    表6-3

    輸入額(百万ドル) 増減(%)
    1999年 1998年
    米国 4,624 5,478 △15.6
    アルゼンチン 2,282 3,245 △29.7
    ドイツ 1,816 1,889 △3.9
    イタリア 1,071 1,320 △18.9
    日本 1,024 1,340 △23.6
    フランス 672 655 2.6
    英国 486 614 △20.8
    スペイン 458 423 8.3
    韓国 368 393 △6.4
    スウェーデン 346 408 △15.2
    スイス 321 331 △3.0
    中国 319 381 △16.3
    ベネズエラ 309 397 △22.2
    カナダ 297 554 △46.4
    ウルグアイ 267 422 △36.7
    アルジェリア 266 302 △11.9
    ナイジェリア 265 312 △15.1
    チリ 242 349 △30.7
    メキシコ 224 426 △47.4
    オランダ 219 286 △23.4
    その他 2,729 3,582 △23.8
    合計 18,605 23,107 △19.5


    ブラジルの輸入相手地域(1~5月)

    表6-4

    地域 輸入額(百万ドル)/(構成比) 増減(%)
    1999年 1998年
    EU 5,796 (31.2%) 6,376 (27.6%) △9.1
    メルコスール 2,647 (14.2%) 3,803 (16.5%) △30.4
    北米+プエルトリコ 4,686 (25.2%) 5,562 (24.1%) △15.7
    アジア 2,424 (13.0%) 3,176 (13.7%) △23.5
    {内、日本} [1,024 (5.5%)] [1,340 (5.8%)] [△23.6]
    東ヨーロッパ 224 (1.2%) 265 (1.1%) △15.5
    アフリカ 710 (3.8%) 846 (3.7%) △16.1
    その他 2,118 (11.4%) 3,088 (13.3%) △31.4
    合計 18,605 (100%) 23,107 (100%) △19.5

     

    《対日本輸出入実績》

    日本向け輸出品(1~5月)

    表7

    品目 輸出額(百万ドル) 平均価格
    ドル/t
    増減(%)
    1999年 1998年 増減(%)
    鉄鉱石 161 212 △24.1 △5.7
    アルミニウム 93 131 △29.0 △8.8
    コーヒー豆 80 93 △14.0 △43.4
    パルプ 60 61 △1.6 △9.3
    ブロイラー 54 42 28.6 2.3
    合金鉄 47 44 6.8 5.0
    オレンジジュース 27 33 △18.2 21.1
    大豆ミール 17 46 △63.0 △23.6
    16 16 0.0

    -

    NickelCathode 11 3 266.7 △20.1
    その他 201 264 △23.9 -
    合計 767 945 △18.8 -


    日本からの輸入(1~5月)

    表8

    品目 輸入額(百万ドル) 平均価格
    ドル/t
    増減(%)
    1999年 1998年 増減(%)
    送受信機 85 66 28.8 91.1
    自動車部品 52 37 40.5 0.0
    コンピューター部品 51 57 △10.5 33.6
    機械部品 32 44 △27.3 1.5
    機械類 32 38 △15.8 20.8
    精密化学品 26 27 △3.7 △0.2
    建設機械 26 9 188.9 13.4
    電話・通信機器 23 34 △32.4 △10.9
    乗用車 23 87 △73.6 1.0
    精密機器 21 25 △16.0 12.4
    その他 653 916 △28.7 -
    合計 1,024 1,340 △23.6 -

     

    《対ラテンアメリカ輸出入実績》

    ブラジル対メルコスール地域貿易実績

    表9

    ブラジルからの輸出 ブラジルへの輸入
    1999年 1998年 増減(%) 1999年 1998年 増減(%)
    1月 463 615 △24.7 556 657 △15.4
    2月 474 674 △29.7 431 672 △35.9
    3月 596 797 △25.2 508 847 △40.0
    4月 487 766 △36.4 537 828 △35.1
    5月 586 797 △26.5 615 799 △23.0
    合計 2,606 3,649 △28.6 2,647 3,803 △30.4

     

    1~5月 ブラジル総輸出額 ブラジル総輸入額
    (メルコスール比率) (メルコスール比率)
    1999 18,133(14.4%) 18,605(14.2%)
    1998 21,082(17.3%) 23,107(16.5%)


    ラテンアメリカ諸国向け輸出実績(1~5月)

    表10-1

    地域/国 輸出額(百万ドル) 増減(%)
    1999年 1998年
    メルコスール 2,606 3,649 △28.6
    アルゼンチン 2,029 2,780 △27.0
    パラグアイ 314 525 △40.2
    ウルグアイ 262 343 △23.6
    ALADI
    (メルコスール加盟国を除く)
    1,254 2,025 △38.1
    ボリビア 185 304 △39.1
    チリ 291 466 △37.6
    コロンビア 137 214 △36.0
    エクアドル 31 85 △63.5
    メキシコ 318 429 △25.9
    ペルー 85 171 △50.3
    ベネズエラ 203 353 △42.5
    合計 3,860 5,674 △32.0


    ラテンアメリカ諸国よりの輸入実績(1~5月)

    表10-2

    地域/国 輸入額(百万ドル) 増減(%)
    1999年 1998年
    メルコスール 2,646 3,803 △30.4
    アルゼンチン 2,282 3,245 △29.7
    パラグアイ 96 135 △28.9
    ウルグアイ 267 422 △36.7
    ALADI
    (メルコスール加盟国を除く)
    891 1,335 △33.3
    ボリビア 2 8 △75.0
    チリ 242 348 △30.5
    コロンビア 37 44 △15.9
    エクアドル 9 11 △18.2
    メキシコ 224 426 △47.4
    ペルー 66 98 △32.7
    ベネズエラ 309 397 △22.2
    合計 3,537 5,138 △31.2

     

    《対アルゼンチン輸出入実績》

    アルゼンチン向け主要輸出品目(1~5月)

    表11-1

    品目 輸出額(百万ドル) 増減(%)
    1999年 1998年
    1 トラック 157 249 △36.9
    2 乗用車 116 243 △52.3
    3 自動車部品 112 216 △48.1
    4 自動車用エンジン 57 109 △47.7
    5 紙 48 54 △11.1
    6 Polymer 46 57 △19.3
    7 コンピューター 44 32 37.5
    8 医薬品 41 28 46.4
    9 履物 41 23 78.3
    10 送受信機 37 61 △39.3
    その他 1,330 1,708 △22.1
    アルゼンチンへの総輸出額 2,029 2,780 △27.0


    アルゼンチンよりの主要輸入品目(1~5月)

    表11-2

    品目 輸入額(百万ドル) 増減(%)
    1999年 1998年
    1 小麦 306 288 6.3
    2 乗用車 303 647 △53.2
    3 原油 130 201 △35.3
    4 トラック 96 306 △68.6
    5 乳製品 90 77 16.9
    6 自動車部品 81 103 △21.4
    7 機械類 71 69 2.9
    8 米 55 63 △12.7
    9 綿 51 53 △3.8
    10 ナフサ 37 42 △11.9
    その他 1,062 1,396 △23.9
    アルゼンチンよりの総輸入額 2,282 3,245 △29.7

    《対アジア輸出入実績》

    アジア諸国向け輸入実績(1~5月)

    表12-1

    地域/国 輸出額(百万ドル) 増減(%)
    1999年 1998年
    韓国 249 206 20.9
    台湾 141 221 △36.2
    中国 香港 167 174 △4.0
    シンガポール 79 60 31.7
    NIES合計(1) 636 661 △3.8
           
    マレーシア 55 83 △33.7
    タイ 61 61 0.0
    インドネシア 71 46 54.3
    フィリピン 29 46 △37.0
    ベトナム 4 3 33.3
    ASEAN5カ国合計(2) 220 239 △7.9
           
    中国(3) 240 409 △41.3
           
    東アジア(1)+(2)+(3) 1,096 1,309 △16.3


    アジア諸国よりの輸入実績(1~5月)

    表12-2

    地域/国 輸入額(百万ドル) 増減(%)
    1999年 1998年
    韓国 368 393 △6.4
    台湾 189 268 △29.5
    中国 香港 106 137 △22.6
    シンガポール 70 117 △40.2
    NIES合計(1) 733 915 △19.9
           
    マレーシア 105 177 △40.7
    タイ 52 76 △31.6
    インドネシア 61 109 △44.0
    フィリピン 19 22 △13.6
    ベトナム 8 7 14.3
    ASEAN5カ国合計(2) 245 391 △37.3
           
    中国(3) 319 381 △16.3
           
    東アジア(1)+(2)+(3) 1,297 1,687 △23.1

     

    《ブラジル地方別輸出入実績》

    表13

      ブラジル地方別輸出実績(1~5月) ブラジル地方別輸入実績(1~5月)
    地方(州) 輸出額(百万ドル) 輸入額(百万ドル)
    1999年 構成比(%) 1998 年 構成比(%) 増減(%) 1999年 構成比(%) 1998年 構成比(%) 増減(%)
    サンパウロ 6,374 35.1 7,133 33.8 △10.6 8,794 47.2 11,190 48.4 △21.4
    ミナス・ジェライス 2,522 13.9 3,329 15.7 △24.2 1,557 8.3 1,859 8.0 △16.2
    エスピリト・サント 1,004 5.5 1,058 5.0 △5.1 1,146 6.1 1,493 6.4 △23.2
    リオ・デ・ジャネイロ 619 3.4 722 3.4 △14.3 928 4.9 1,482 6.4 △37.4
    南東部 10,519 58.0 12,242 58.0 △14.1 12,425 66.7 16,024 69.3 △22.5
    南リオグランデ 1,787 9.8 2,267 10.7 △21.2 1,471 7.9 1,545 6.6 △4.8
    パラナ 1,544 8.5 1,720 8.1 △10.2 1,299 6.9 1,521 6.5 △14.6
    サンタ・カタリーナ 960 5.3 1,086 5.1 △11.6 348 1.8 544 2.3 △36.0
    南部 4,291 23.6 5,073 24.0 △15.4 3,118 16.7 3,610 15.6 △13.6
    バイア 588 3.2 747 3.5 △21.3 546 2.9 658 2.8 △17.0
    マラニヨン 240 1.3 251 1.1 △4.4 288 1.5 406 1.7 △29.1
    アラゴアス 145 0.7 191 0.9 △24.1 269 1.4 241 1.0 11.6
    セアラー 136 0.7 155 0.7 △12.3 130 0.7 138 0.6 △5.8
    ペルナンブコ 119 0.6 240 1.1 △50.4 51 0.2 57 0.2 △10.5
    北リオグランデ 41 0.2 46 0.2 △10.9 31 0.2 35 0.1 △11.4
    パライーバ 31 0.1 21 0.1 47.6 27 0.1 42 0.1 △35.7
    ピアウイ 16 0.09 24 0.10 △33.3 26 0.10 35 0.10 △25.7
    セルジッペ 6 0.04 12 0.06 △50.0 4 0.02 14 0.06 △71.4
    東北部 1,322 7.2 1,687 8.0 △21.6 1,372 7.3 1,626 7.0 △15.6
    パラー 845 4.6 937 4.4 △9.8 988 5.3 1,199 5.1 △17.6
    アマゾナス 128 0.7 106 0.5 20.8 69 0.3 101 0.4 △31.7
    ロンドニア 18 0.1 12 0.1 50.0 19 0.1 2 0.0 850.0
    アマパー 17 0.1 30 0.1 △43.3 4 5.0 6 0.0 △33.3
    トカンチンス 2.6 0.01 2.0 0.01 30.0 2.2 0.01 6 0.30 △62.1
    ロライマ 0.9 0.01 1.5 0.01 △40.0 0.7 0.00 2 0.01 △65.0
    アクレ 0.5 0.00 0.5 0.00 0.0 0.1 0.00 0.2   △34.5
    北部 1,012 5.5 1,089 5.1 △7.1 1,083 5.8 1,316 5.7 △17.7
    マット・グロッソ 305 1.1 232 1.1 31.5 263 1.42 130 0.57 102.3
    ゴヤス 125 0.7 157 0.7 △17.8 114 0.61 131 0.57 △13.0
    南マット・グロッソ 79.2 0.3 66 0.3 20.0 53 0.28 43 0.19 23.3
    連邦府 0.8 0.01 2 0.01 △60.0 14 0.08 113 0.48 △87.6
    中東部 514 2.1 457 2.1 12.5 444 2.30 417 1.81 6.5
    地域不明 475 2.50 534 2.50 △11.0 163 0.86 114 0.49 43.0
    ブラジル 18,133 100.0 21,082 100.0 △14.0 18,605 100.0 23,107 100.0 △19.5
  • 化学部会

    • 上流部門好調、下流一部で苦戦
    • コペスール伯2番目のエチレン生産
    • 合成樹脂の着色業界は好調
    • 農薬は与信不安、不良売掛け増
    • 世界レベルM&A進行の水処理剤業界
    • 為替切り下げで輸出増のロジン
    • 自動車向け素材提供分野が低調

     

    矢島:部会会員企業の業種が多種多様で、それだけ市場も広範囲にわたる化学部会です。で、そんな広い業界の半年間の動きを一口で語るのはやや難しい部分もあります。しかしながら、共通していえるのは、やはり今年1月の為替切り下げが与えた影響が無視できない大きさであった、と云うことだろうと思います。

     

    ポリエチレン需要旺盛

    総じて申しますと「上流部門で好調、下流一部苦戦」といった状況が指摘できます。以下、上流分野から順に見て行きますと、石油化学、合成樹脂部門ですが、カマサリのエチレンセンターのコペーネで1月から3月にかけて運転トラブルが発生、3月には25日間、運転が停止いたしました。

    このためエチレン供給がストップ。これを受けてポリエチレン、ポリプロピレンなどの誘導品メーカーは能力以下の稼働運転で乗り切りましたけれど、上期トータルではフル操業ベースに戻しています。

    南のコペスールでも一時運転トラブルが見られたが、誘導品メーカーは、たまたま定期修理時期だったこともあり、修理期間を延ばすなどして対応出来た模様です。

    ついでに触れておきますと、コペスールでは新設のエチレンプラント45万トンが6月から試運転を開始、コペーネに次いでブラジルで2番目に大きい能力をもつことになりました。

    次に合成樹脂を見ますと、1月の為替切り下げで一時的に荷動きストップの局面もありましたが、需要先との価格調整、例えばポリエチレンでは25%引き上げに成功、2月以降、出荷は順調に回復しました。

    ポリエチレンの国内需要は相変わらず旺盛で、手取りの悪い輸出に回る余裕はないとの報告を受けております。

    家電分野も昨年同期に比べ改善して、ここのウエートが大きいポリスチレンなどはよく売れたと報告されています。

    次に合成樹脂の着色業界では顔料、添加剤など輸入原料が大幅コストアップ、一時的に商談ストップもあったが、為替も徐々に落ち着き、金利の低下も手伝って予想以上の業況回復でした。

    しかしながら、コスト上昇分をすべて売り値に転嫁することが出来ず、利益率の低下は避けられませんでした。業種別には食品関係、通信ケーブル、化粧品を中心とした包装材料用の着色が好調に推移、家電向けも上向き始めており全体の流れとしては悪くないと、こういった報告でございました。

     

    為替切り下げ
    ショックたたる農薬

    次に農薬業界。この数年、レアルプランにより安定成長を示して来ましたけれども、1月の為替切り下げの影響が大きく、5月までの全体売り上げが25%前後ダウンしております。

    農薬業界は基本的にドルベースで販売する一方、回収期間が180日以上と非常に長く、現在は昨年の販売分を回収中です。

    ところが、業界の40~50%ほどが依存している大豆が国際相場の20年ぶりの安値で売掛回収不安が出て来たとされています。

    大豆農家は買った肥料代を現行レートで返済するわけですから、今回の為替切り下げ分だけ高く支払う。一方、この分を作物価格に転嫁できないので非常に辛い局面を強いられているということです。そのため、肥料業界は与信不安、不良売掛もジワジワ増えており、業界は危機感を持って見ている、という事です。

     

    原材料輸入の金属工作油も

    次は金属工作油業界ですが、原材料の4分の1が輸入品で、為替切り下げがコスト上昇にモロに効いたとされています。大体上げ幅が30%ぐらいだったのですが、潤滑油のベースオイルだけは原油高を理由に100%近い値上げを強いられたと。これの客先への転嫁は困難、もしくは不可能に近く、まあ対象の50%行けばいいと、やや悲観的です。為替切り下げで3月までは出荷ダウン。5月になりようやく回復したものの、上期トータルで見ると、金額ベースでようやく昨年並みでしたが、数量では前年同期の9割強で利益を出すまでには至っていません。

    この分野では、欧州メーカーが強力に市場参入して来ておりまして、今後打つ手としては製品ごとに配合をチェックし、コストダウンにつなぐ等の合理化を強力に進めて行くとしています。

    次は水処理剤業界ですが、石油化学メーカーが代表的な需要家ですけれども、これよりも繊維、食品、紙パといった中小口ユーザーの需要が伸びており、水処理剤に合わせて水処理機械、設備のセット販売が基調となっております。

    世界レベルでM&Aがひんぱんに進行中で、水処理剤の業界地図が変化してきており、今後フランス勢が世界市場を制覇して行くのでは、と見られております。

    次に文具業界ですが、ボールペン、サインペンなどの低額単価製品の量販展開。原材料はプラスチック、染料、インク等、これらの20%が日本からのドル建て輸入です。さきの為替切り下げで当然ながら大幅のコストアップで、3月1日から10%の値上げをしたそうです。しかし、コスト上昇分をカバー仕切れておらず、「あと5%ほど上乗せしておけばよかった」と慨嘆しております。

    次に写真、フィルム業界。為替切り下げで、まず数量面で影響が出たとされます。即ち1、2月で50%の販売ダウン。3月で少々回復したものの、上期トータルで前年比15%ダウンでした。

    製品価格は切り下げ分だけ修正したものの、競合のアメリカ大手が15%の値下げ戦術に出たため、対抗上これに追随せざるを得なかったという事です。

     

    値上げに苦労
    接着剤及びシール剤

    次に接着剤、シール剤業界。やはり為替切り下げにより、輸入原料だけではなく、国内産の原材料も値上げになり、利益が圧迫されております。

    製品価格転嫁を試みておりますが、大手自動車メーカーから、未だに承認なし。他方、一般消費者向け製品は伸びて、業界全体では前年対比30%伸長でした。この分野でも輸入業界が安値販売、値くずれが今後の懸念材料だと報告しています。

