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業種別部会長シンポジウム

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2017年上期の業種別部会長シンポジウム 2017/02/23

Pdf2017年上期の業種別部会長シンポジュームプログラム

テーマ:「2016年の回顧と2017年の展望」
副題: 『景気回復に向けて、いま為すべきことは?』
日時:   2017年2月23 日(木)
13時~18時 シンポジューム(途中コーヒーブレイクが入ります)
18時~19時 懇親会(カクテルパーティー)
会 場: ホテル インターコンチネンタル
(Hotel Intercontinental São Paulo , Alameda Santos, 1123 – Tel.: (11) 3179-2600 Sala Di Cavalcanti )

Pdf金融部会    
Pdf貿易部会
Pdf機械金属部会    
Pdf自動車部会
Pdfコンサルタント部会    
Pdf化学品部会
Pdf電気電子部会     
Pdf食品部会     
Pdf運輸サービス部会  
Pdf建設不動産部会     
Pdf繊維部会    
Pdf全プレゼンテーション

            
           2017 年上期業種別部会長シンポジュームの録音記事掲載

  • 前半司会    大久保敦 企画戦略委員長


                                           

                          

     

      そろそろ開始時間になりましたので、これより2017年上期業種別部会長シンポジウムを開催いたします。プログラムの予定とちょっと変わりまして、私、前半の部の司会を担当いたします企画戦略委員長のジェトロの大久保でございます。よろしくお願いいたします。後半は小池総務委員長の方にバトンタッチをしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

     それではシンポジウム開会にあたりまして、松永会頭よりご挨拶をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

     

  • 開会挨拶     松永愛一郎 会頭

     

                                                

     

     

                             
     皆さん、こんにちは。会頭の松永です。本日はお忙しい中、2017年度上期業種別シンポジウムに皆様お越しいただいて大変ありがとうございます。本日は大使館から小林参事官がお越しいただき、この後半戦にはですね、中前総領事もお越しいただけるということになっております。お二人からは最後にご講評をいただきますので、何卒よろしくお願いします。

     業種別シンポジウムですが、半年に1回開催をしております。カマラの活動の中でも最も重要な活動の一つというふうに位置づけられております。

     現在11の分科会がございまして、このそれぞれの部会が本日のために、それぞれの業種であったり、経済分析を行い、また活発な意見交換をして、本日のプレゼン資料を取りまとめております。このプレゼン資料は皆様のみならず、外部の一般の方にも公表することにしております。

     長年このブラジルで色々事業をなさった会員の皆様の、非常に貴重な情報も含まれておりますので、今後の皆様の企業活動にぜひともご参考いただければというふうに考えております。

     また、本日の副題として、「景気回復に向けて、いま為すべきことは?」ということを副題として掲げております。

     まさにブラジルの2016年度は激動の年であったと言っても過言ではないと思います。リオデジャネイロ・オリンピックの成功といった明るいニュースはありますが、大半は、大統領の弾劾であったり、底の見えない経済リセッション、あるいは政財界を激震させた大型の汚職の捜査といったような、かなりネガティブなニュース、これが満載でした。

     しかしながら、昨年の後半成立したテメル政権は、経済再生を第一義に掲げて様々な手を打ってきました。それも奏功しまして、やっと最近になってですね、インフレの鎮静化、あるいは金利の下方修正、また経済指標についても好転をしているといった明るいニュースも入るようになってきております。

     まさにこの潮目の変わり目において、我々会員企業は何をすべきか、そういうことがですね、本日のシンポジウムの中にも色々ヒントが隠されていると思います。ですので、皆様最後までご清聴いただければというふうに思っております。

     最後になりますが、本日のシンポジウムに向けて色々資料をまとめたり、色んな援助をしてくださった関係者の皆様に私の方から御礼を申し上げ、私の開会の挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。

     

    司会

     松永会頭、どうもありがとうございました。それでは早速各部会の発表に移りたいと思います。何かと行き届かぬ所が出てくるかと思いますけれども、タイムキープも含めてですね、皆様のご協力をお願いできればと思います。