    最後にロジン。生の松脂ですが、原料ロジンはドルベース価格のため、1月の為替切り下げにより2~5月輸出が増大、輸出割合も前年比で増大。主たる用途は製紙、薬品、接着剤、ペイント等ですが国内販売がきびしい状況下にあります。

    採算向上はあったが、レアル切り下げ分だけの生産コストの切り下げ圧力がありました。

    下期は世界最大生産国の中国が生産出荷の最盛期になるため、ブラジルからの輸出の大幅減が見込まれています。

    業界に3つの共通点

    以上が各業界の個別事項でございますけれども、全体をまとめて見ますと、共通して云える事が3つあるかと思います。

    1-為替切り下げの影響の大きさ。即ち輸入原材料値上がりがコスト上昇要因となった。この部分を製品価格、末端価格に転嫁出来ている業界と出来ていない業界とで明暗が分かれている。

    2-大手需要業界、とくに自動車業界に昨年以降継続した力強さがなかった。この分野に素材提供している化学業界としては、この部分がいまひとつ明るくない。

    3-最後、3番目は市場において国際化が一段と進行している、です。

    以上が上期の動向ですが、下期展望に簡単に触れますと、1月の為替切り下げは石化の基礎製品を見る限り、一時的なタービュランスですみました。ただし、下流部門では価格転嫁が下期までズレ込んだ業界が見受けられます。

    これが早期回復出来るか、浸透するかがポイントです。

    全体ではレアル貨も安定域で推移しており、低下を続ける金利はすでに20%以下です。インフレも業界の見通しとしては8%程度で収束するであろう、との予測です。種々問題を残しながらも経済好転、景気の回復が期待されます。

    ただし、今後、原油価格とナフサ価格の上昇、各種公共料金の値上げがコスト上昇要因となる恐れがあり、上期にもまして、これらへの対策がのぞまれます。以上です。

    司会:非常に模範的なプレゼンテーションで、さきほど今宮部会長から出された資料を見ますと、今回の切り下げで一番被害があるのはこの化学品業界だろうと。6ページのブラジル輸入品のリストを見ても石油、医薬品、精密化学品、ナフサ、燃料、肥料、とまんべんなく上位に顔を出しているわけですけれども、今宮さんはたぶん貿易収支が赤字になるのではないかと予測をされています。無理矢理黒字にするために輸入規制などの動きは化学品業界のほうでは何かありますか?今まで、去年に比べて非常に輸入がしづらくなったとか。

    矢島:私どもの目の前を流れている製品に関する限り特に見られませんね。

    司会:そうすると貿易収支を無理矢理操作するための80年代に起こったような輸入規制は化学品の分野ではないのですか。後藤副委員長はどのようにお考えですか?。

    後藤:おっしゃったように、やはり原料ないし輸出のために必要な商品であるという性格が強いですから、まあ起こらない事を期待します。

    司会:ありがとうございました。それでは、今度は機械金属部会の宇治部会長お願いします。

  • 化学部会(回顧と展望)

    部会長 矢島 章

    〔1999年上期の回顧〕

    (1)石油化学・合成樹脂

    カマサリのエチレンセンターCOPENEでは1~3月に運転トラブルが発生、3月にはついに25日間運転が停止し、エチレン供給がストップした。このため PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)等の誘導品メーカーは能力以下に稼働を落として(7%ダウン)の運転で乗り切ったが、上期トータルではフルキャパベースに復した。

    南のCOPESULでも一時運転トラブルが見られたが、誘導品メーカーは定期修理の時期であったこともあり、修理期間を延ばすなどして対応出来た。COPESULでは新設エチレンプラント450千/年が6月から試運転を開始、これでCOPENEについで2番目に大きい年産1,135千 能力となった。

    国際的原油価格の上昇とこれを受けたナフサの値上げがエチレン価格を引き上げたものの、総じて上期は上流で好調、下流の一部で苦戦といった状況。

    合成樹脂業界を見ると、1月の為替切下げでは、一時的に荷動きが停止する事態もあったが、需要先との価格調整(PEで25%引き上げ)もスムーズに進み、2月以降出荷は順調に回復した。PEの国内需要は相変わらず旺盛で、手取りの悪い輸出に回る余裕がない。

    家電分野も前年同期に比し改善してきており、ここを主たる需要分野とするPS(ポリスチレン)が「よく売れた」。海外のPSメーカーも輸入で拡販、国際競争を増している。

    住宅向け(パイプ・サイディング)のPVCも堅調の一方、自動車生産に力強さが見えず、タイヤ向けのSBR(スチレン・ブタジェン・ラバー)は量的不振に加え、デバリにより収益性が落ち、苦戦中。

    着色業界では、輸入原料が大幅にコストアップし、一時的に商談ストップの場面もあったが、為替も徐々に落ちつき、金利の低下も手伝って予想以上に業況が回復。但し、コスト上昇分すべてを売値に転嫁出来ず、利益率の低下は避けられなかった。業種別には食品関係(大豆油用PETボトル)、通信ケーブル、化粧品を中心とした包装材料等が好調に推移、家電向けも上向き始めており、全体の流れとしては悪くない。

    (2)農薬

    この数年レアルプランにより安定伸長を示して来た農薬業界だが、1月の為替切り下げで5月までの全体売上が25~26%ダウン、特に切下げで輸出ドライブが掛かると目されていたミカン、大豆類が伸びず苦戦。特に、業界の40~50%が依存している大豆は20年振りの安値で、国際相場が下がり、売掛回収(下記)に不安が出て来た。

    農薬業界は基本的にドルベース販売の一方、回収期間が180日以上と長く、昨年の販売分を現在回収中。これには需要家は現行レートで返済するから為替切り下げ分だけ高く支払うものの、作物価格に転嫁出来ず、辛い局面を強いられている。ために与信不安、不良売掛もじわじわ増えており、業界の見通しは暗い。

    (3)金属工作油

    ブラジルの市場規模は約1億ドルで、日本の1/5ほどの大きさ。ここでメーカー計40~50社がしのぎを削る。現用原材料の1/4が輸入品であり、為替切下げはコスト上昇にモロに効いた。大体が上げ幅30%位だが、ベースオイルだけは原油高を理由に100%近い値上げを強いられた。これの客先への転嫁は困難もしくは不可能に近く、対象の50%行けばいいと見ている。

    為替切下げで3月位まで出荷ダウン、5月になりようやく回復したものの、上期トータルで見ると金額ベースではようやく昨年並みだが、数量では前年同期の90%強といったところ、利益を出すまでには至っていない。欧州メーカーが強力に市場参入してきており、今後の打つ手は製品毎に配合をチェックしてコストダウンにつなげる等の合理化を強力に進めていく。

    (4)水処理剤

    製品毎の市場単位が小さい割りに安定需要があり、景気要因に大きく左右されない業界だが、現在世界レベルでM&Aが頻繁に進行中で、水処理剤の業界地図が変化してきている。今後フランス勢が世界市場制覇の勢いにある。

    石油化学メーカーは代表的需要家だが、これよりも繊維、食品、紙パといった中・小口ユーザーの需要が伸びており、水処理剤+機械のセット販売が基調となっている。

    1月の為替切下げでは20~25%ほど売価を調整して、現在に至っている。

    (5)文具

    ボールペン、サインペン等低額単価製品の量販展開だが、原材料のプラスチック、染料、インキ等の20%が日本からのドル建て輸入で、先の為替切下げで大幅コストアップとなった。3月1日から製品価格を10%上げたが、コスト上昇分をカバーしきれていない。あと5%は欲しかった。

    上期業績は、金額ベースで13%伸長(但し、値上げ分コミ)なるも、数量ベースでは昨年並み。採算的には昨年より若干下回る。下期の10月以降2月までの需要期にリカバリーを図りたい。

    (6)写真フィルム

    為替切下げでは、先ず数量面で影響が出た。即ち、1~2月で50%ダウン、3月で少々回復したものの、上期トータルでは前年比15%ダウンとなった。製品価格は切下げ分だけ修正したものの、競合米大手が15%値下げ戦術に出たので、対抗上これに追随した。

    市場での新しい動きとして、販売店の適性販売を図るコンサルティング・セールスがにわかに浮上してきている。

    (7)接着剤・シール剤

    為替切下げにより輸入原料だけでなく、国内産原材料も値上げとなり、利益を圧迫させられている。このため製品価格への転嫁を推進中だが、大手自動車メーカーからはいまだに承認を得られていない。

    他方、一般消費者向けの製品が伸びており、業界全体では昨年比30%の伸長を示した。

    輸入業者が安値販売に出てきており、今後の値崩れ発生が懸念材料。

    (8)ロジン(生松脂)

    主たる用途は製紙用薬品、接着剤、ペイント等だが、国内での拡販が厳しい状況にある。

    原料ロジンは天然品だが、価格がドルベースのため、1月の為替切下げにより2月~5月までの輸出が増大、輸出割合も前年比で増えた。

    採算は向上したが、レアル切下げ分だけ生産コストが下がった筈と客先からドルベースでの値下げ圧力があった。下期は世界の最大生産国である中国が生産/出荷の最盛期になるため、ブラジルからの輸出は減る見込み。

     

    〔1999年下期の展望〕

    1月の為替切下げは石化製品に見る限り「一時的タービュランス」ですんだ。

    ただし、下流部門では価格転嫁が下期までズレ込んでいる業界が見受けられる。

    全体ではレアル貨も安定域で推移、低下を続ける金利は年末時点で20%以下、インフレ率も年率8%程度で収束しようとの予測で、種々の問題を残しながらも経済好転/景気回復が期待される。

    先の為替切下げにより、従来の輸入品を国内産に切り替える動きと競争に勝ち抜くため新製品開発の検討が各所で盛んに進んでおり、更に品質重視を視野に入れて、新たに生産設備の増強を図るなど、全体にこの流れに乗った商売の拡大が期待される。

    但し、原油価格とナフサ価格の上昇、各種公共料金の値上げがコスト上昇要因となる恐れがあり、上期にも増してこれらへの対策が望まれる。

    需要業界では自動車と家電の動きがキー。家電業界は弱者淘汰の時代となっている。 以上

     

    1999.08.03 記

    〈経済回復に伴う各産業の伸長を阻害するもの〉

    ● 各種公共料金の値上げ

    ● 原材料、特に石化製品の値上げ

    ● 為替不安定およびドル化による弊害

    ● 税金の負担増(写真フィルム1本当たり半分が税金;関税、州税)

    ● 割高な港湾料金ほかの「ブラジルコスト」

    ● 財政調整計画の遅れ(税制改革、年金制度改革)

    ● CPMFの引き上げ→コストアップ要因

    ● 連邦/州による税制恩典(減免税)の廃止 等

  • 機械金属部会

    • 大型投資競争つづく自動車業界
    • GM90、トヨタ80%― 国産化率目標
    • うまく行かないアルゼンチンとの関係

     

    宇治:機械金属部会は9業種からなっているんですけども、一番需要の大きい自動車を中心に話しをしたいと思います。

    全般的には業界全体が、国産化率の高いものが堅調でなんとか持ちこたえている。

    一方、輸入に頼っているものは全て低調。自動車なんですけれども、不調であるにも拘らず、投資競争がまだ続いている、ということが挙げられます。GM、フォルクスワーゲン、ベンツ等、大変な投資をして、弱小メーカーをつぶしにかかる、といった戦略のようです。

    それからとくに最近では大衆車よりも少し儲かるカローラ、シビック・クラスにGMとかフォルクスワーゲンがモデル投入して来ており、しかも高い国産化率で攻勢をかけてきている。

    GMの社長も国産化率を90%にしたい、と明言していますから、我々としても、次のモデルからは80%くらいを狙わないともうここに残っておれないという感じで、なかなか厳しい状況です。

     

    自動車
    国内販売は今年123万台か

    自動車市場は今年初めのデバリーの影響で低迷しましたけれど、IPI(工業製品税)の減税措置があり、8月までは何とか売れるということで、去年は国内市場が153万台、一昨年は194万台、今年はまあ我々は123万台くらいかな、というところで読んでおります。

    まあ、年始めは昨年の半分くらいかな、と予想しましたが、雇用に対する影響が大きい自動車には政府の助成策が出ている、という感じです。

    上半期をみると、国内市場では62万5千台で、国産車が19%落ちの52万3千台、輸入車が41%落ちの10万2千台、というレベルです。ですから生産では昨年の28%減ですけれども、マーケット自身は24%減となりました。それから輸入車については、各社1ドル=1.2とか1.3レアルで価格を極力抑えて売っていましたが、この在庫がホボ切れて、新しい為替で9月以降勝負ということになるかと思います。

    下期については、9月以降のIPI増が予定通り実施されるか否かにかかっています。

    もしIPI増税となり、市場がさらに冷え込むと解雇を凍結されている労働力が一気に吐き出され、政府にとっては失業問題に火をつけることになりかねない。

    それでアルゼンチンでやっているような、中古車下取りインセンティブが出るとかいう動きはあるんです。雇用を保つために政府がどうやって来るか、というところは、我々もかたずを飲んで見守っています。

    それから輸出についてはアルゼンチンとの関係が心配です。具体的にはダンピング問題がそのひとつ。当社のアルゼンチン製トラックも、価格問題で、ついこの間までブラジル当局に通関を拒否されていました。

    アルゼンチンへの輸出についても輸出がなければ輸入も半減という状況で、まあ、アルゼンチンとの関係はクオーターでしばられており、来年以降もフリー貿易は期待できません。

    司会:この下期の見通しをまとめますと、要するに国産比率の高いところは数量確保でさほど影響なしと。国産化比率が低いところは、前年同様ですね、非常に苦しいと、という見通しですね。ありがとうございました。今度は繊維部会の木嶋部会長お願いします。

  • 機械金属部会(回顧と展望)

    部会長 宇治 嘉造

    99年上半期の回顧と下半期の展望

    為替大幅切下げに始まった、99年上半期は、国内不景気のなか概ね業界全体として低調であったが、予想以上にインフレ、金利が上昇せず、景気回復の兆しも最近になって現れ始め(5月以降鉱工業生産は上昇に転じている)後半にむけてやや明かるさが見え始めている。また、為替安を利用して輸出を模索する企業が現れはじめ、特に技術的に競争力のある商品あるいは付加価値の低い価格勝負の製品(繊維、靴のような軽工業)の輸出が増えている。下半期の展望としては、まず国内市場は金利の低下、インフレの安定を受け、今より良くなるという見方が一般的だが、不安定要素は依然多くあまり楽観視はできない。

    特に、カルドーゾ政権の支持率低下と年末のアルゼンチン大統領選の両国政治がらみの動きが気になる。

    ブラジルは依然外資に頼るところが大きいため、政治不安定要因が経済に与える影響力が極めて大きく、つい最近のデバリ傾向もアルゼンチンの大統領候補の一言で起きたものである。

    このため、今後ブラジル経済の動きはカルドーゾ大統領の政治経済運営とアルゼンチンの政治経済動向によって大きく揺れるものと考えられる。

    つまり、後半期は今後のメルコスール経済を占うターニングポイントでもあり、ここでうまく乗り切れば、国際信用力を回復し一気に金利低下となり、国内経済は回復基調へと進むだろう。

    一方、輸出については為替切下げにもかかわらず、上半期は今一つ伸びなかったが、これはまさに輸出は価格だけではないことを実証したものだろう。

    当然ながら、周辺諸国の景気、貿易摩擦等外的要因で輸出量は決まるのだが、それだけではなくブラジル製品の技術力不足、インフラ不十分(輸出事務の煩雑、コスト高)等も原因として指摘されている。

    また、政府によるバックアップ、例えば輸出ファイナンス付与等の充実も課題となっている(例えば航空機製造のEnbraerの急伸もBNDSの輸出ファイナンスにあると言われている)。

    いずれにせよ、今後ブラジルが進む道は貿易、特に輸出振興であり、今年は各社とも輸出指向を開始しているが、ポイントは買ってもらうのを待つのではなく、制度の遅れはあるものの、いかに自助努力により積極的に売りに出るかというところにありそうだ。

    特にアルゼンチン等周辺国とは常に貿易摩擦問題を起こすため、それ以外の先進国の得意先を見つけることがポイントとなるだろう。

    〈自動車〉

    経済全体に大きく影響をおよぼす自動車業界は今年の前半も政治政策とからんで、話題には事欠かなかった。

    特に政府の最大関心事である雇用の安定という観点から、政府はIPIの特別減税を打ち出し、価格アップを最小限に抑え、工場の操業を維持するよう努めた。この結果、年初は昨年比の半分まで持ち込むのではという悲観的な見方もあるほどだったが、上半期蓋を開けてみると、国内市場では昨年比▲24%の625千台(国産▲19%の523千台、輸入車▲41%の102千台)、生産では昨年比▲28%の637千台というレベルに留まった。

    但し、輸入車は大幅デバリによる価格高騰を受け、特にドラスティックに落ち込んだ。

    一方、輸出は最大相手国であるアルゼンチンの輸入抑制により、上半期では前年比▲54%の102千台、金額でも昨年比▲42%の15.9億ドルとデバリによる価格競争力アップにもかかわらず、惨澹たる状況だった。

    下期の展望 まず金利の動きをどうみるか。上述したように伯・亜両国の政治不安もあり、中銀はあまりドラスティックな金利引下げを試みないという見方が妥当だろう。

    従って、国内市場の伸長はあまり期待できない。

    国内市場を占う上で、最も気になるのが9月以降のIPI増税の動き。もし予想通りに敢行されれば、市場は冷え込み、昨年来抱える多くの余剰労働力は一気に掃き出され、失業問題が深刻化するであろう。

    これまでの政府の方針からすると、なんらかの歯止めをかけるのではと考えられる。

    現在、話題になっているフォードのバイア州工場進出に伴うインセンティブ付与問題にしても、「雇用創出という大義名分のもとであれば政府はなんでもやる」といった姿勢の現れであり、そういうことからして、IPI増税があったとしても何らかの別のインセンティブ等により、雇用維持策をとるものと考えられる。

    そのなかで囁かれているのがスクラッププラン。つまり、超中古車保有ユーザーに対する新車購入インセンティブである。

    従って、国内市場は大きな伸びは期待できず、かといってドラスティックな落ちもないと見て今年全体で110~120万台程度と見られる。

    但し、輸入車については9月以降、これまでの関税恩典枠が消える見込みであり、下期は益々深刻な状況となろう。

    さて、輸出については最大相手国アルゼンチンとの貿易摩擦問題が当面解決の様子が見られず、むしろ益々保護主義的発想が強くなっており、自動車輸出については悲観的な見方が一般的である。

    因みに、自工会(ANFAVEA)も今年の車両輸出を当初の55億ドルから45億ドルに下方修正した。

    これは、ここ3年間で最も低い数字となる(97=47億、98=49億ドル)。

    政府は輸出振興産業として自動車を考えているが、メルコスール間協議がこれまでのように平行線を辿れば、短期的には外貨獲得産業としては期待できない。

    以上のような状況ではあるものの、新規メーカーの積極的参入と既存メーカーの新規投資は続き市場競争に拍車がかかっており、当面損益上は各社とも苦しい状況が続くであろう。

    〈重工業・プラント〉

    上期は、一般基幹産業向け大口投資案件は延期される傾向で、100万 以下の小口案件に各社群がり低価格受注競争を強いられた。97年をピークに年々受注は減退傾向。

    輸出についてもUSA向けコンバイン等の下請けがあるも競争が厳しく、一方中南米向けは資金問題でいずれも沈滞傾向。

    今後は生き残りをかけ、国内の火力発電、環境関連の新規案件に期待。

    〈自動車部品〉

    自動車メーカーの減産により、売上げは全般的に低調。部品業界全体で上半期は前年比▲18%を記録。損益面でも輸入構成品のコストアップと自動車メーカーの値下げ圧力に挟まれ、各社苦しい状況。

    但し、一部国産化率の高い部品メーカーでは、これまでの輸入部品に代り、市場競合性を取り戻し業績を伸ばした。

    一方、新車需要減少の反動でアフターマーケット需要が伸長、これにより補修部品の売上げは順調だった。輸出は為替切下げにもかかわらず依然低調。理由は中南米等周辺国の不況及び信用不安によるL/C開設困難化。ベアリング等一部国際競争力のあるメーカーは、北米向け輸出等で売上を伸ばしている。

    尚、業界の稼働率は67%で昨年の78%をさらに下回った。

    下半期は、IPIの動向により国内向け需要が左右される。

    また、引き続き国内での納入競争は厳しく、コスト削減とともに技術改善のため赤字覚悟である程度の投資をする必要がある。

    為替安をきっかけに輸出を指向する動きがあるが、こちらの方も価格面に加え技術・品質面の改善による国際競争力確保が課題となっている。

    〈自動二輪車〉

    昨年来の不景気感が続く中、各社為替切下げによる値上げを1~2回実施しており、販売の減速が顕著となっている。

    生産:236千台(前年比▲8%)、国内卸売:223千台(▲10%)

    地域別にはコンソルシオ販売の多い北部は堅調なるも、ファイナンスの多い南部、都市部は▲20%程度の落ち。

    一方、輸出は為替切下げが国際価格競争力向上となってポジチブに働き、北米等を中心に伸長(コロンビア、ベネズエラ等中南米諸国は不況下から減少)、業界全体で13.5千台(前年比48%増)を記録。

    後期は各社とも為替インパクトを吸収すべくさらなる値上げを余儀なくされるだろうが、金利が低下傾向であるため、販売は上向きに転ずると予想される(国内卸売:約430千台の予想)。但し、ハーレー、Apriliaといった新規国産メーカーが加わり、機種の多様化も進み競争は益々激化の方向。

    輸出は南米の景気後退により、現状並みの出荷水準となろうが、本年年間として全体で約30千台の輸出を見込む。

    〈農業用機械〉

    耕運機市場は衰退傾向で政府資金援助も下りず、昨年並の売上げ(前年比101.1%)。

    トラクター市場では、コーヒー・大豆等の出荷好調による農業収入の増加に支えられ、中・大型トラクタは国内市場伸長(前年比110%増)。但し、アルゼンチン向け等の輸出不振(▲24%)により全体売上げでは対前年比85.5%にまで落ち込んだ。

    50馬力以下の小型トラクタは国内向け主体のため前年比108.1%と微増。

    下期は耕運機は引き続き縮小。農業景気も農作物価格の低迷により今一つであるため、これ以上の伸びは期待できない。

    輸出については周辺国の景気回復を待つところが大きい。

    〈建設機械〉

    国内景気低迷の影響で、98年下期より国内需要は停滞気味、加えて本年上半期は公共投資の減少もあって前年比約4割減の市場となった。

    損益面でもデバリによる輸入構成品のコストアップの1/3程度しか販価反映できず全般に苦しい状況となった。

    輸出については5月あたりまではアメリカ向けを中心にまずまずだったが、その他中南米向けが落ち込み前年並みの実績と見られる。

    下半期も国内市場は緊縮財政の煽りを受け、低迷が続くと見られている。

    輸出は6月以降アメリカ向け陰りが出ており、為替安と言えども全体にダウンするものと予想される。

    〈精密機械〉

    国内不景気に加え、為替切下げによる値上げ(30~50%値上げ)により、消費者の購買意欲は減退し、業界全体売上げは前年同期比約▲25%となった。

    但し、国産カメラメーカーは逆に前年比増となったところもあった。

    下半期は年末需要期になって多少伸びる程度であまり楽観視はできない。輸出もメルコスールの不安定な経済下、伸長は期待薄。

    〈鉄鋼〉

    国内景気低迷による各種機具、自動車(含む部品)、家電向け鋼板需要が減少。

    また、ボリビア-ブラジル間ガスパイプラインの完了、その他エネルギー関連プロジェクトの減少により大径管の需要も減。

    但しメッキ鋼板については、自動車向けを中心に冷延鋼板からの切替えの動きが出ており、増加傾向となった。

    (新日鉄は自動車用を主体とした溶融亜鉛メッキ鋼板製造事業に関する合弁契約をUSIMINASと締結)

    生産実績(1.5月)は粗鋼生産で前年比▲8.1%の10.4百万トン、鋼材生産で前年比▲2.7%の6.8百万トン、内、鋼板生産は前年比▲8.9%の4.0百万トンとなった。

    鋼材の輸出(1,4月)は前年比+1.7%と若干増の3.2百万トン。

    逆に輸入は、為替切下げの影響で前年比▲28.6%と大きく落ち込み0.2百万トンとなった。下期は、低インフレ、金利低下、為替安定により、国内経済が回復すれば鋼材需要は主として自動車、自動車部品、リロール・小径管部門を中心に上半期比10%程度の増加が予想出来る。

    一方、輸出は最大仕向先の米国とダンピング問題が生じており、熱延鋼板については輸出枠の合意がとれたが、冷延鋼板は未だ訴訟中であり、デバリによる価格低下は必ずしも輸出増に結びつかない。米国向け輸出減をカバーすべく東南アジア、韓国向け輸出を指向する傾向はあるが、鋼材全体の輸出量は下期も横ばいか若干減と見られている。

    〈切削工具〉

    通貨切下げの影響で輸入工具に代わり、国産工具市場が伸長(昨年同期比5~10%増)。

    但し、日本をはじめ世界景気の停滞により輸出は足踏み状態。

    後半は、自動車部品を中心とした国産化に拍車がかかるため、国産工具市場は伸長傾向を辿ると見られる。

  • 繊維部会

    • 業界にようやく回復の兆し
    • 生産は天然減り化合繊増加
    • 1人あたり繊維消費量は8.6kg
    • 苦難時代 → 合理化進展 → 競争力強化
    • 大手マガジン・ストア破たん、今後は販売先選別が肝心

     

    一般概況

    木嶋:繊維部会は綿紡8社、毛社1社、化合繊紡1社、織布縫製1社、絹紡兼業1社、織布染色加工兼業3社の川中、川下分野の11社で構成されています。それぞれ若干の温度差があり一言で纏めるには問題がありますが、全体を総括し概況を説明します。

    上期の回顧としては、過去5年間、アンコラカンビアルと称されるレアル通貨の過大評価により、繊維産業は非常な大不況に陥っておりまして、ブラジル全体で 2500社の繊維会社が倒産し50万人が解雇、と業界の中でも最大という数字もあります。例えば、ブラジル有数の機業地であるサンパウロ州のアメリカーナ市では、800社の織布、編み業者がある中で半数の400社が操業停止を余儀なくされていました。

    レアルプラン開始後5年間の合計インフレ60%ある中で、繊維製品価格は数%値下りという結果を示しており、レアルプラン最大の目標、インフレ撲滅に関して非常に貢献した業界であったわけであります。今回のレアル通貨の大幅切り下げにより、心配していたインフレ再燃にもならず、繊維業界として今までにも再々レアル為替過大評価の是正を要請していたのが、ようやく実現され、元の状態に戻ってきたという状況です。

    97年に繊維製品輸入にチェックプライス制が導入され、輸入品にブレーキがかかっておりましたが、今回のレアルの正当評価(若干の行き過ぎもあるが)により、更に輸入が減少し国内需給が締まり、繊維業界に回復の兆しが見えて来ました。

     

    アンコラカンビアルのため
    全国で繊維2500社倒産

    例年なら、1月、2月は業界は端境期で販売不振、在庫急増となり落ち込みますが、本年は落ち込まず横這いで推移しました。即ち、輸入が減り国内需給が改善され、川下の方ではインフレ懸念の心配から売値アップが可能になり、糸、織編物、製品まで各段階で一部仮需的な一面も発生しましたが、漸く一息ついたと言う感じです。

    輸出については、レアルの大幅切り下げにより、採算は向上したものの国際マーケットは、特にアジア諸国の大不況の状況により、それ以上に冷え込んでおり、各社輸出指向したものの、実体は伸びず逆に減少しています。国内市況好転により輸出余力減少と言う面もあります。

    この辺りを数量的に補足説明しますと、レアル通貨の対ドル過大評価(30~50%)により、繊維産業の貿易収支はレアル計画以前は年間8億ドルの黒字であったのが、レアル計画開始後、逆転し▲11億ドル赤字となっています。特にレアル計画発足前後の1994年から95年を比較するとアジア諸国、特に中国を中心とした大量の安値繊維製品が爆発的に輸入され、以前13億ドルの輸入額が23億ドルに73%急増し国内繊維産業は非常な苦境に直面しました。97年に政府は遅まきながら繊維製品輸入に、チェックプライス制による輸入規制を実施し、98年には19億ドルと約▲22%減少し、繊維業界は若干の小康を得た状況になって来ました。今回の切り下げにより更に減少し、98年1~5月と99年同期を比較すると、昨年8億2400万ドルが99年5億7600万ドルと約▲30%減少しています。繊維全体の貿易収支は同期比較で昨年▲3億4800万ドルの赤字が▲1億8400万ドルの赤字と半減しています。

    輸出は先程申し上げましたが、国際マーケットが余りにも悪いという事で伸びていません。98年1~5月、4億7800万ドルが99年同期、3億9200万ドルと約▲18%減少しています。

     

    チェックプライスと為替切り下げで
    輸入急速に減り、業界息吹きかえす

    また、別の数字で1990年以後の貿易自由化の状況を説明しますと、1990年のレアル計画開始前と1997年のレアル計画最中を比較すると、この7年間で繊維産業は大きな合理化を実施しています。

    繊維の生産量

      1990年 1997年
    天然繊維 72万9千トン 34万7千トン
    化合繊 33万6千トン 38万7千トン
    合 計 106万5千トン 73万4千トン

    生産量はこの7年間で大幅に減少していますが、これは天然繊維のうち原綿生産が農業政策不在により666千トンが306千トンへ減少した事が主な理由です。工場の生産性をみるには、繊維の使用量が目安になるので下に示します。

    また、その合理化を比較するに雇用人員が参考となります。

    工場での繊維使用量

      1990年 1997年
    天然繊維 79万4千トン 83万8千トン
    化合繊 31万4千トン 50万4千トン
    合 計 110万8千トン 134万2千トン

    繊維産業

    雇用人員 227万人 149万人

    即ち、工場生産が約21%増加しているのに、雇用人員は逆に約▲34%減少しています。この間、1990年は生産が落ち込んだ年で、統計の取り方に若干問題がありますが、上記の数字を見ると、大きな合理化が行われた事が良く理解できます。この合理化は主に1990~1994年間で以後のレアル計画に入ってからは、人員解雇はありますが、生産性アップについて大きな進展は無いと見られています。

    国民生活の豊かさを表すと見られる、一人当り年間繊維消費量を見るとブラジル経済停滞期、失われた10年と言われる80年代、6.3㎏/人であったのが、レアル計画の5年間には8.6㎏/人と37%増加し、レアル計画の成果が見られ、国民生活が向上している様子がうかがえます。

    以上諸々の数字を示し、レアル計画開始前後の繊維業界の状況を説明しました。

    次いで、下期の展望としては、今回のレアル通貨の大幅下落、為替変動制への移行により、各産業明暗はあるものの、このチャンスを活用し対策し競争力強化に努力して行くでしょうし、為替も安定すると共に、インフレの再燃も大きくなく、金利も下がると予想され各業界は回復に向かうと思われます。

     

    工場の繊維消費量
    天然83.8万、化合繊31.4万トン

    繊維業界はレアル通貨の過大評価の苦難の時期が過ぎて、この間、合理化の進展もあって競争力をつけてきております。また、今年は特に、5年振りと言われる寒い冬の到来により冬物在庫も一掃され、昨年の夏物在庫も底を突いている状況から、8~9月夏物商戦を踏まえて比較的好調に推移すると思われます。しかし、大手マガジンストアが破綻を来した様な事、大幅な為替差損を被った会社も沢山あります。依然として金融情勢は逼迫している事から、売ったは良いがお金の回収が出来ないという心配から、販売先の選別から、優良顧客に集中して販売競争が激化する恐れが出てくるでしょう。

    また一方で、化合繊原料の価格はドルに連動するので、ポリエステル、レーヨン等の価格はレアル通貨下落傾向により値上げが進行していくと見られ、その分、コスト上昇分の製品への価格転嫁がスムーズに行けるか難しい場面が来るでしょう。

    全体概況としては良好ですが、不透明な難しい場面もあり油断できないというのが実感です。特に最近、アルゼンチンの繊維製品輸入規制の 問題が発生し、見通しは益々難しくなり、楽観は禁物と思われます。

    司会:ありがとうございます。前回の、去年の回顧と前半の見通しの座談会でも、一番明るい顔をされたのが、繊維業界でした。最近、各社長さんに、お目にかかると “いま、赤字を出しているような経営者は、すぐ日本に帰えるべし”と云われているのは、唯一、繊維業界位ではないでしょうか。

    あの、今宮さんのデータで見ますと、原綿が輸入リストに入っていますけれども、製品輸出のほうはないのですが、為替の切り下げ影響はないのですか?

    木嶋:あのね、私の申し上げた数字は、繊維製品の全体、トータルの数字で、今宮さんの発表された中に繊維の数字が出ていませんが、これは糸、織物、縫製品とか繊維の場合、細かく統計的に細分化されているため、各アイテム毎には1億ドルに到達していないためです。

    こう言う発想に基づくのが、今宮さんの資料と私の申し上げた資料の数字の相違と思います。

    好調の食品部会のご意見を

    司会:次に「私のところも好調だ」、と高笑いされている食品部会の上原部会長お願いします。

  • 繊維部会(回顧と展望)

    部会長 木嶋 恒孝

    全般概況

    1月中端のレアル為替の下落、変動相場制への移行により、例年1~2月は市況悪、販売不振、在庫増加になるところ、1昨年来のチェックプライス制による輸入規制に加えて、尚一層の輸入減少、国内需給の回復更にインフレ懸念から売値アップの浸透が可能になり、年初より4月頃まで、糸、織物、製品の各段階で活況を呈した。

    5月以降レアルが急速に安定するにつれ、予想されたインフレにならず、その反動もあり、経済の低迷が始まり、紡績各社の輸出指向が高まったが、それ以上の国際市場の低迷により実成約は伸びなかった。

    国際商品である原綿はレアル切り下げにより一時高騰したが、ブラジルの原綿生産高は昨年比20%の増産となり、ニューヨーク定期相場の低迷と相俟って比較的安定し推移した。

    下期はインフレ抑制、為替の安定、金利低下に伴い、ブラジル経済は予想以上に早く回復していると言われている。

    繊維業界では需給バランスの回復、5年振りと言われる寒い冬到来のため冬物在庫の一掃等により、現市況が継続され概ね良好と予想される。一部の好況部門では積極的に設備投資するところもある。しかしながら、大手マガジンストアの経営破綻に見られる様に市中の金の回転は極めて悪く、債務不履行に注意が肝要である。

    1)綿紡

    98/99 年シーズンの綿作はマットグロッソ州を除いた全域が、前年度、天候不順と病虫害発生による大幅減収により、作付け意欲減退から40%近い減反となったが、本年度は2月度に一部天候不順により被害が見られたが、全般に作柄は良く特にマットグロッソ州は40%以上の増反で、大農式機械化経営と天候に恵まれ20 万トンと倍増の生産が見込まれている。

    ブラジル全体で昨年度41.1万トンより本年度49万トンと20%の増産となる予想である。

    相場については昨年末から上級綿不足と、1月のレアル切り下げによる輸入綿高の影響により高値更新を続け、2月中旬にはポンド当たり120センターボまで上昇した。2月末より新綿が出回り始め相場は下降に入り、4月に入って90センターボ前後の水準で、6月末まで安定的に推移した。この相場はドルベースで 50セント見当と相当低い水準にあり、NY定期相場の低迷の影響も受けている。

    国際綿花市場の98/99綿花年度では、世界経済後退で稀にみる世界消費の落ち込みの年となった。米国農務省発表によれば世界消費は8470万俵(前年比 ▲380万俵減)、生産も大きく減少し8440万俵(前年比▲560万俵減)となり、予想される対消費期末在庫率は48.5%の高率(前年度43.6%)となっている。

    NY定期相場も現在ポンド当たり48~50セントに低迷している。この様な低調な世界消費に加え、米国の政府補助再開の見通し難、中国の綿花輸出等が世界の綿花相場を抑え込んだ上期であった。