     先ほど会頭から話がございましたけれども、今回の副題は「景気回復に向けて、いま為すべきことは?」です。前回はですね、「どん底の時期ならではの戦略は 課題整理と対処方策」ということがテーマでしたが、各部会からですね、中々厳しい景況感、じっと耐え忍ぶ会員企業の皆様の状況が明らかになっております。

     今回は、皆様のおそらく最も関心の高いであろうブラジルの景気回復の動きと、その見通しをですね、各部会から可能な限り報告いただきまして、各業界が今でき得る取組み課題ですね、こちらを明らかにしたいと考えております。

     さらに、カマラの活動、ブラジル、日本政府への要望も各部会に議論をいただくようにお願いしました。各部会で活発に議論いただきまして、ありがとうございます。

     それでは、各部会長、もしくは副部会長から発表をいただきます。皆様も大変関心の高いテーマだと思います。発表者の方がですね、少々熱が入って時間オーバーする可能性がございますので、その際は私の方から少し合図をさせていただきますので、ぜひともご協力をお願いいたします。

     それではまず始めに、金融部会の大谷部会長より発表をお願いしたいと思います。大谷様、よろしくお願いいたします。

     

  • 金融部会    大谷隆明 部会長


                                               

     

     

                            

     皆さん、こんにちは。今年より金融部会長を務めさせていただきます、三井住友銀行の大谷でございます。どうぞよろしくお願いいたします。恒例によりまして、まずは金融部会より、ブラジル経済動向、銀行業界動向、また保険業界動向に関して発表させていただきます。

     なお、資料で使っております市場の各指数は日々変化いたしますので、本日の資料では便宜的に2月17日時点という体裁をとっております。ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。それでは、最初のスライドをご覧ください。

     ここでは2016年の主なトピックスを4つお示ししております。

     まずはペトロブラス社を巡る汚職捜査の進展です。2014年3月に捜査がスタートして以降、2016年末までその捜査は第37ステージまで進展しております。現在、オデブレヒトグループの司法取引による供述内容に注目が集まっております。その内容次第ではテーメル政権に甚大な影響を与える可能性があります。

     二つ目はブラジルのソブリン格付についてです。政治的混乱に伴う財政再建の遅れ等に対する懸念から、格付機関はブラジルのソブリン格付を軒並み「投機的水準」に引き下げました。ただし、政治的混乱に一服感がある現在、各格付機関はアウトルックの見直しを検討し始めております。

     三つ目は、先ほど会頭からもお話がありましたように、2015年12月から始まりました大統領弾劾、およびテーメル政権成立です。昨年8月末、下院、上院とも圧倒的賛成多数でルセフ大統領の弾劾が成立し、その結果、副大統領であるテーメル氏が正大統領に就任しました。

     しかしながら、テーメル氏は国民の負託を受けて誕生した大統領ではなく、また贈収賄等の面で若干後ろ暗い点があることから、国民からの支持率は10%程度と非常に低い状態が続いております。ただし、調整型政治家であるテーメル大統領の高い議会運営能力や、優秀な政権メンバーの存在により、歳出上限法、景気刺激策といった新しい施策を打ち出すことに成功しており、史上センチメントは大幅に改善しております。

     四つ目は8月に開催されましたリオデジャネイロ・オリンピックです。南米初の夏季オリンピックは準備遅延、ジカ熱、リオ・デ・ジャネイロ州の財政危機等の諸問題で非常に心配されましたが、予想外に成功裏に終了しました。

     次のスライドは2012年以降の主要経済項目推移についてお示ししています。簡単にご説明申し上げます。

     まずGDP成長率ですが、2016年はマイナス3.5%という見込みでありまして、2015年に続いて2年連続のマイナス成長になりそうです。一方、今年は、現在推進している金融緩和策や、昨年12月に発表されましたFGTS、勤続年数保証基金の給付資格発生前の引出し許容等の景気刺激策によりまして、0.5%のプラス成長となる見込みです。

     貿易収支は2014年に2000年以降初の赤字を記録しましたが、2015年、2016年は国内経済低迷による内需停滞、それに伴う低調な輸入を主要因としまして、貿易黒字を確保しております。なお、今年につきましても、コモディティ価格の復調により、昨年と同程度の黒字を確保する見込みです。