    99年下期は6月よりマットグロッソ州綿が出回り、この州が下半期に20万トンの原綿を供給出来るのは、紡績にとって朗報である。また、本年は減反の割りに全般的にイールドが向上したため需給についての逼迫感は少ない。

    また、政府は生産者の要望に応じて原綿の先物買い上げ方式(オプソン方式)で12万トンを契約し、8月以降、政府が現物を買い上げて行くが放出も行う予想で、相場にはそれ程大きな影響はないと考えられる。

    国際相場については、99/2000年度の世界生産は8700万俵と本年より260万俵増加が見込まれ、世界消費は大幅に改善され8650万俵となる見通しで、アジアの経済収縮は終了し消費の拡大が期待され、綿花価格上昇の好材料となるが、依然として生産の対消費期末在庫は高水準にあり、また、合繊とくにポリエステルの世界的生産増と低価格が綿花消費を頭打ちしている。以上の事から綿花価格の低水準は本年後半も継続すると考えられる。

    綿糸市況はレアルの大幅切り下げによる原綿価格の高騰、インフレ懸念や外貨建て借入金の為替差損などの打撃により、紡績各社は2月から3月にかけて15~20%の国内綿糸値上げを実施する一方、輸出指向する等、懸命に危機からの脱出を図った。

    また、寒い冬の到来で冬物商戦が好調であった事も幸いし、世間のインフレ予測も手伝って、大多数のニッター織屋はこの値上げを受入れ仮需が発生した。

    この時点で、最終消費者の購買力不足でデフレ傾向にあった衣料品の小売価格にはそれほど転嫁されず、川中、川下業界がこの値上げのかなりの部分を吸収した。この反動から4~6月は糸値は5%下がり引続き相場は軟調である。北伯の大紡績が大量の生産をバックに安値攻勢によるシェア拡大に動いてるおり、先行き下げ基調のため糸手当てを遅らせている。

    一方、各紡績は輸出採算が向上した事から輸出指向は高まったものの、世界的不況による市況悪のため実成約は伸びなかった。

    下期の展望では前述のように、輸入減少による需給バランスの改善、輸出競争力アップ、冬物在庫一掃といった要因により比較的楽観的見方である。8~9月、来夏物の生産が本格化するにつれて、市況は回復すると思われるが、上期に先行値上げしているため再度の値上げは小幅に止まると思われる。

    輸出は前述のように国際市場の低迷により大幅に伸びるとは考えにくい。インド、パキスタンは綿産国の強みによるコスト、品質面で優位にあり、ブラジルは輸出が増えても採算面は苦しい。

    2)毛紡

    日本、中国の買い付け低調、ヨーロッパの衣料生活における羊毛離れ、アジア諸国の通貨危機後遺症により、世界の衣料ウールの半数以上を供給するオーストラリア羊毛業界は苦境にあえいでいる。豪州は国を挙げて羊毛産業の立て直しに懸命だが、需要回復の決め手はなかなか見つからない。

    ブラジルの国内ウール、ウール混については衣料用の糸需要としては、アクリル・ウール混横編みセータ用として活況を呈している。織物用の衣料用売糸マーケットは壊滅状態となっているが、オフィスの椅子張りなど大半が資材用途に伸びている。

    3)絹

    99 年上期生糸・撚糸の輸出は対前年比16%増の950トンだったが、レアル通貨切り下げにより、主要輸出先である日本より販売単価ダウンを強く要求され、折からの中国生糸値下げと相俟って販売価格は前年同期比▲20%減、輸出金額は2522万US$となり対前年比▲7%減となった。

    下期の見通しでは、養蚕農家がコーヒ、マンジョッカ等の価格高騰により、これら作物に転換した事により原料繭の生産は対前年比、▲27%減少し生繭価格は 2.0から2.65R$/kgへと33%上昇した。更に5月にパラナ州に2度の降霜があり原料繭の減少となり、原料繭の確保が問題となっている。

    生糸・撚糸価格の見通しは、日本の生糸相場が24%上昇しており、ブラジルの原料繭の減少と相俟って上昇して行くと見られるが、中国の生糸価格が一段と下げている事、更に<元>の切り下げ不安もあり、不安定な状態となろう。

    4)化合繊

    レアル為替の大幅切り下げにより、原料ポリエステル35%、レーヨン15%の値上げとなったが、この業界も輸入減少、国内需給回復により、糸売値が25%値上げとなり、物の動きも良くまずまずの業績で推移したと思われる。また、昨年末の夏物販売の復活と今年の典型的な冬の到来も追い風の一因となった。

    下期の展望としては、7月、8月にレーヨンがそれぞれ5%値上げとなり、ポリエステルも若干の値上げとなって来た。輸入は引続いて回復するとは思えないが、端境期でもあり製品価格が一部値下がり傾向にあり、原料単価アップが製品価格に転嫁出来るか難しい。

    5)織物

    綿薄地織物はレアル切り下げの際、綿糸の値上げに便乗し2~3月に合計19%の値上げを行った。市場を左右しているコテミナス社が3月まで値上げしないと発表しマーケットを揺さぶり、一部荷動きが低下したが輸入繊維製品が減少した分、国内縫製業が回復したため数量的に98年同期比で約10%の増加となった。

    輸出についてはアルゼンチン向けは採算ラインにあるが、アメリカ向けはインド、パキスタンなどと競合し採算割れである。

    シャツ地織物については、レアル為替切り下げによる原料、染料などコストアップで採算が圧迫されたが、需給タイト気味で推移し1~2月で約10%、5、6月で56%と2回に亘って値上げしコスト上昇分を吸収出来た。

    厚地織物も同様、輸入は一層困難になり、100%近い増産態勢になったと推測される。加えて近年にない寒さで動きは活発で、各段階の在庫は一掃され久しぶりに訪れた好況で、設備投資の話も聞かれる状況となっている。

    下期の展望としては、薄地織物では自動車業界の低迷長期化が懸念材料となっているが、冬物製品の売れ行き好調で夏物衣料も底をついており良好となろう。

    シャツ地も冬物が店頭で良く捌けており、夏物の立上がりも楽観的である。縫製メーカーの見通しも比較的強気で、年末商戦への原料不足が予想され生地値アップとなろう。

    厚地織物も輸入減少に助けられ活況を呈している。しかし、川下の大手マガジンショップの外貨債務の有無、その他信用調査に注意が必要。また、生産者は高級品分野で輸入品に負けない品質向上に努力する事が肝要である。

  • 食品部会

    • 国産大豆相場20年振りの最安値
    • 為替切下げ、ブロイラ輸出に有利
    • 外食産業売り上げ2、3割減
    • 即席麺は輸入原料値上がりに苦しむ
    • 調味料には明るい話題

     

    上原:それでは、食品部会から報告させていただきます。前回まで、木嶋さんと同じように明るい顔をしていたんですけれども、このところちょっと暗い顔になりつつあります。

    私どもの食品部会ですけれども、19社、メンバーがいらっしゃいますが、いつも、7社くらいのメンバーの方しか出席していただけない、少数の部会になるかと思います。常連の方が、ヤクルトさん、味の素さん、東山さん、サントリーさん、イグアス・コーヒーさん、それから、えー、三菱商事さんの食品部門、それとわたしとこの日清味の素、大体7社が常連です。PLゴルフ場では、食品関係のコンペ、「ブラ食会」というのをやっておりますけれども、これには十数社、いつも出席してくれるのですが、肝心の仕事となると、出てきて貰えないという部会でございます(笑い)。

    98 年はですね、食品業界全体に比較的順調だったという報告をさせて頂いたんですけれども、今年1月中旬の為替切り下げにより、原価率アップが全体に響いてきております。輸入品も多いんですけれども、国産品につきましても、色んな原材料を輸入に頼っているところが多いものですから、大半のメーカーが値上げを発表しました。値上げをしたけれども、消費者の購買意欲が落ち込んで物が売れない、あるいは、今スーパーマーケットの寡占化がずいぶん進んでおりますけど、大手量販が、値上げに強く抵抗した。各メーカーは、原価率アップに悩んでおりますけども、それを吸収するだけの製品値上げが出来ていないと、いうのが現況であります。

    それで、業界別の動向ですけれども、農産、畜産、それから外食産業、加工食品、このように分けております。まず、農産、畜産の穀物のうちの大豆ですけれども、シカゴの相場が20年ぶりに最安値を記録した。今期のアメリカが豊作を予想されるので、価格上げの材料がないと。ブラジルは干ばつによって、南部で二割減となったようですけれども、全体では若干の減少と。輸出は前年並となったようです。下期の見通しとしましては、国内需要が高まるであろうから、輸出までは玉が回らないない可能性も高いと、いうことでございます。

     

    ブロイラー、下期
    欧州向け好調予想

    それからブロイラーですけれども、5月までに、輸出量で2割アップと、増加を示した。為替の切り下げによりまして、輸出競争力が出来てきたということと、それから、ベルギーで起きましたダイオキシン騒ぎ、これもブラジルにとってはプラスの材料に働いたということであります。下期につきましても、欧州向けは好調が予想されますが、日本におきましては、荷余り感があるので、少し減る可能性がある。アジアの需要については、中国ものの動向が注目されるという報告でした。

    それから、次に砂糖ですけれども、5月までに前年比4割アップと、大幅増になったけれども、これはロシアが、8月から、関税を大幅アップするという事のために、輸出の前倒しがあったということのようです。通期で見ると、まあ昨年並みの輸出量ではなかろうかと、いうことです。

     

    濃縮ジュースは
    採算見合う国際価格

    それからオレンジジュース。これは濃縮ジュース、生産量120万トン、平年並みを予想しております。国際価格は、トンあたり1300ドルと、久々に採算に見合う価格で、果汁業界は潤ったとのことです。今年は低温多雨、寒くて雨が多かったということで、収穫が2,3週間遅れますが、生産量は昨年並、価格につきましては下降気味で、トンあたり1000ドルを切る価格になっています。

    続きましてコーヒーですけれども、記録的な豊作、3500万袋までいったと。為替切り下げによって競争力がついた事によりまして、輸出量は過去最高の2120万袋を達成したとのことです。下期は輸出力をちょっと失うかもしれないという報告がございました。

    2番目の外食産業ですけれども、これは一月以降ですね、景気の後退にともなって、消費者の方のレジャー控え、あるいはそういった余分なものに対する支出が減ったということで、前年比20から30%減ったとの報告を受けています。それにひきかえ、この為替切り下げによって、原価率は10%から15%アップになった。これからは、お客さんをどのようにとりこんで行くのかが各レストランの課題です。しかしいまも一部高級レストランは相変わらず不況知らずの好況であるということです。

     

    乳酸菌飲料はライバル
    の安値攻勢に直面

    次に加工食品に移りますが、ここにはヤクルトさんの乳酸菌飲料、それから東山さんのアルコール飲料、私どもの即席麺、それから味の素さんの調味料と、この4社が入ります。まず、乳酸菌飲料ですけれども、私どもの業界の最大の大手企業、ヤクルトさんですけれども、主力品が、競合品の安値攻勢にあって12%ダウンした。その他の商品は、前年実績を確保している。下半期におきましては、7月末からは、大々的なテレビコマーシャルを全国展開予定。また、社内におきましては、人材教育に力を入れていく、ということで、昨年実績を目指すけれども、着地は前年比で95%くらいかなということでございます。

    次に、アルコール飲料ですけれども、輸入物につきましてはもろに原価が上がってしまった。ただ、値上げをしようとしても、小売側の強い抵抗にあって、なかなか値上げが出来なかったという状況のようです。先月発表がありましたけれども、ブラーマとアンタルチカの、こういった大型合併がありますので、今後、この業界の再編成はますます加速化するようです。

    三番目の即席麺ですけれども、小麦粉がほとんど輸入に頼っています。それから、包装資材も東南アジアのほうから持って来ておりますので、各メーカーは、2月から私どもは3月から値上げしました。これで、上半期の着地は業界全体で103%の伸びということになりまして、私どもの企業は105%ですけれども、事業計画からは大きく乖離しています。それから、調味料業界、味の素さんですけれども、ここは明るい話題で、前年比109%達成したとの報告を受けています。ただ低価格商品が伸びた。下半期は、まだ拡大が予想されるということでございます。

    下期の展望ですが、政府あるいは有識者が見込んでいましたカンビオ(為替)は、意外に早く戻りそうだと思ったんですが、これがなかなか戻らない、ここに来て戻らない。1.80くらいだと、食品業界全般では非常に厳しい年となります。1.60くらいになって落ち着いて欲しいという願望を持っています。食品業界全般に、今年の下期も少し、アゲインストの風が吹くことが予想されます。以上で食品部会報告を終わらせて頂きます。

    司会:どうもありがとうございました。それでは次、電気電子部会の江口部会長お願いします。

  • 食品部会(回顧と展望)

    部会長 上原 清助

    ①1999年上期の回顧

    99年上半期は、1月半ばの通貨下落に端を発した変動相場制への移行に伴う経済混乱、市場低迷により厳しいスタートとなった。

    輸入品はもちろんのこと、国産品についても各種輸入原材料のコスト上昇により大半のメーカーは値上げを発表。しかし、不況感から消費者の購買意欲が落込むとともに、寡占化の進む大手量販店は値上げに対して強く抵抗、結果として多くのメーカーは原価率UPを吸収するだけの製品値上げが出来ていない状況である。


    ②1999年下期の展望

    為替の問題は意外と早い時点で当初政府、有識者が見込んでいた水準に近づくものと期待されたが、ここにきてアルゼンチン絡みによるドルの高止まり傾向が続いており、下期の景気回復も楽観は出来ない状況である。

    不況感から消費者もこれまで以上に良い品質のものを安価に購入しようとする傾向が強まり、競合関係は一層厳しくなることが想像される。

    このような状況の中、より消費者視点に立った取り組みや新製品の導入が重要になっていくことだろう。

     

    【業界別動向】

    1、農産、畜産

    1)大豆

    シカゴ相場は20年振りの最安値を記録。今期の米国産も豊作の予想で価格上げの材料がない状態。ブラジルは旱魃により南部で2割減となったが、全体では若干減、輸出は前年並み。

    下期は国内需要が高まりつつあり、輸出まで玉が回らない可能性も高い。

    2)プロイラー

    5月までに輸出量で2割アップと増加傾向。為替切り下げにより輸出競争力が出てきたとともに、ベルギーのダイオキシン騒ぎもプラス材料に働いている。

    下期も欧州向けは好調が予想されるが、日本の荷余り感から日本向けは減少の見込み。アジア需要については、中国物の動向が注目される。

    3)砂糖

    5月までに前年比4割アップと大幅増になったが、これは8月からロシアの関税が大幅UPすることによる輸出の前倒しが要因。

    通期でみると8.8百万トンと昨年並みの輸出量が予想される。

    4)オレンジジュース

    濃縮ジュースは生産量120万トンと平年作。国際価格は1300ドル/トンと久々に採算に見合う価格が続き果汁工業は潤った1年だった。

    今年は低温多雨の冬で、収穫が2、3週間遅れている。生産量は昨年並みの120万トンは出来る見込だが、価格はダウントレンドで1000ドル/トンをきる価格になっている。

    5)コーヒー

    生産量が記録的な3500万袋まで達したこと、為替切り下げにより競争力がついたことにより輸出量は過去最高の2120万袋を達成。

    来収穫量も今年を上回るが、消費国の需要停滞、コロンビアコーヒーの価格競争力強化もあり、下期は輸出力を失うことが予想される。

    2、外食産業

    1、2月は景気後退に伴う消費者のレジャー控え等により前年比2-3割減、為替切り下げにより売り上げ原価率は前年比10,15%UPの模様。

    外食産業にとって今回の経済変動は、各店の存在価値を再認識する機会となり、「サービスの充実」「メンテナンス」「コスト管理」がしっかりとコントロールされ、顧客に支持されるレストラン以外は淘汰されていくことだろう。

    改めて、各顧客層におけるマーケティングリサーチと、それと合わせた取り組みが不可欠となってくる。

    3、加工食品

    1)乳酸菌飲料

    業界最大手企業の業績は、主力品が競合品の安売り攻勢により前年比12%ダウン。その他商品は前年実績を確保している。

    下半期は、7月末よりTV広告を全国NETで展開する他、社内の人材教育に力を入れていく。昨年実績を目指すが、前年比95%程度と予想される。

    2)アルコール飲料

    上期は為替切り下げの影響で原価率UP回避のため、各社値上げを試みるが小売りの強い抵抗にあい、思うように値上が出来ていない状況。

    7月には大手国産ビールメーカーの大型合併の発表があり(CADEはまだ未承認)、業界の再編がすすむことになるだろう。

    3)即席麺

    上期は、原材料UPのため各メーカーは値上を実施。消費の低迷と、店頭価格のUPの影響からトータルマーケットの伸びは前年比103%にとどまる。

    下期は、競合状況が一層強くなることが予想され、各社とも製造コストUPという収益圧迫要因のなかで、どう競合状況を乗り切るかが鍵となる。

    4)調味料

    上期のトータルマーケットは前年比109%。その中で安価ブランドの伸びが目立つ。

    下期もマーケット全体は拡大が予想されるが、より消費者視点にあった製品の開発、低所得者層の購入可能な価格設定が不可欠であろう。

  • 電気電子部会

    • カラーテレビ市場は半分に縮小
    • 部品分会は、セットメーカーに部品各社の活用再検討を要望
    • 携帯電話は急速に伸びた
    • 通信オペレーターの投資を下期に期待
    • 複写機、インターネット関係も好調

     

    江口:電気電子部会の報告をします。私どもの部会は四つの分会からなっております。&127;それぞれの分会の99年上期の回顧と99年下期の展望を報告します。

    第一分会は「家電、および耐久消費財」です。99年上期の回顧は、97年のアジアショック、98年のロシア危機、今年に入っての通貨切り下げ、ということで、非常に大きな環境変化があり、市場が大きく縮小しました。さらに、通貨切り下げ分を価格転嫁しまして、&127;製品価格で15%から45%の値上げを行ったので、このことも需要減の大きな要因になっています。

    一つの例で申し上げますと、カラーテレビの需要は96年が850万台、97年が780万台、98年が600万台、99年が、年末までの予測で350万台と、わずか一年の間に市場が半分になってしまうという大変な市場の減少になっています。ただ、金額ベースでいきますと、先ほどのように値上げをしているので、99年度上期の売り上げは、昨年同期比で10%から15%ほど減ということになっています。第一分会全体の各社の売り上げは、昨年同期比で約30%減となっています。