     株価につきましては、景気低迷、政治的混乱を背景に、2012年から15年まで4年連続で前年末終値割れを記録しました。このトレンドは2016年の初めまで続きまして、2016年1月には終値37497ポイントまで低下。しかし、当時労働者党と連立政権を組んでいたブラジル民主運動党が連立離脱を決定して以降、ルセフ大統領の弾劾可能性が高まったと好感し、株価は上昇に転じまして、2016年10月には2012年3月以来の64000ポイント台まで回復しました。

     11月の米国大統領選におきまして、市場予想に反しましてトランプ氏が勝利したことから、先行き不透明感が高まったとして、2016年終値は60227ポイントとなりました。

     次に政策金利とインフレについてです。2012年以降、インフレ圧力は食料価格や人件費の上昇を背景に強まってまいりました。当時、2014年の大統領選を控えていたルセフ大統領は、これ以上のインフレを看過できないとして、電気料金やガソリン価格等の政府が価格決定できる財について市場とは乖離した形で価格を統制しました。これによりまして2014年のインフレ率を、ターゲットレンジをかろうじて下回る水準に抑え込むことができました。

     しかしながら、これらの抑制は、電力公社や石油公社の業績に大きくマイナス影響を与えたため、2015年からは政府は介入を控え、その結果、前年対比大きな反動となり、インフレ率は2015年末時点で前年比10.67%と二桁台に突入してしまいました。

     これらの一連の過程におきまして、ハイパーインフレのトラウマを持つ政策決定者は金融引き締め策を志向し、政策金利を14.25%まで引き上げました。

     2016年に入りまして、食料価格の安定、エネルギー価格の安定により、年後半以降インフレ上昇圧力は次第におさまり、結果として2016年は6.29とインフレターゲットレンジ上限を下回りました。これに合わせ、政策金利も10月以降2回にわたり引き下げられ、13.75%となりました。

     2017年につきましても、インフレ圧力は小康状態でありまして、4.5%未満になるとの予測でして、政策金利も9.5%と一桁台になるとの予測です。

     それでは個別に見ていきたいと思います。

     このスライドは四半期ごとのGDP成長率および鉱工業生産推移をお示ししておりまして、棒グラフがGDP成長率を、折れ線グラフが鉱工業生産をお示ししております。

     2016年第3四半期のGDP成長率は前年同期比2.87%と10期連続のマイナス成長ではありますが、そのマイナス幅は縮小しております。

     鉱工業生産につきましても、前年同期比4.6%と12期連続のマイナス成長ですが、GDP成長率同様マイナス幅は縮小に転じております。

     次のスライドはGDP成長率推移です。2015年、2016年と2年連続のマイナス成長ですが、2017年以降はセンチメントの改善や現政権の政策によりプラス成長となる見込みです。

     次のスライドは財政収支についてお示ししております。2013年までは黒字を維持しておりましたが、2014年の景気鈍化以降歳入が伸び悩む一方、歳出がふくらみ、赤字に転じております。テーメル現政権は歳出上限法や年金改革を通じまして、歳出抑制を図り、財政規律の回復に努めております。

     次のスライドは対米ドルのレアル相場推移をお示ししています。2002年の大統領選の過程におきまして、当時急進的な左派勢力であった労働者党のルーラ氏が勝利する可能性が高まり、市場は急激なレアル売りを進めました。その結果、一時的に1ドル=4レアルを突破する事態となりました。しかしその後、ルーラ氏は大統領就任後、市場の予想に反し、前任大統領カルドーゾ氏の政策を引き継ぎ、財政規律と所得格差是正のバランスを重視した穏健な姿勢を示したため、次第にレアルは落ち着きを取り戻しました。

     以降、中国の成長に伴うコモディティバブルの恩恵を受けて、資源国であるブラジル通貨は買われ続けてきました。リーマンショック付近でいったんは売られましたが、内需刺激策推進により先進国に先駆け成長軌道に戻ったこともあり、2011年7月には対ドルで1.5391レアルの最高値を記録しました。