    99年下期の展望ですが、金利が低下してきたために、販売店の月賦の期間が通貨切り下げ後は、3カ月、4カ月だったものが、最近になり、8カ月、10カ月、さらには12カ月までに延びてきて、だんだんと購買意欲が出て来ているのではないかと推定しています。このまま、通貨とかインフレに大きな変動がなければ年末に向けて、明るさが出てくるであろうという予測をしております。各社の下期の平均売り上げは、昨年同期比で、約90%くらいだろうと予測をしています。

    次に、第二分会の「部品」の報告をします。99年上期の回顧ですが、まずSMKとロームの2社さんが撤退されました。部品分会からこの電気・電子部会のセット・メーカー殿にご要望、ということで「ブラジル電気・電子業界の盤石な発展を期するためにも、部品各社のさらなる活用によるメリットを、戦略的見地から再検討していただきたい」との強い要望がありました。

    99年の上期の回顧ですが、携帯電話が非常に伸びております。為替ショックの影響で、1月から3月の間は、大変な混乱がありました。全体としては、この分会の売り上げは、昨年同期比で約20%くらいの減収になりました。特に、国内だけに限って言いますと、30ないし40%の減収ということになっています。 4月以降になり、次第に落ち着いて来まして、オーディオ、ビデオ、それからシロ物家電の客先から現地調達の打診とか、追加受注があって、悪いなりにも動きが出てきた、といえます。

    99年下期の展望ですが、部品業界では、この上期に底を打ったのではないか、という認識があり、今後はインフレや為替に大きな変動がなければ、だんだんと良くなってくるだろうと予測しています。で、下期の展望につきましては、上期比で約50%増、というような強気の見通しも出ております。

    電力・通信・産業
    為替ショックたたる

    次に第三分会の「通信・電力・産業」の99年上期の回顧ですが、1月から3月にやはり、通貨切り下げ後の様子見があって、非常に悪い状況になりました。4月から6月にかけて、分野によって回復に向かったところと、低迷が引き続いたところに分かれました。特に悪かったのは、通信民営化後の新しいオペレーター関連の業種です。新しいオペレーターは民営化直後の投資を、積滞解消、つまり電話を申し込みをしているけれども、電話がつかないという人達のために、投資を始めました。このため大きな発注がなく、ケーブル、空調機、計測器、こういった分野の投資が先送りされました。

    さらに、新聞等でご承知だと思いますが電話の増設を行った時に工事業者の質を落としたために、電話がつながらないだとか、間違ってつながるというようなトラブルが発生しました。こちらの改善に、新オペレーターが力を注ぎまして、新しい発注がなかなか出来なかったという事があります。テレブラス時代の昨年の 1月から6月までに、4.7USB$の投資がありましたが、今年上期の投資は約2,3USB$ということで、半分以下になっています。通信関係の業種は大変な苦戦を強いられています。

    大きな伸びが期待されておりますインターネット関連は新規進出各社が投資資金を調達中であり,注文が出るのは下期になる予測です。

    そのほか、電力会社の送電線設備投資は堅調で、昨年並みの売り上げを確保できたところがあります。

    通信・電力、産業分会の売り上げ平均は大体、昨年同期比で26%の減ということになっています。

    下期は為替、金利動向いかん

    下期の展望ですが、為替や金利で大きな変動がない限り、新しいオペレーターからの発注が始まることで、少し明るくなるというふうに予測をしています。各社の売り上げ見込みは昨年同期比で90%くらいだろうと予測しています。

    最後に、第四分会の「精密・事務機器・輸入販売」です。主として複写機業界の報告になります。

    99 年上期の回顧は、通貨切り下げの影響を受け、1,2月が低迷、3月でやや回復、4月以降はだんだんと需要が出て、全体の売り上げとしては、約20%減となっております。複写機業界ではゼロックス社が非常に力を持っており、約70%以上のシェアを持っております。通貨切り下げ後に、ゼロックス社が30ないし40%の価格アップと、約20%くらいにのぼる従業員をカットしたために、結果、ゼロックス社内外で混乱が起きました。そのため、日系企業のほうに注文が回ってきた、ということがありました。先程申し上げました、3月以降、だんだんと良くなってきた要因のひとつになっています。

    99 年下期の展望ですが、やはり、為替や金利に大きな変動がなければ、ふたたび合理化投資が始まって、市場が回復するだろうと予測しております。さらに、2000年問題の対応があると言うことと、複写機の業界でもデジタル化が進んでいると言うことで、新しい機種への需要増を期待しております。売り上げは昨年同期比で90%くらいと予測しています。以上でございます。

    司会:ありがとうございます。それでは建設業界の、林部会長お願いします。

  • 電気電子部会(回顧と展望)

    部会長 江口 信彦

    1999年上期の回顧と下期の展望

    副題「経済の回復に伴う各産業の伸長を阻害するもの」

     

    電気電子部会は次の4つの分会から構成されています。( )内は分会長

    第一分会「家電および耐久消費財」(パナソニック ド ブラジル 喜多川雅彦)

    第二分会「部品」(TDK ドブラジル 鈴木雅博)

    第三分会「通信・電力・産業」(Industrias Hitachi 出石峯敏)

    第四分会「精密・事務機器・輸入販売」
    (ミノルタ コピアドーラ ド アマゾナス 北野孝明)


    本レポートは各分会の回顧と展望と副題について報告します。

    1.第一分会「家電および耐久消費財」

    (1)99年上期の回顧

    97年のアジアショック、98年のロシア危機さらに今年1月の通貨切り下げと続いた大きな経済環境の変化で市場が大きく縮小した。また通貨切り下げ分を価格転嫁し15~45%の値上げを行った事も需要減の要因となった。

    市場の変化を表に示す。
     96 97 98 99(予測)  
    CTV 8.5 7.8 6.0 3.5 (百万台)
    VCR 2.7 2.5 2.0 1.1 (百万台)
    オーディオ 0.9 1.6 1.7 1.2 (百万台)
    電子レンジ 1.3 1.5 1.4 1.0 (百万台)

    金額ベースでは値上げを行ったためVCR、電子レンジは前年同期比でほぼ同額、CTVは85~90%、オーディオは逆に増となった。

    この分会の各社の売上は前年同期比で平均30%の減となった。

    (2)99年下期の展望

    金利が低下したことを受けて最近になり販売店の月賦の期間が通貨切り下げ後は3~4ヵ月間であったが、8~10ヵ月と延びてきている。さらに12ヵ月以上も見られ出した。このことから今後、通貨やインフレで大きな変動がなければ、購買意欲が出て年末に向けて明るさが出てくるだろう。

    この分会の各社の下期売上は昨年同期比平均約90%と予測している。

    2.第二分会「部品」

    (1)99年上期の回顧

    まず、SMK社とROHM社が撤退されました事を報告します。またセットメーカ殿に今後のブラジル電気電子業界の盤石な発展を期すためにも部品各社の更なる活用によるメリットを戦略的見地から再検討頂きたく強く希望しますとの要望があった。

    99年上期を回顧すると、セルラーを中心とした通信分野の飛躍的な伸びはあったものの、年初の為替ショックによる1~3月の市況混乱から前年同期比でおおむね2割前後の減収が大勢となった。

    特に国内市場向け製造部門だけ見ると、3~4割も大きな減収を強いられた。この分会に加盟しているいくつかの企業では日本人出向者の削減やリストラを行なった、との報告があった。

    しかし、4月以降になりAVやシロモノ家電の客先から現地調達の打診や追加受注など悪いなりにも動きが出てきた模様である。一部の製造ラインでは人員増も見受けられる。

    (2)99年下期の展望

    部品業界ではこの上期に底を打ったのではないかとの認識で一致した。

    よって、今後インフレおよびアルゼンチン情勢の動向が大きな悪化要因とならない前提で、下期については上期比5割増と強気の見通しも出てきている。

    3.第三分会「通信・電力・産業」

    (1)99年上期の回顧

    1~3月は通貨切り下げ後の様子見から総じて非常に悪い状況になった。4~6月は分野により回復に向った所と低迷が続いた所に分かれた。

    特に悪かったのは通信民営化後の新オペレータ関連の業種であった。これらの新オペレータは民営化直後の投資を積滞解消のため回線増に直結する部分のみに絞った事から、容量的に余裕のあったケーブル、空調機や計測器などは投資が先送りされた。

    回線需要の大きいサンパウロやリオについては、新オペレータが工事業者の質を落としたことからクレームが集中し、この対応に追われた事も発注遅れの原因となった。

    新オペレータの発注合計は上期で2.3BUS$で民営化前の前年同期比で51%減となっている。

    大きな伸びが期待されるインターネット関連のインフラは新規進出各社が投資資金を調達中であり、注文が動き出すのは下期になる見込みである。

    通信関連以外では電力会社の送電線設備投資は堅調である。その他の分野でもレアルベースでは前年同期並みの売上を確保できた所が多い。

    ただ、輸入部品のコストアップをそのまま価格転嫁できず、国産化や原価低減が急務となっている。

    この分会の各社の売上は前年同期比で平均26%の減となった。

    (2)99年下期の展望

    通信関連の発注が動き始めた事や、為替や金利に上期のような大きな変化がない事が予想される事から、総じて売上の回復の予想が多い。しかしアルゼンチンの状況が不安材料となっている。

    この分会の各社の下期売上は平均前年同期比92%と予測している。

    4.第四分会「精密・事務機・輸入販売」 (複写機業界)

    (1)99年上期の回顧

    通貨切り下げの影響を受けて売上は1~2月が低迷、3月で回復し、4月以降需要が回復してきた。売上では前年同期比で約20%の減となった。複写機業界ではXEROX社が70%以上もシェアを持っている。このXEROX社が通貨切り下げを受けて30~40%の価格アップと同時に約6500人の従業員のうち 1500人を解雇した。このためXEROX内が混乱し、ユーザーもXEROX離れを起こし、受注が増えて来ている。

    この分会の各社の売上は前年同期比で平均80%となっている。

    (2)99年下期の展望

    他の分会同様、下期は為替や金利に大きな変動がなければ、再び合理化投資が始まり、市場が回復すると予測している。

    また複写機のデジタル化や2000年問題への対応もあり需要増を期待している。下期の売上は前年同期比で平均93%と予測している。


    5、経済の回復に伴う電気電子業界の伸長を阻害するもの

    (1)通信・OA関連の外資系セットメーカーによるRECOF (Regime Aduaneiro Especial de Entrpostos Industriais )での自社輸入の動き。

    (2)ブラジルコストを認めないWord Wide Contract Priceでの価格要求。

    (3)税制恩典ベースで輸入した場合の部品価格要求。

    (4)(未だ改正されていないが、恐れとして)マナウスの税制恩典や国産化率達成の税制恩典の見直し。

  • 建設不動産部会

    • 大型土木の年間受注額90億ドル中規模6億、小規模5億ドル
    • アルミサッシ、半年余りで45%値上げ
    • 空室率15~20% ― AV.パウリスタ
    • 受注量減にしたがって従業員カット

     

    林:それでは建設不動産部会の発表をさせていただきます。当部会は、建設、設備関連が9社、それから不動産関連が5社の合計14社で構成されております。始めに、ブラジルの建設業界について簡単にご説明させていただきたいと思います。

    当国の建設業は、ダム・道路・港などの公共工事を主体とする大型土木建設分野、アパート・事務所・工場等を主体とする中規模建設分野、そして小型の住宅等を中心とする小規模建設分野に大別されます。これらの年間の受注金額を98年の統計でみますと、大型土木で約90億ドル、中規模で約6億、それから小規模で5億、合計、約100億ドルくらいの市場でございます。この中で、我々日系建設業が従事しているのは中規模建設分野で、民間企業のお客様がほとんどです。

    ですから、この100億のうち、約6%が、我々が占めておるところなんですけども、この中で、やはり民間企業が主体ということで、非常に景気の変動を受けやすく、今年は先ほどから皆さんいっておられるように、1月の為替変動以後、大変厳しい戦いを強いられております。

    このような状況の中で、99年の上期を見てみますと、大変厳しい状況で、それを各社のアンケートでまとめましたので、発表させて頂きます。前にも述べましたとおり、具体的な金額が出て来ませんので%でお話しします。

    受注物件が支払遅延、条件変更に

    各社の上期の数字をまとめてみますと、約10社の平均値ですが、受注では、今年の初めに立てた年間の全体計画値の約39%がこの上期で受注できたという数字となっております。これは、6月で、半期でございますから、経過率でいきますと、50%取れてればいいんですけれども、この時点で39%と受注が伸び悩んでおりまして、売り上げ、利益面でも、非常にきびしい状況になっております。

    ABC地区不況で住宅ビル工事中止

    こういう状況になった要因といたしまして、一つは、客先の設備投資が大幅に見直され、計画の縮小、延期、中止が多く、案件数が激減したことが挙げられます。

    二つ目は、数少ない案件に各社が集中し、競争が激化し、採算の厳しい状況となったことが挙げられます。

    三つ目といたしまして、通貨切り下げに伴う、便乗値上げが横行し、これも採算を下げる要因となっております。たとえばアルミサッシ等では、去年の12月に較べて、今では45%の値上げをされております。

    以上のような激戦をくぐりぬけ、やっと受注した物件でも、支払いの遅延、支払条件の変更等が契約後にも多発し、収支面でも大変苦しいところが多かったのが、まあ上期の回顧でございます。同じく、不動産業界も、上期は、98年からの不動産業界不調がまだ続いておりまして、パウリスタ、マルジナル地区でも相変わらず商業ビルの空室率が15%から20%と高く、賃貸料もまだ下がり気味でございます。

    ただし、特別な分野である、日本人駐在員が多く住むジャルジン・パウリスタとかパライーゾ地区の賃貸アパートの賃料は、ずーっと値下がりすることなく一定を保っております。

    家賃は時間かけてネゴすること

    ここでちょっと余談でございますけれども、そうは言ってもですね、手前どもは、社員の社宅として、アラメーダ・ジャウーにアパートを借りているんですけれども、賃貸料が1700レアル、コンドミニオが700レアルと合計2400レアルで、3年ほど借りておりました。しかし、手前どもも経費節減の目的で、同じ広さでもう少し離れたところを探しました。そこで、その家主に、もう少し安いところがあるので、他に移りたいという話をしましたら、じゃあ、いくらならそのまま残るんだと云われまして、一週間くらいたったら、今2400レアル払っているのが、1200レアルになりました。

    で、これはなんでかと云いますと、まあ、700レアルのコンドミニオは変わらないわけですから、借り主がいなくなってしまうと、自分が今度は700レアル出費しなければならないわけです。ですからそうであれば500レアルの賃料でもいいから、続けて借りて欲しいわけです。まあそういう話もありましたので、今からアパートを捜される方は、時間をかけてネゴすれば、結構いいものが出てくると思います。

    それからアパート販売では、昨年まで好調だったABC地区のポピュラーアパート、これがやはり、あの地区にありますフォルクスワーゲンとかGMの不況の波を受けまして、購入者が非常に減りまして、昨年の20%減の80%となっておりやはり苦戦しております。

    6月から見積り増えるが
    金額、支払条件がきびしい

    次に下期の展望でが、建設業界は、6月に入りまして、いままでずっと見積もり物件が減っておったものが急激に増えて、ここ6月後半から7月にかけて、受注案件も多少増えて参りました。ただし、案件が増えたといっても、その受注にいたるまで、金額、工期、支払条件等ですね、非常に厳しい条件がありまして、利益率の非常に薄い受注となっているのが現状でございます。

    そこで、各社の下期の数字、さきほど上期でしたけれども、をまとめてみますと、受注では99年の全体計画値の約43%、売り上げはそれにつれて多少回復するけども、利益面では相変わらず厳しいと、というデータが出ております。

    ですから今年全体で考えますと、前半が39%、後半が43%ですから、全体計画値の約84%くらいが、何とか受注できるんではないかということが各10社のアンケートから見ることが出来ます。ということは、今年の最初に立てた見込みの約16%から20%減ぐらいが、我々建設業界の今期の受注予想じゃないかなと見ております。

    それから、各社の従業員の推移をちょっと見てみたんですけれども、やはり、前期・後期・全体とだんだん受注量が

    減るにしたがって、社員の数も減ってきております。ですから、10社平均で見ますと、99年末には、各社とも、6%から7%くらいの従業員をカットせざるを得ないという状況に入っております。それから、不動産に関しましては、不況が続いているということですが、後半、経済状態が少しでも好転すればそれに連られて良くなるかも知れないと云われておりますけれども、当分大幅な好転は望めないと云う報告が届いております。

    また、アパート販売につきましては、購入者層のターゲットを今までの、中間所得者層から、より上の層に絞って、立地条件の良い高級志向のアパートを計画して、受注を伸ばしていく算段がとられております。以上、簡単でございますけれども、建設不動産部会の報告とさせて頂きます。

    司会:ありがとうございました。それでは運輸サービス部会の加藤部会長お願します。

  • 建設不動産部会(回顧と展望)

    部会長 林 恒清

    (1)1999年上期の回顧

    <建設業界>

    新年早々の通貨切り下げの影響は、予想以上に大きく、各社共かなりの苦戦を強いられた。その原因として下記の項目が考えられる。

    ①客先の設備投資が大幅に見直され、計画の縮小、延期、中止が多く、案件数が激減した。

    ②そのため、数少ない案件に各社が集中、競争が激化し、採算の厳しい状況となった。

    ③通貨切り下げに伴う便乗値上げが横行し、これも採算を下げる要因となった。

    ④以上のような激戦をくぐり抜けて、やっと受注した物件でも、支払いの遅延、支払い条件の変更等が多発し、収支面でも大変苦しいところが多かった。

    各社の上期の数字をまとめてみると、受注では、1999年全体計画値の39%(10社平均)と延び悩み、売り上げ、利益面でも大変厳しい状況となった。(表 -1参照)

    (2)1999年下期の展望

    <建設業界>

    6月に入り、それまで停滞していた見積依頼件数が急激に増えてきた。その背景には、ここ数ヵ月の通貨安定を評価して、各客先に設備投資意欲が再燃してきたことが考えられる。但し、各物件の受注に至るまでの間には、金額、工期、支払い条件等大きなハードルがいくつもあり、簡単には決定しない。

    各社の下期の数字をまとめてみると、受注では1999年全体計画値の43%(10社平均)、売り上げはそれにつれて多少回復、利益面では相変わらず厳しい状況が続くと考えられる。建設業の受注時期は経済状況の回復より遅れてくるため、本年の最終受注見込は1999年全体計画値の84%(10社平均)と 16~20%位の減となりそうである。

    このような状況下で各社の従業員の推移をみてみると、極端なリストラを行うところはないが10社平均で見ると、1999年末には、約6~7%の従業員はカットせざるを得ないようである。(表 ー 1参照)

     

    <不動産業界>

    不動産賃貸業をとり巻く環境は、経済状況が好転すれば、それにつられて良くなるかもしれないが、当分供給過多が続く現状では、大幅な好転はまだ望めない。昨年から各社で続けているビルの活性化、セキュリティーシステムのグレードアップ等を更に進めてゆく必要がある。

    アパート販売では、購入者層のターゲットを今までの中間所得層よりも上の層に絞り立地条件の良い、高級志向のアパートで受注を延ばして行く方法がとられている。

     

    (3)経済回復に伴う建設不動産の伸長を阻害するものは?

    大変、的の絞りにくいテーマだが、多くの意見として、税制、労働法、高金利政策が上げられている。但し、これらの対策としては、政治改革が必要で、簡単には行動が起こせない。そこで、我々が対応可能なものを考えてみた。それは、建設資機材、各種公共料金、燃料、税金等の値上げについてである。それぞれの値上げの実態をとらえ、リーズナブルな物については、見積提出時に客先へ説明し理解を得ることも必要と思われる。

    各社業績の推移(1999年)(1999年初期計画を100とした場合の比較)

    会社名 受注 従業員数
    期初
    計画
    上期 下期
    (予想)
    実績
    (予想)
    期初
    計画
    上期 下期
    (予想)
    実績
    (予想)
    A 100 30 40 70 100 100 90 90
    B 100 35 55 90 100 100 100 100
    C 100 40 40 80 100 100 100 100
    D 100 40 50 90 100 110 100 100
    E 100 30 40 70 100 100 90 90
    F 100 50 60 110 100 95 90 90
    G 100 50 10 60 100 90 80 80
    H 100 34 51 85 100 105 100 100
    I 100 40 50 90 100 120 100 100
    J 100 44 51 95 100 90 90 90
    10
    平均
      39 45 84   101 94 94
  • 運輸サービス部会

    • 航空運賃、レアルベースで約2倍へ
    • 業者経営苦しく業界再編が話題に
    • 為替切り下げ影響で輸入2、3割減
    • 上期に17社閉鎖 ― 日系旅行業界
    • 撤退企業、駐在員減で引っ越し荷物減
    • 高炉改善工事で売上増 ― フォワーダー
    • 通信サービス業界売上げ5割増

    加藤:はい。運輸サービス部会の加藤でございます。運輸サービス部会というのは色々な業種が集まりまして、全部で9業種ございます。本来ならば、運輸部会とサービス部会に分かれても良いんじゃないかと思われるほど、この9業種の間には関連性が意外と薄いものもございます。

    従って、総じて結論づけるのは難しいのではございますけれども、敢えて全体的なまとめを行うとすれば、ドル建てのコストを抱えております業種、例えば航空業界、海運業、あるいは通信業界、リテール業界の一部につきましては非常に厳しい上期であったと言えます。そしてこの状況は、下期においても引き続き継続されるだろうと、そんな見方をしております。

    それでは各業種別に上期の回顧と、下期の展望についてご報告いたしたいと思います。

    為替切下げショックで
    ツアーのキャンセル続出

    初めに航空業界でございます。上期に行われましたレアルの切り下げに伴い、ドル建てで構成されます航空運賃が、レアルベースで約2倍近くまで跳ね上がったと言う状況によりまして、国内及び国際を旅行される旅客需要が一気に冷え込んでしまいました。特に切下げが行われましたのが、夏休みに入る掻きいれ時と言うこともありまして、切り下げ直後にはマイアミを中心とするツアーのキャンセルが相次ぎ、その数はおよそ3,000名近くまでになったようでございます。

    またこの切り下げは、ブラジル国内の航空会社の経営を直撃しまして、ドル建てコストのレアル払い増により、各社とも非常に厳しい経営を強いられた上期であったと言えます。ドル建てのコストとは色々ありますけれど、特に顕著なのが航空機材のリース代金とか、燃料費、外地払い人件費等、これらのコストが各社の経営を圧迫するところとなったわけでございます。

    上期に、国内各社の経営の苦しさが表面化したところから、一昨日の新聞にも出ておりましたけど、国内航空会社の再編問題が話題になるとの状況まで出てきているところでございます。

    航空は2000年の出稼ぎ帰伯に期待

    下期の航空業界の展望でございますが、依然として航空需要の戻りは見られないと予想しておりますが、そのような中でただ一つ、特需といたしまして、 2000年を故国ブラジルで迎えたいとする在日日系ブラジル人の帰国ラッシュが想定されています。これは11月末から始まりまして、全体で25,000名から30,000名様がブラジルへ帰国すると言う事で、日本発ブラジル向けの航空需要に少し明るい動きが見られる、と言うのが下期の展望でございます。

    次に海運業界でございます。この業界につきましても、通貨の切り下げが非常に大きなインパクトを与えました。特に輸入に大きく影響致しまして、コンテナ本数にしますと、対前年で20から30%の減少という結果になっております。

    輸出コンテナ不足 ― 海運

    一方、輸出でございますが、先程の貿易部会のレポートでもありましたように、木材、パルプ、あるいは冷凍鶏肉等の競争力が向上いたしまして、若干の伸びが見られました。輸入よりも輸出が若干ながら好調だったと言うことによりまして、ブラジルでオンハンドするコンテナが不足すると言う事態が発生してまして、これが海運業界の大きな問題となっております。

    海運業界の下期見通しですが、現在はレアルの対ドル相場が比較的安定しておりますので、7月から11月にかけて、輸入の動きも回復するだろうとの見方をしております。一方、輸出についてですが、上期と同様の動きになるのではないかと見ているようです。

    3番目に旅行業界ですが、上期は依然として出稼ぎ需要の落ち込みが続いておりまして、対前年を30%程下回る状況で推移しております。このように日本への出稼ぎ需要が減速したことによりまして、出稼ぎを主に取り扱っておりました日系の旅行業者の経営が極めて苦しくなったとの状況が発生しております。この結果、上期だけで日系の旅行社17社が閉鎖されたとの報告を受けております。

    一方、出稼ぎ者も含む訪日ブラジル人の数ですが、1月から3月の統計しかございませんが、3,242名様と言うことで、対前年45.5%の減、96年10月以来30カ月連続して減少傾向にあると言う事でございます。

    旅行業界の下期見通しですが、依然として出稼ぎ需要が低迷すると見られておりますが、一つ明るい材料といたしまして、本年11月、東京で開催されるトヨタカップがございます。このサッカー大会に、サンパウロのチーム、パルメイラスが南米を代表して出場すると言う事から、選手、役員、応援団等600名から 700名程が日本に出掛けます。この取り扱いが旅行業界に若干の利益をもたらすのではないかと期待されているところでございます。

    それから、11月には日本航空がニューヨーク経由の日本線を週4便で開設いたします。これはニューヨークまでのお客様にもご利用頂けるわけで、ニューヨークへ向けたパッケージ旅行商品が数多く生まれます。これが業界活性化の起爆剤になればと、旅行業界では期待しているところでございます。

    4番目に貨物業界です。上期の引越し荷物につきましては、日本経済の低迷を反映しまして、ブラジルから撤退する企業が相次ぎました結果、ブラジル発の引っ越し荷物が10%程伸びたと言うところでございました。それに引き換え、日本から入って来る引っ越し荷物は、20%程減少したと言う結果が出ております。

    航空貨物の方ですが、レアルの切り下げの影響をもろに受けまして、輸入貨物が急激に悪化し、30%も落ち込んだと言うところとなっております。

    下期の貨物業界ですが、引っ越し荷物につきましては、上期と略同様の動きであろうと思われております、これに加えまして、最近ではビザの問題が出て来てますので、状況を更に悪くさせる恐れがあるとの事でございます。つまり、ビザがなかなか発給されない状況になっておりまして、これによっては引っ越し荷物の減少傾向が益々激しくなるのではないかと心配しております。

    下期の航空貨物ですが、対ドルのレアル相場が比較的安定しておりますので、輸入が少しは回復するであろうと期待しているところですが、貨物輸送にかかわる航空運賃が高いという問題がネックとなっております。一方では荷主の方は「輸送賃を出来るだけ安くしろ」との圧力をかけてくるわけで、そんなところから業界としては、数は増えても収益の向上は望めないのではないかとの見方をしております。

    5番目にフォワーダー業界です。事業全体としては、ウジミナス製鉄所の第三高炉改修という大きな工事があり、これによる収益の確保は出来たと言う事でございます。何しろこの工事は 1,600名の作業員を必要とする大工事ですので、これによって売上額で対前年を5%上回ったと言う事でございます。ただし、一般物流につきましてはレアルの切り下げの影響を受けて作業量が減少し、前年を1%程上回る微増に留まっております。

    フォワーダー業界の下期ですが、引き続き第三高炉の改修工事がありますので、収益的には上期同様に推移すると思われておりますが、1,600名もの作業員の処遇を今後どうするかと言う問題が出てきます。この処遇をどのように行うのか、これがフォワーダー業界の大きな目玉になろうかと言うところでございます。

    6番目に、倉庫業界でございます。倉庫業界では港内の作業が増加したと言う事がありまして、売上高ベースでは前年同期比2%増と言う結果となっておりますけれども、レアル切り下げがあったために、外貨建ての借入金返済が増加する状況となっております。この結果、収益としては大幅に悪化したとの事でございます。

    倉庫業界の下期ですが、上期同様、若干の収入増はあるかと思われますが、依然として外貨建て借入金の返済問題がありまして、この営業外費用の増加をカバーするまでの収入を上げることは難しいだろうとの悲観的な見方をしております。

    2千年に通信サービス自由化、競争激化へ

    7番目に通信業界です。我々の部会で報告される通信関係と言いますのは、サービスに関わる部門の通信業界でありまして、インターネットとか、LAN、 WAN等に関わるサービス関連の部門でございます。この業界では、ネットワークの構築が広く一般に普及して参りましたので、業績は上期に順調に伸びております。昨年の下期と対比いたしますと、売上高で50%増えたと言う、我々運輸サービス部会の中では唯一と言っても良いくらい明るい状況にある業界でございます。

    しかしながらこの業界も、下期にはいわゆるY2K対応のために、かなりのコストをかけざるを得ないところから、厳しい状況になるのではないか、と予測しております。

    またY2K対応に加えまして、2000年には通信サービスの完全自由化が行われることになっており、今後はかなり激しいサービス競争になって行くだろうとの、厳しい見方をしている様でございます。

    ホテル
    レアル切り下げ追い風にならず

    8番目。ホテル業界でございます。ホテル業界では当初、レアルの切り下げによって観光客が増加すると見込んでおりました。つまり切り下げは追い風になると考えていたわけですが、結果的にはサンパウロの5ツ星クラスのホテルで、客室占有率が17.5%下がったと言う実績が出ております。

    こんな状況から下期につきましては、観光客の増加は期待出来ないと見ており、サンパウロ首都圏のビジネス回復に望みをかけているとの事でございます。

    自動車、宝石さえず

    それでは最後にリテール業界です。リテール業界としては、宝石等の小物類と自動車の報告が入っております。先ず宝石類ですが、ドル建てで取り引きが行われる宝石は、レアルの切り下げ以降売り上げが激減いたしました。上期には“母の日”と言う販売チャンスがあったわけなんですが、残念ながらこれも当初予想まで売り上げが伸びなかったとの事です。

    乗用車の方ですが、IPIあるいはICMSの優遇措置によりまして、若干販売が上向くのではないかと期待されたんですが、最終的には対前年同期比23.7%の減、626,000台の販売に留まったと言うところでございます。

    下期のリテール業界ですが、小売につきましては、クリスマスと言うビジネスチャンスがありますけれども、レアル切り下げの影響がまだ続くと予想されているところから、それ程の期待は出来ないだろうと見ております。

    一方、乗用車の方ですが、輸入税の関係で、車の価格が高騰し、販売台数は相当低下するだろうとの見方をしております。

    以上、駆け足ですが、9業種にわたる運輸サービス部会のレポートを終わらせていただきます。

    司会:どうもありがとうございました。会議の進行上、各部会長さんの熱心なお話を、赤嶺副委員長は、心を鬼にして、ベルを鳴らしたことご容赦下さい。

    赤嶺:まさしくそのとおり。皆さんに公平に、ということをまず念頭におきました。

  • 運輸サービス部会(回顧と展望)

    部会長 加藤 彰

    運輸サービス部会に所属する9業種について

    概ねどの業種においても本年1月に行われたレアル切り下げの影響を受け、上期はいずれも大変厳しい業績となった。この状況は下期に入っても変わらないであろうと予測されており、各業種とも更なるリストラの遂行等、一層の企業努力を尽くすとの覚悟を決めているようである。各業種の詳細については以下の通り。

    1.航空業界

    上期の回顧

    レアルの切り下げにより、ドル建てで構成される航空運賃がレアルベースで2倍近く跳ね上がったため、国外旅行需要を一気に冷え込ませた。また旅行に伴う費用も高騰するところとなったため、切り下げ直後におよそ3,000名近いツアー客のキャンセル(主としてマイアミ行き)が発生した。

    一方、ブラジル国内航空会社は、ドル建てコスト(リース代金、外地支払い燃料費等)のレアル払い増により、経営が極端に苦しくなり、極めて厳しい上期であったと言わざるを得ない。

    日伯間の需要については、本年1月にVASP航空が日本線より撤退したため、座席占有率は向上するところとなった。特に名古屋を中心とする需要が大幅に伸び、およそ3倍の増加となった。

    下期の展望

    対ドルレアル通貨は安定した動きを示しているものの、上期に冷え込んだ旅客需要に復活の兆しはなく、引き続き苦しい状況が続くものと思われる。そのような中、日本に住む出稼ぎ者が、2,000年を母国ブラジルで迎えるため、年末に帰国するムーブメントが予想されている。この帰国ラッシュは11月から年末にかけて行われ、その数25,000人から30,000人と予想されている。この需要により、下期は特にインバウンド便が好調に推移するものと期待される。

     

    2.海運業界

    上期の回顧

    通貨の切り下げが一時的に輸入に大きく影響し、コンテナ本数で20~30%の減少となったものの、6月から回復基調となった。

    一方、輸出については、材木、パルプ、冷凍鶏肉等が切り下げにより国際競争力をつけ、増加傾向となった。これにより輸出入のアンバランスが生じ、その結果コンテナが不足するという事態が発生した。

    通貨切り下げにより、到着貨物を引き取らない顧客が増え、これによりサントス港の通関遅延、コンテナの長期滞留等のトラブルが増加した。

    下期の展望

    ここに来てレアルの対ドル相場が安定しているところから、7月~11月にかけて輸入の荷動きが回復することが想定される。一方、輸出については上期並みに堅調に推移するものとみられる。

    自動車船については、8月末に期限がくる「優遇関税制度」の取扱い次第で輸入量が左右される。

     

    3.旅行業界

    上期の回顧

    この上期も引き続き低調な状況が続いた。特に日本への出稼ぎ需要は前年同様、およそ30%程度の減少が継続しており、この結果、出稼ぎを専門に扱う日系の旅行社の経営を厳しく圧迫するところとなった。このため、上期において日系の旅行社17社が閉鎖に追い込まれた。

    永住権、長期滞在査証を審査する「移民審議会」の人事問題に端を発し、一時同種査証の発給が完全にストップするとの状況が発生した。

    その後、移民審議会の暫定局長任命が発令され、騒ぎは収まり、永住権申請者37件(うち日本人7件)の査証がようやく認可されたが、この状況は当面続くものと考えられる。特にテンポラリー査証発給にかかわる審査が相当厳しくなる事が予想される。

    一方、訪日ブラジル人数では1月―3月で3,242人(対前年同期比マイナス44.5%)と、96年10月以来30ヵ月連続して減少傾向にある。これは日本経済の低迷に起因する、出稼ぎ需要の減速が大きな要因であるが、レアルの対ドル切り下げが更に拍車をかけたとも考えられる。

    下期の展望

    依然として出稼ぎの低迷が継続し、対前年同期比30%程度で推移するものと思われる。

    一つの明るい材料としては、本年11月下旬に開催されるトヨタカップにサンパウロのチーム、パルメイラスが出場するところから、選手、役員応援団の合計600~700名程度が訪日するものと思われ、これが収益の下支えになる事を期待している。

    また、11月からは日本航空がニューヨーク経由日本への新路線を開設する予定であるところから、NYCへ向けたパッケージ商品を売り出す事が可能となる。目新しいこの商品が、業界を活気付けてくれる事を期待したい。

    一方、ブラジル人の訪日数については、年間で19,000人程度と推測され、対前年のおよそ18%減になると思われる。ブラジルから日本へは、従来よりも観光客の比率が高くなってきているところから、通貨の変動が悪影響を及ぼすことが懸念される。

     

    4.貨物業界

    〈引っ越し貨物〉

    日本経済の低迷を反映してか、ブラジルからの撤退、あるいは駐在員の減員傾向が目立ってきている。これを受け引っ越し貨物も、ブラジル発日本、その他へ向けては10%増加したものの、日本あるいは海外からブラジルへ向けた引っ越し貨物は20%減少した。

    〈航空貨物〉

    レアルの切り下げに伴い、航空輸入貨物の環境は急激に悪化し、前年同期に比べ件数、物量ともに30%の減少となった。一方、レアル切り下げが追い風になるかと期待された輸出であったが、航空貨物はもともと運賃に割高感があり、顕著な物量の伸びは見られなかった。

     

    下期の展望

    〈引っ越し貨物〉

    駐在員の減少傾向は下期も続くと想定されるところから、荷動きは上期同様に推移すると思われる。むしろ、ブラジル政府のビザ取得規制の強化により企業の研修生が事実上不可となったこと、あるいはその他ビザ取得まで相当の日数がかかる事を考慮すれば、下期の荷動きは上期を下回る事が予想される。