     2011年後半からは徐々にレアル安が進展しました。資源価格の下落による資源国通貨売り、国内景気減速、政治的混乱等により、2015年後半にはそのトレンドは加速しました。2015年9月には4.2レアル台に突入し、2002年以来のレアル安更新となりました。

     2015年後半から2016年2月ごろについては一進一退の状態となりましたが、先ほど申し上げました通り、16年2月にブラジル民主運動党が連立を離脱するという話が出てから、ルセフ大統領弾劾の可能性が高まりまして、急速にレアル高が進展しました。

     その後、ルセフ大統領停職、テーメル暫定政権の発足、ルセフ大統領弾劾成立、テーメル新政権発足という一連の政治イベントが、ブラジルの先行き不透明感を払しょくしたとして、市場はさらに好感しました。

     11月の米国大統領選結果により、一瞬揺り戻しがありましたが、テーメル政権の政策に対する信任は高く、2016年末は3.2552、昨日時点では節目である3.1レアルを割る3.06レアルまでレアル高が進展しております。

     続きまして、次のスライドは対円のレアル相場推移をお示ししております。

     対円のレアル相場は2016年2月時点に、いったん1レアル=28円までレアル安が進みましたが、ブラジルに対するセンチメント改善および対ドル円相場が円安に進んでいることもありまして、昨日時点では1レアル=36円後半までレアル高が進展しております。ドル・レアル相場は激しく乱高下しておりますが、円・レアル相場は比較的落ち着いておりまして、またレアルの最高値、最安値のタイミングもドルとはずれております。

     次のスライドはBOVESPA市場推移をお示ししております。ブラジルに対する投資家センチメントは改善し、昨日時点では68590ポイントまで高くなっております。

     次のスライドは、政策金利とインフレ率の推移をお示ししております。政策金利の推移は実線でお示ししており、2015年7月に14.25に引き上げられて以降、2016年10月まで15カ月間にわたり同水準を維持してきました。

     一方、点線でお示ししておりますインフレ率が2016年後半にかけて沈静化してきたことを受けまして、政策金利は2016年10月に0.25%、11月にも0.25%引き下げられ、2016年末の政策金利は13.75%になりました。

     このインフレ鎮静化を背景に、現在ブラジルの中央銀行はインフレ退治から景気刺激策に舵を切りつつありまして、2017年、今年の1月11日に0.75%、昨日にはさらに0.75%の切り下げを行い、政策金利は現在12.25%と大胆な金融緩和策に転じております。

     次のスライドはブラジルの中央銀行が発表しております外国直接投資推移です。景気低迷の局面ながらも、外国直接投資は比較的安定推移をしております。2017年も変わらない水準を維持するものとみられております。

     次のスライドは失業率をお示ししております。昨今の景気低迷を受けまして、企業の雇用調整局面は継続しておりまして、昨年12月は12.0%まで上昇しました。この数値は今年第2四半期に12.6から12.8%でピークを迎えるだろうと思います。

     さて、次のスライドでは金融部会所属の各銀行に回答いただきました、2017年、18年の予測について、予想最大値と最小値というレンジで表記をいたしました。なお、2月10日を回答期限に集計したものでございますので、その後の材料は織り込まれていないことをご了承ください。

     まず、2017年、18年のGDP成長率ですが、それぞれ0.5%~1%、1%~4%とみております。いずれも、Focusという100以上のブラジル金融機関の予測をブラジル中央銀行が取りまとめた企業トレンドと同様に、17年は小幅な成長にとどまり、18年からはいよいよ本格的に経済回復を実感できる水準に転じるものとみております。

     インフレ率は、2017年、4.5~4.8%、2018年、4%~5%と、概ねターゲットレンジの内側におさまるものとみております。

     為替レートは、2017年、3.1~3.4レアル、2018年は3.2~3.5レアルとみております。

     年末の政策金利につきましては、17年につきましては9.5~9.75%とみており、市場の見方同様、17年中に金融緩和はさらに進み、水準は一桁台になると考えております。