    〈航空貨物〉

    レアルの対ドルレートが安定してきたところから、輸入もそこそこ持ち直し、若干ながら回復するのではないかと期待される。しかしながら、各企業のコストセーブのあおりを受け、輸送賃の低減を求められているところから、貨物業界としては厳しい経営を強いられることが予想される。

     

    5.フォワーダー業界

    上期の回顧

    事業全般としては、上期にウジミナスの第三高炉改修工事があったために収入で3%の増加。収益の向上に寄与した。この工事は1,600名の作業者を必要とする大工事であったが、日本側の新工法を導入することにより付加価値を高めるとともに、円ベースでの契約と言うメリットを確保した。

    ウジミナス、コジッパを中心とする構内物流は、売上額で前年を5%ほど下回ったが、これは受注先の合理化要求等に起因するものである。

    給与インフレ調整率を契約額に反映させる事が年々困難となり、結果的に利益率が低下する傾向にある。

    一方、一般物流については貨物同様、レアルの切り下げの影響を受け、作業量が減少したが、収入額においては対前年を1%ほど上回る微増という状況で推移した。

    下期の展望

    ウジミナス第三高炉の改修が下期も続き、売上高は増加するものの、高い給与で雇った作業者を、工期終了後どのように処遇するかの問題が発生し、この処理に頭を悩ます事が予想される。

    一方、構内物流は受注先のコストダウン要求にどのように対応するかが焦点となり、一般物流においては上期に比し荷動きが活発化してきているところから、昨年同期比28%の売り上げ増を目指す事と致したい。

     

    6.倉庫業界

    上期の回顧

    工場構内の作業は取扱量、売上高共に前年同期比2%増と好調に推移したものの、レアル切り下げによる外貨借入金の返済負担増により、収益は大幅に悪化した。

    下期の展望

    本業については安定的に推移し、対前年同様の実績になるものと期待されているが、外貨借入金の返済に起因する営業外費用をカバーすることは極めて困難であると考えられる。


    7.通信業界

    上期の回顧

    インターネットとLAN/WAN等ネットワークの構築が一般的に普及してきたため業績は順調に伸び、昨年下期対比で50%の売り上げ増となった。しかしながら、これに対応するための設備投資、あるいはY2K対策等に生ずる出費が多く、収益としては決して余裕のある状況ではなかった。また、競合他社が数多く進出してきたこの業界で、競争力の維持のためにサービス品質の向上等求められるものは多く、人員の整理を含め、体力の強化を迫られた今上期であった。

    下期の展望

    インターネットを中心とする分野では、引き続き堅調な伸びを示すものと思われる。しかしながら、2,002年の通信サービス完全自由化に向け様々な動きがあること、また通信関連法令が一部未整備であるところから、一層の混乱期に突入する事が予想される。その結果、プロバイダーの統廃合、サービス価格の低下等激しい競争が繰り広げられる事になると思われる。

     

    8.ホテル業界

    上期の回顧

    当初、レアル切り下げはブラジルへの観光客増加というメリットをもたらすと考えていたが、実績はこの期待を大幅に裏切り、客室占有率では前年同期比で 17.5%の減少となった。サンパウロが経済中心の都市であり、観光客と言うよりも経済の動きに左右される都市であると言う事を改めて認識した上期であった。

    下期の展望

    上期同様、厳しい経済情勢の下、客足の急速な回復は望めないが、レアルの対ドル相場が安定していること、及び政府の経済政策が軌道に乗り、景気の回復が行われることによって、ビジネス需要が回復する事を期待致したい。

     

    9.リテール業界

    上期の回顧

    小売りを中心とするリテール業界では、レアルの切り下げに伴い、ドルをベースとする宝石等については国内販売が激減した。

    一方、海外からの顧客に対する販売の伸びが期待されたが、これについても思ったほどの伸びは見せなかった。

    上期は「母の日」を中心に販売の活性化が期待されたが、業界全体で小切手数は6―7%の増加となったものの、売り上げ単価の減少により収益は上がらなかった。

    一方、乗用車販売については、当初年間150万台を販売する市場規模と見ていたが、レアルの切り下げに伴い、110万台まで下方修正をせざるを得なくなった。

    IPI(工業製品税)、ICMS(流通税)への優遇措置合意により一時は販売が上向くと期待されたが、力弱く、対前年同期比23.7%減の62.5万台に留まった。

    下期の展望

    宝石を中心とする小売業界では、年間で一番掻き入れ時であるクリスマスシーズンに向け、売り上げの向上を期待したいところであるが、景気の活性化が行われない限り、下期も当面厳しい状況であるとの見方をせざるを得ない。

    自動車販売においては、8月末には「メーカー別輸入枠割り当て制度」の撤廃が予定されており、輸入税は23.5%―35%が適用されることになる。この結果輸入車価格が高騰し、販売台数は落ち込むものと思われる。またIPI、ICMSの優遇措置が期限切れを迎える8月末からは、価格は実質的に値上げされることとなり、益々厳しい状況を迎える事になる。

     

    ― 運輸サービス部会 ―

    経済の回復に伴い運輸サービス産業 の伸長を阻害するもの

    運輸サービス業界は多岐に渡るところから、標記問題点についても各業種ごとに異なる問題提起がなされた。その多くは「税制上の問題点」「法律上の問題点」に大別されるが、業界全般にわたり略共通する問題点の提起は以下の通りであった。

     

    問題点

    「研修ビザ」の廃止にともない、必要人材の確保、及び将来人材の育成が極めて困難となった。

     

    説明

    1、従来外務省によって発給されていた「研修ビザ」が本年より廃止され、企業研修を目的とした当国への赴任は認められなくなった。

    2、かわって労働省が管轄する「職業訓練ビザ」と言うものがあるが、実際はブラジル国内の失業者を圧迫すると言う理由により、労働大臣は当該査証の発給を一切認めていない。

    3、経済の回復により生産の拡大を図るためには、日本本社からそれなりの若手人材を赴任せしめ、業務の円滑な遂行を図る事が必要であるのみならず、将来ブラジル現地法人会社の中核をなす人材の育成にも大きな支障が出てきている。

     

    要望

    研修ビザの発給停止にともない、本国からの若手人材の登用を阻まれた企業は日系企業に留まらず、他国の企業にも影響が出ていると聞いている。

    在伯アメリカ商工会議所ではこの問題を取り上げ、「研修ビザの復活」を当局に働きかけたとも言われているところから、当会議所においても、問題の集約に努め、関係先への申し入れ等必要なアクションを取られるようお願いいたしたい。

  • 「経済回復に伴う産業の伸長を阻害するもの」

    司会:皆さんから本日の原稿を頂いておりませんでしたので、まあ、今年の上期は、大幅切り下げでひどい目にあったけれども、下期は、かなり立ち直りそうだ、という元気があるお話がうかがえるかな、ということで副題を「経済回復に伴う産業の伸長を阻害するもの」にしましたけれども、どうも、皆さんのお話を伺いしていますと、段々下を向いていく業界がかなり多く、副題の通り、下期はかなりいけそうだ、というのは、今、加藤部会長とか、上原部会長とか、木嶋部会長とか非常に限られた部会かな、という感がします。

    今までの皆さんのお話を簡単に、まとめ、それから、副題の切り口をさせていただきますので、忌憚のないところ、要するにこういうことが改善されれば回復は可能だとか、ここが問題だ、というようなことを、ざっくばらんに、残り30分弱ございますので、今日出席していただいた、全員の方にご発言いただきます。

    まず第一は、政治の問題です。年初、ブラジルが危機的な状況にあった時は、ある程度、団結して事態に対処し、緊急財政改革法案の可決を実施、実現したわけですが、危機が去るとともに、次期大統領選挙や、来年の市長選挙、それから、利権の確保をにらんだ政争が再発し、税制改革や年金改革といった、抜本的な財政改革の討議・審議がなおざりにされている感があります。

    第二に、金利の問題があります。公定歩合といえる、SELICは、7月28日の中銀の通貨改革委員会で、19.5%に引き下げられたわけですが、国際水準からいえば、まだまだ高い水準にあります。

    また、ブラジルの現在の財政状態を見ると、今後の金利引下げ余地は、限られたものにならざるを得ないと思われます。更に金融機関に対する、様々な規制や税制等から、金融機関の貸し出し金利がSELICの引き下げに見合う程度、下がっていないこと、信用リスクマネージメントの未整備等から、消費者金利が高止まりしていることも見逃せないと思います。

    第三に、アルゼンチンの情勢があげられます。アルゼンチンではレアル切り下げ以来、輸出不振、ブラジル産品の大量流入で、急速に景気後退しており、現在保護貿易主義的な動きが強まっています。さらに、景気後退による税収減や与党大統領候補の不穏当な発言により、ペソ切り下げの観測が流れるなど、同国の情勢は不安定なものになっております。アルゼンチンはブラジルにとって、メルコスールの第一のパートナーであり、輸出市場としては、米国に次ぐ第二を占めております。

    さらに、海外の投資家は、ブラジル・アルゼンチンを、ラ米のエマージング・マーケットとして、ひとくくりに見る傾向があり、アルゼンチンが金融危機に陥るようなことになれば、ブラジルにその影響が波及するのは必至のことと思われます。

    第4に、これは阻害要因というよりは不安要因なのですが、米国の情勢があげられます。7月末に発表された各種データにより、米国では再びインフレ懸念が強まり、利上げ観測がなされております。不安なのはこの利上げにより、ブラジルから大量の外貨が流出し、年初のような金融市場の混乱状態が再現しないかということです。

    第5に、国際商品市場の低迷があります。ブラジルの輸出産品である一次産品や、基礎的な工業製品価格は低迷を続けており、ブラジルはデバリの効果を十分に享受できていないという面があります。貿易収支は、1-7月で、5億2500万ドルの赤字であり、IMFとの見直し後の合意であります約40億ドルの黒字の達成は不可能と思われます。

    最後に、今更という感じですが、ブラジルコストの問題です。インフラの未整備や、不十分な民営化等により、港湾コスト、輸送コストは、国際水準に比べ、非常に高いものになっております。このため、輸出産品の競争力をかなり削いでいる部分があると思います。

    また、非能率的な公共機関のサービス、相対的に低い水準にある労働の質、複雑で、度々変更される税金や諸負担を、言い古されたことでありますが、経済回復を、阻害するものといえましょう。

    以上、問題提起をさせて戴きましたので、今宮さんから下半期における回復阻害要因について、貿易部会長として、一言お願いします。

    欧米の勢いを実感

    今宮:各社さん、いろんな、状況があると思うんですけど、やはりアジアの経済回復ということに伴って、ブラジルと日本、という関係で見るとね、残念ながら私どもはやはり、会社の方針としてまたアジアに戻っていく、ということが一つ、悩ましいな、ということ。

    それから、ブラジルの、この地場産業の伸長、ということからいくと、ちょっと離れるんですけども、改めて、やはり、ヨーロッパとアメリカの勢いというか、こういったものを色んな所で感じるわけでね。ここの進出企業の厳しさってのは、時間とともに感じます。

    それとやっぱりこの国の、いま岡田さんの、かなり中長期にも及ぶような、今後の見通しというご紹介の中で、日々の仕事を通じて一番感じることは、この国の経済ってものを考えた時に、どうもその、ボリビアからきたガス、非常にこれ不透明。要するにペトロプラスに言わせりゃ、今のこの、メガワット、30ドル前後の電力代金が安すぎるんだよ、と。私どもの家庭で使っているのが今17センターボですか。ドルに換算すれば10セントくらいですけれど。工業用ってのは3セントくらいで来てるわけですけれども、じゃあお前さんたち、一体いくらその、あれだけの金をかけて持ってくるガスを、電力いくらなら成り立つと思うのって聞いたら、やっぱりメガワット50ドル、60ドルだと。

    だけどもまあ、さっきの話しに戻りますけれども、やっぱりこのブラジルの輸出だとか、経済ってものを伸ばす上で、その、電力というものが、まあ言い古されてはいますけど、かなりもうピークにきているという中で、やはり、どっかで、やはりガスの値段というものが下がってきてですね、火力発電というものが、延び延びになっているものがですね、どこまで実行されていくのかな、ということで、まあちょっと、今、副題からそれたかも知れませんけど、我々としてみると、この下期の足元というよりも、来年以降のことを考えると、そんなに明るい見通しっていうのは、やっぱり立てにくいなあっていう感じがします。

    中国の国策がネックに―空調

    司会:非常にいい指摘で、やっぱり、アジアの経済が、顕著になればですね、日本はやっぱりアジアにまた、軸足をおいていくと。アジア危機の後、今までアジアに出そうと思っていたけれども、出せなくなった、ブラジルに出したいとていって、押取刀で進出されたメーカーさんもいましたが、そういう方たちに「今更なんですか、今頃なんですか、」ということを申し上げましたけれども、ブラジルを攻めるなら、場当り的では駄目だと思います。

    日立の出石さんは、「今年は暑くなって、クーラーがえらく売れるんじゃないか」という見通しを持ってられますか、日本では、熱夏でかなり売れているらしいですけれども。

    出石:北半球はどこも、非常に暑くなっているみたいですね。アメリカ、ヨーロッパ、日本も暑くなっています。ブラジルはちょっと、これからお天気次第でどうなるか分からない、というところです。で、いままでお話しのあったようなことはすべて私共の商売に影響しています。

    私共の関係としまして、ひとつはやはり金利と為替のレートが落ち着いてくれないと、うちの業界はどうしても様子見が起こります。末端金利が下がってくれないと、お客さんの資金調達も難しくなりますし。

    それから政治の話も、政府関連の建物がいまは財政赤字なものですから、工事が全部とまっています。で、売ったものもその資金回集が難しいということで、政府のほうは全然訴えられないものですから、そこが一番金回りのネックになって、次のほうに波及して行くというところがあります。

    それからアジアの関係で云いますと、たしかに為替レートが変わって、輸入品に対しては競争力がついたんですけれども、例えば中国は輸出奨励金が出ているみたいで、数がパッとまとまれば、昔とレアルベースでも同じ値段で入れてくる、というところがありますので、そう云う中国の国策みたいなところが非常にネックになっています。向こうのほうが圧倒的に数がありますので、ブラジルのようにこれから数を伸ばして行こうというところでは、投資をパッとするだけの数はないし、向こうが政府の補助みたいな形で数に対して奨励金などを出されると、非常に苦しいと、云うのがウチの状況です。

    ネックはインフラ未整備、税制等

    司会:一番苦しそうな化学品業界の話を、お願いします。よくなるという話ありますか?

    魅力あるマーケットだが・・・

    後藤:難しいですね。今宮さんおっしゃったように、ちょっとやそっとじゃ良くならない。とはいうものの、世界の中で、この1億6000万人のエマージングマーケットは人口があって潜在力でいえば間違いなく世界一な訳です。

    まあ、中国、インドもあるがそれよりもう少し、現実化が期待できる潜在力があるという意味で。

    それをめざして欧米の各社が、ここに進出して来ている。我々、東南アジアにかつて(いまでもそうですがね)軸足をおいてやってきた企業にとって、なかなかここのインサイダーになれない。どうしても東南アジアを向いてしまう。日系企業にとって、将来ともこのマーケットを伸ばす、発展させるためにはもう少しここに入り込むこと、と云いますか。

    とくにわれわれ商社ですから、どちらかって云うと、その、アウトサイダー、セミインサイダーくらいで売買ってケースが多いんですけれども、メーカーさん、政府も含めてと云ってもいいですかね。今後、ブラジルとの関係をより深めて行く必要があるんではないか、と。

    だが、それを阻害しているものがいろいろあって、例えばその、われわれ日本人、あまり動くの好きではなく、この変化に仲々ついて行けない。

    それから、ここのインフラ全般の未整備、税制問題等々の解決。これは時間がかかるんでしょうが、基本的にマーケットがデカイ、土地も広いし、食糧安保の観点からも、やはり、この国と日本との関係っていうのは、今まで以上に強くして行く必要があると思いますけれども非常に時間がかかる、という気がしています。

    司会:有難うございます。ちょっと、元気のいい業界のお話を・・。木嶋さんのところは後半は、ただ、量販店の与信問題だけだ、という事なんですけれども、さらに付け加えて、もっと、もっと良くなるとか、何か・・。

    農政不在がネックとくに原綿輸入 ― 繊維

    木嶋:あの、繊維業界から言いますと、原料調達が大きな問題になります。ブラジルの農業政策不在のため、従来から自給しておった原綿ですね、一昨年は世界最大の原綿輸入国になりました。即ち、従来90万トン生産していた原綿が30万トンに激減してしまった事です。今年は世界的な一次産品価格の下落により、大豆から、より有利な綿花への転換などにより、原綿生産は49~50万トンへ回復しますが、この辺の事情を考えてもっと綿花作付け振興のための農業政策をとって欲しい。

    もともとブラジルは広大な土地、人的資源に恵まれており、農業は政府の政策次第で最も強い分野です。今まで、工業化政策の陰に隠れ冷遇されていたと思います。従って、ブラジルの将来の発展を考えて綿花に限らず、強い農業部門を更に強化すべく農業振興政策に注力してほしい。

    それから、色々の観点から言いますと、ブラジル・コスト低減対策の一つにもなりますが、いわゆる、あの困った労働法、労働裁判所関係の無駄な費用が大変高くついている事ですね。何かの新聞を見ますと、ブラジルの司法関連費用が全体で60億レアルある中で、労働関連で32億ドルも使っているそうです。一件300レアルの労働裁判が、1600レアルのコストをかけているとの事、人的、物的費用のロスのみならず、時間のロスにもなり、更に沢山の弁護士がおり、それを利用する弁護士の活躍の場ともなっています。

    この労働法の改正、労働裁判所の廃止などを考えてほしい。

    それと、沢山の失業者がおり、治安悪化の要因にもなっていますが、この雇用対策として前から再々申しておりますが、労働集約的産業の育成、繊維産業もその一つになりますが、こう言う分野の産業にもっと雇用増大対策として注目してほしい。

    正式に労働手帳を所持している労働者は、先進国以上の過保護を受けていますが、それ以外の全体で半数と称されているアングラ労働者は、何の保護もなく非常に冷遇されています。これが治安、社会不安の要因でもあります。また一方、このアングラ労働者の正式な活用を行えば、ブラジル全体の労働コスト低減、ひいては国際競争力の向上にもなります。いま一部で論議されている資産課税も、世界有数と言われているブラジルの貧富の格差を縮小し、社会正義の高揚、購買力の拡大、ブラジルの大発展につながると思われ、是非こう言った改革に進んで欲しい。こう言った改革は今年にどうのと期待出来ませんが、確実に少しでも前進して欲しいと思っております。以上です。

    労働問題もブラジルコスト

    上原:いまの労働裁判に関しまして、食品部会で、非常に多く問題を抱え、裁判が月平均20件ある、という会員会社がおられまして、この辺が何とかならないだろうか、というお話しが出ていましたので、ご報告させて頂きます。

    三好:労働裁判だけで当行も100件以上あり、その引当金も相当額になっています。これは日系企業のみならず一種のブラジルコストであり機会ある毎にブラジルべきです。

    司会:ありがとうございます。渡辺領事、何かございますか。

    インフレ圧力の中心は公共料金

    渡辺:私が感じているのは政策の安定性です。例えば先日ブラジル政府の不法外国人労働者対策として、労働関係入国ビザ発給責任者が解任され、数ヵ月にわたり日本からの進出企業に赴任される方々のビザが降りませんでした。しかし私が知る限りでは、日本からのケースは労働者というより雇用する側の経営者に近い方々がこの問題で足止めされていたように感じました。また、物価について申しますと、政府が物価の安定を目指していうるにも拘わらず、このところのインフレ圧力の中心が公共料金であるところにブラジル経済政策の難しさを感じました。以上です。

    税制はもっと単純化せねば

    三好:阻害要因の一つに複雑な税制があります。税制をもっと単純化して、誰でも判る様な税制にした上で、キチンと徴収するという形をとるべきです。

    現在、国会でも審議されている様ですが、これを早急にやるべきでしょう。

    この議事録もポルトガル語に訳されて、ブラジル政府に行く訳ですから、日本商工会議所もこういう問題意識があるんだということを知らしめたい。

    司会:いきますよ! 「日本商工会議所もこういう問題意識があるんだ」ということで政府機関のところへ行きますし、機会あうるごとに問題提起していきたいと思っています。お待たせしました。赤嶺副委員長、お願いします。

    産業回復の阻害点は政治面にあり

    赤嶺:しんがりを勤めさせて頂きます。ちょうど6ヵ月くらい前になりますか、今年第1回目の部会長懇談会で、私は今回のレアルの切り下げという大変な試練がブラジルに“災い転じて福となす”というような結果に是非なって欲しいというふうに申し上げたことを記憶しておりますが、皆様方の本日のお話しをお伺いしておりますと、まだすっかり災い転じて福となしていないような印象を強く受けました。

    最も心配されていたインフレの爆発は、ひとまず回避され、また、予想されていた経済成長の落ち込みも左程ではなかったとは言うものの、もうひとつ懸案だった貿易収支と経常収支が容易に改善されていないので、めでたさも“半分程度かなあ”と、こんな感じを受けました。

    産業の健全な回復を阻害している要因については当面問題として2つあると私は思うんですが、まずひとつは鳴物入りで実施された政府系企業の民営化後の公共料金たとえば道路、電力、電話それから燃料、そういった当然下がるべきはずの公共サービス料金の値上がりが逆に激しいこと。これはいままで諸先輩の方々から、問題意識として出されましたあの悪名高いブラジルコストの更なる押し上げにつながるのではないか、というふうに私は心配しております。

    2番目に、しかし何といっても、この国で産業の健全な回復を阻害しているのは政治面にあると私は見ております。なかんずく、国会でFHC大統領を支える与党陣営の足並みが統一せず、三好会頭がついさっき指摘されました税制改革をはじめとする諸構造改革が棚上げにされたままにになっていること。それがすまない限り、健全な産業回復への道は開かないのではないかと、あるいはいくら希望的観測があっても仲々開けないのではないかと、こういうふうに思っております。以上です。

    司会:ありがとうございました。あと、玉川領事にまだ、ご発言いただいてないので、領事にお話して頂いた後、池田首席領事から講評、並びに、三好会頭から講評いただいて、終りたいと思います。

    税制・年金改革にもっと真剣に

    玉川:玉川と申します。初めてこの場に出席させて頂いております。3月の中旬にやって参りまして、ちょうど、日本を発つ前、ブラジルが一番すごい状態にあったので、非常に恐ろしいイメージを抱えてきました。そういう意味では着任後、だんだん落ち着きを取り戻しているのかな、とここにいるからこそ、分かる状況ではありますけれども、逆に言いますと、東京にいる方たちというのは、その当時のイメージをまだ引きずっておられる方もいて、そうしたものがまだ、完全には抜けきれてない状態なのかな、と思っております。

    一言、ということで、私事で恐縮なんですけれども、東京にいました時分、私は、内政関係、厚生省関係の仕事をやっておりまして、そうした立場からしますと、社会保険料なりなんなりが今、向こうでは企業での収益体制とかを考える時には、コストとして、まあ高齢化っていうのもあるのですけども、ものすごいセンシティブに、何とかしなきゃならない、という問題意識が非常に強いのに比べて、こちらのほうでは、これだけコストがかかっているにも拘わらず、非常におとなしいなあ、というのが正直な感想であります。

    確かに、外資の流入とか、そういう所に関しては機敏な対応を見せたということでありますけれども、税制改革とか年金改革とか、そうした、長期的に本当に取り組まなきゃならないものはどれだけやれるか、本気でこの国がちゃんと栄えていく用意をしていくのかどうかが、試されているのだと思います。

    これも私事で恐縮ですけども、戻ると、厚生労働省となってしまいまして、労働問題も勉強しなければならないと、思っておりまして、こちらの、世界でも非常にまれな労働関係とは思いますけれど、そうしたものについても十分勉強していきたいと思っております。そうした関係で、ブラジル側との間でも、いろいろと総領事館として出来ることを果たしていきたいと思いますので皆さんどうか宜しくお願いします。

    亜国との関係が頭痛のタネ

    司会:ありがとうございました。着任間もないのに非常に核心を突いた指摘を戴き、これから大いに玉川領事に期待していきたいと思います。宇治さん、何かご発言あるのですか?

    宇治:現在の関心事は、とにかく1%強のシェアで、どう生きて行くか。トヨタの実力を知ってもらって、いかに販売店に出資してもろうか、というところに埋没しております。

    当初の販売網の原型が、ベンツとの併売店であったために、現在、販売店強化上で、ディーラー保護法など面倒くさい関係があるんですよね。

    それとアルゼンチンとの関係が本当に悩みの種で、輸入価格を下げようとすると、ブラジル当局が行政指導に入り止めてしまう。アルゼンチンのほうへ高く売ろうとすると、あっちが止める、というのがカローラとハイラックスで見事に起こっております。

    それから日本製の輸入車については、日本の通産省に日本車の輸入を年末までに23%関税で入らないか、と頑張って頂いているんですけども、もういまや為替レートがR$1.8とかになったのでは入っても売れない、という状況です。

    ペソ切り下げあるのか?

    司会:ありがとうございます。最後に一言、田中部会長、山浦部会長、どちらでも、それからお二人、どちらでもいいんですが、アルゼンチンのペソの切り下げはあるんですか?

    田中:これは、あの、山浦さんのほうがご専門です。

    山浦:なんとも言い難いところがあるのですが、個人的には、選挙までは、ですから10月まで、揺れに揺れてそういう話題が出てくるだろうけれども、最終的には今の1対1をそのまま維持、という方向でいくのかなあと思ってはおります。

    ただ、最近のブラジルとアルゼンチン間の貿易戦争とかですね、色々、アルゼンチン側も疲弊しているのは確かなので、場合によっては新しい政権ができてほとぼりが冷めた頃に、何かをやる可能性もあるかなあとは思っております。

    司会:それから、為替はさっき年末1,78、といわれましたけれども、9月、10月に緩むという、今年の初めに9月にモラトリアムがあるだろうって云った方がいられたくらいなんですが、田中さん、いかがですか、その、為替が一時的に緩むとか、いう動きはあるんですか。

    予想に反してドル高

    田中:8月は、本来であればもっと安くならないといかんと思うんですね。というのは、外債の返済が非常に少ないわけです。今ちょっとはっきりした数字を覚えてないんですけども、3,4億か4,5億ドルくらいしかない。多い時は2,30億ありますからね。ただ、そういう意味ではもっと安くならんといかんわけですけれども、ご承知のように、昨日も上がったしですね、非常に高くなっていると。というのは、やっぱり他の要因だと思うんですね。1.80から1.85だから・・。

    司会:高くならなきゃいけないのが安くなっていると。そういうことですね。レアルのサイドから考えるとね。

    田中:そうそう。ドルがもっと下がらないといけないということですね。だから、そういう意味で、じゃあその原因が何かと言いますと、色々あると思うんですけれども、アメリカの情勢が非常に不安定だということもありますけれども、むしろ、あのブラジルの中の問題が、非常に大きいんではないかという感じがするわけですね。だから、そういう意味で、年末の為替の相場を見る場合はですね、非常に、まあ難しいということじゃないかと思いますね。

    司会:どうもありがとうございました。あと、何か言い忘れたとか、この際、議事録に残しておこうという方、いらっしゃいますか?

    ビザ問題で当局との接渉必要

    加藤:一つだけ申し上げたいのですが。運輸サービス部会でこの副題について話し合った時出された件です。

    経済が回復しますと雇用が拡大したり、事業が拡大されたりしますよね。そのため日本から技術者とか指導者を呼び寄せる必要が出てきまして、将来はこれらの人が貴重なブラジル人材となるわけです。ところが最近ブラジル外務省が発給する「研修ビザ」が廃止されてしまいましたので、我々企業側としては大変困っているところなんです.外務省のビザに変わって労働省が発給する「職業訓練ビザ」と言うものが出ているわけなんですが、実態としては、労働大臣は自国の雇用を確保するためになかなかこのビザを発給しようとはしないんですね。そのために各社とも、若手で、短期に研修にこようとする人材を呼ぶ事が出来なくなってしまったんです.

    自国の雇用を守るために「職業訓練ビザ」を出さないと言うのは、一時的には雇用を侵害されないと言う状況を作る事は出来るかもしれませんが、長い目でみたらブラジルの産業発展を阻害する要因になりますよと、言いたいんです。

    つまり、ブラジルを良く知る「ブラジル人材の確保」と言う観点からは明らかにマイナスなんです。アメリカの在伯商業会議所もこの点について同じ問題意識を持っていまして、「研修ビザの復活」を当局に対して、商業会議所として提起したと聞いています。出来れば日本商工会議所でも関係する会員のみなさんの意見を聞いて、それなりの措置をとって頂きたいと言うのが、運輸サービス部会からのお願いです。

    司会:当商工会議所の今月の常任理事会で、このビザの問題は取り上げて、アクション・プランを作る予定でございます。それでは池田首席領事から、講評を5分くらい頂いて、それから、三好会頭から同じく5分頂いて終りにしたいと思います。

    講評

    コロニア、進出企業、政府機関を3本の矢として

    池田: 講評という程のことではありませんが、皆様のお話しを伺っておりまして、私自身も、いろいろ感ずることがあり、今日は本当に勉強になりました。

    私の個人的な事を申し上げれば、今回、日本において、最後のポストは外務省の技術協力課で、JICAの事業を担当しておりました。そんな関係で、特にアジアのほうに出張する機会が多かったわけです。アジア危機が発生し、日本政府としては、アジアを支援していくのは、日本の経済にとっても重要なことであることから、非常に厳しい財政状況下、補正予算まで組んで経済協力、技術協力を実施してきました。

    そういうことをやってきた中で、自分が感じたのは、日本にとって、アジアというのは人種的・文化的に極めて近いといったことから、アジアにまた戻っていくというのは、自然の流れである旨の発言が先ほどあったとは思うんですけれども、私自身、個人的にアジアのほうとコンタクトをとってみて、実感としてそれが感じられるのは、今まで自分がやってきたことを思い比べて、残念ですが、まあ仕方がないのかな、という思いが致します。

    しかし、ブラジルという国は日本と地理的に遠い国ですが、やはり今までの歴史を考えれば日本の移住者の方々が、たくさん来られているということもございますし、これだけたくさんの企業の方もいらっしゃってる、あるいは、日本政府としてもですね、対ブラジルの経済協力は中南米ではやっぱりナンバーワンだと、それだけのものをやって来ているわけです。

    それから、ブラジルの天然資源であるとか、食糧とか、そういった事を考えますと、まだまだこの日伯関係というのは、本来のもてる潜在能力には達していないんではないかと。まだまだ、やり得ることが、あるのではないかというふうに、思うわけです。

    そこで今後、日伯経済関係を活性化させるためには、どうしたらいいかです。難しいことでございますが、今ご提言のあったビザの問題、労働裁判の問題、そういった課題を一つ一つ、然るべき場において取り上げていって、ブラジル側に対して改善を要望していくという地道な努力というのが必要なのではないかと、いうふうに思います。

    皆様方の経済活動を日本政府として、側面的に支援していくということは非常に重要だと思いますから、そうした皆様方のご要望を踏まえてですね、ブラジル側にしかるべく提言をしていく事が大切であると思います。

    それから、堀村前総領事の受け売りですが、&127;ブラジルにある日系のコロニア、進出企業、それから、我々政府、あるいは政府関係機関、これをいわば3本の矢としますと、この3本の矢が、もっと団結をするということがブラジルにおける日本の力を高めることになると思いますし、ひいては日伯関係の増進にもつながるというふうに思います。

    日系社会にはすぐれた人材、能力を持っている方々、たくさんいらっしゃると思います。そういった方々の活用といったことも今後さらに重要となるというふうに思います。

    まあ、以上が今日、いろいろお話を伺わせて頂いた中で感じたことであり、自分自身の、大きな課題としてですね、今認識しているところでございます。

    講評

    阻害要因、今後もいい続ける事

    三好:各産業部会の皆様には、お忙しい中、上手くまとめていただき有難うございました。前回の会合は2月に行ないましたが、為替の切り下げ直後ということもあり、ほとんど暗いニュースばかりでしたが、今回は多少落着いて来たこともあり、下期に向い回復に向かう分野が増えて来たという感じを受けました。

    各企業が今後発展していくためにはやはり、ブラジル経済が安定しなくてはなりませんが、当面は政治面の安定が必要と思います。

    さき程からお話の出た阻害要因については当商工会議所として、機会あるごとにブラジル側に言い続けることが大事と思います。

    本日は総領事館の皆様にもご参加いただき本当に有難うございました。

    司会:それではこれで終ります。どうもありがとうございました。お疲れ様でした。

  • 事業報告

    〔7月21日~8月5日〕

    『主要会議』

    -監事会-

    7月29日 定例会議「1999年第2四半期会計監査(於:当所会議室)

    『委員会活動』

    8月5日 渉外広報委員会定例会議 (近藤委員長、於:当所会議室)

    8月5日 日伯法律委員会定例会議 (田中委員長、於:当所会議室)

    『業種別部会活動』

    7月22日 電気電子部会第1分会会合(喜多川分会長、 於:当所会議室)

    7月23日 食品部会会合(上原部会長、 於:当所会議室)

    7月23日 電気電子部会第2分会会合(鈴木分会長、於:当所会議室)

    7月26日 金融部会会合(山浦部会長、 於:当所会議室)

    7月27日 電気電子部会第3分会会合(出石分会長、於:当所会議室)

    7月28日 電気電子部会会合(江口部会長、於:当所会議室)

    8月 3日 コンサルタント部会会合 (田中部会長、於:当所会議室)

    『通常活動』

    -関係団体主宰行事への参加-

    7月28日 コロニア諸団体共催「堀村隆彦総領事歓送会」
    (三好会頭他会員企業50社参加、於:ブラジル日本文化協会貴賓室)

    -来訪者応対-

    7月21日 MÁRIO HIROSE氏 (SMART LINK EVENTOS)他2名

    7月21日 HOMERO SEBUSIANI氏 (EXPERTISE)

    7月30日 トレイニー3名(米国商工会議所)

    8月 2日 RUDAH PIRAJÁ FILHO氏(SÃO JOÃO DA BOA VISTA市役所)他

    8月 2日 JORGE MATSUDA氏 (ALVARES MACHADO市)

     

    〔8月6日~8月20日〕

    『主要会議』

    -常任理事会-

    8月13日 定例会議(於:シーザーパークホテル)

     

    『行事』

    -特別行事-

    8月 9日 ブラジル外務省アジア局長 エドムンド ススム フジタ氏との懇談会

    (三好会頭、太田、近藤両副会頭出席、於:レストラン サントリー)

    8月10日 在伯日本国大使鈴木勝也氏 との懇談会(当所常任理事出席、於:レストラン ル コック ハーディ-)

     

    -通常行事-

    「懇親会」

    8月13日 8月定例昼食会 ゲスト「アントニオ セルジオ マルチンス メロ氏(SUFRAMA長官)テーマ「SUFRAMA- 現状と展望及び投資機会」(於:シーザーパークホテル)

     

    『委員会活動』

    8月6日 総務委員会主催「業種別部会長懇談会」
    テーマ主題「ブラジル経済1999年上期の回顧と下期の展望」副題

    「経済の回復に伴う各産業の伸長を阻害するもの」( 岡田委員長、於:当所会議室) 8月12 日 日伯経済交流促進委員会/

    FIESP第2回合同委員会  テーマ 「ブラジルよりの対日輸出の拡大のための諸 方策」(池田首席領事、当所常任理事他出 席、於:FIESP会議室)

    8月19日~22日 相互啓発委員会主催 1999年度視察旅行
    (場所:バイア州 サンタクルス カブラリア、ポルトセグーロ、サルバドール、カマサリ工業団地(OXITENO社工場)(45名参加、岡田委員長)

     

    『通常活動』

    -来訪者応対-

    8月18日 トシヒロ ヨシダ氏 (サン ジョゼ ドス カンポス市経済開発局企画部長)他1名

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2020/03/04 » 2020年上期の業種別部会長シンポジウム
2019/08/22 » 2019年下期の業種別部会長シンポジウム
2019/02/28 » 2019年上期の業種別部会長シンポジウム
2018/08/23 » 2018年下期の業種別部会長シンポジウム
2018/03/01 » 2018年上期の業種別部会長シンポジウム
2017/08/24 » 2017年下期の業種別部会長シンポジウム
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