     続きまして、次のスライドをご覧ください。このスライドは各行の今後の見方についてコメントをサマリーしたものでございます。まず、ブラジル経済はいつ回復に転じるのか?、その契機となるものは何か?についてですが、ブラジル経済の回復は、まあ色々意見がありますが、ベースシナリオとしては、2017年、今年の第3四半期以降になると思います。

     テーメル政権の政策に対する市場の信任も高く、政治的混乱も一服したことによりまして、先行き不透明感が払拭されております。また、現在進められている政策金利引き下げや、為替の安定が、今年第3四半期以降には企業投資の増加や個人消費の活性化という形になって現れてくるものと思います。

     次に、経済回復を見据えて、今、我々日系企業が行うべきことは何か?についてですが、景気回復とともに攻めの経営を行うべく、中長期ビジネスプランの策定をすべきだと思います。投資・資金計画を練り、優秀な人材を確保すると同時に、リストラ・経費削減を推し進め、攻守両面にわたる綿密かつ地に足の着いた計画を立てることが重要だと思います。

     また、ブラジルにおける中長期ビジネスプランを遂行するためには、本社のサポート、コミットメントが不可欠でありまして、そのためにはブラジルに関する様々な情報を本社あてにタイムリーに提供することが重要だと思います。

     我々金融部会は、政治経済情勢やマーケット情報の提供等で皆様のお手伝いをさせていただきたいと思います。

     最後に第3項目目の、アメリカ新大統領トランプ氏の政策がブラジルに与える影響はあるのか?それはどのようなものなのか?についてですが、現状を踏まえますと、直接的な影響は限定的と思います。ブラジルの米国依存度は低い一方、トランプ氏の政策スコープにはブラジルが入っていないこと。また、世界が心配する米国の保護主義政策も、幸か不幸かブラジルはそもそも閉鎖的な市場であること等を踏まえますと、あまり心配するような影響はないのではないかと思います。

     続きまして、2016年の銀行業界についてご説明いたします。

     最初に貸出残高推移についてです。2011年以降毎年二桁ペースで増加していた融資残高合計は、2015年には6.7%と一桁の伸び、2016年にいたってはマイナス3.5%となりました。

     2016年の貸出状況は、個人向け貸出はかろうじて微増いたしましたが、邦人向け貸出は全部門において減少しました。これは経済の減速、ペトロブラス社汚職問題等を背景とした大手ゼネコン、造船会社の倒産等により、金融機関が保守的な与信運営を行ったことや、景気低迷による企業の資金ニーズの低下等を要因としたものと考えます。

     次のスライドは、業界全体における平均貸出利鞘の推移になります。2015年以降上昇トレンド、すなわち金利引き上げが行われております。これは昨今の保守的な貸出姿勢を示すものと考えます。

     次のスライドは不良債権比率についてです。これらのグラフは90日超の延滞債権の推移をお示ししております。2015年以降、金融機関の保守的な与信方針や失業によりまして、延滞債権が増加してきました。2016年については、貸出抑制、借入ニーズの低下等により、不良債権は改善傾向にあります。

     銀行業界としては、しばらく保守的な運営が続くものと考えられます。ただし、収益性や財務基盤は非常に堅固であるため、引き続き銀行業界は堅調に推移するものと考えております。

     最後に、2016年の保険業界についてご説明させていただきます。

     このスライドは保険料収入推移をお示ししております。保険監督庁の統計データによりますと、2016年1~11月までの累計の保険料収入の伸び率は前年同期比で0.9%にとどまりました。二桁成長が続いておりました2010年~2014年に比較いたしますと、2015年に続き2016年も、経済が低迷する中、保険マーケットの成長に大きくブレーキがかかっていると言えます。

     次のスライドは、保険種目別の保険料収入をお示ししております。全種目とも成長が鈍化している中、自動車保険について新車販売不振が大きく影響し、前年同期比マイナス成長を余儀なくされています。また、生命保険、傷害保険も失業率の増大に伴って伸び悩んでいるのが実情です。

     次は保険種目別の損害率のデータをお示ししております。全体としては2016年1~11月累計で損害率は48.2%に達し、前年同期比2ポイント悪化しております。特に運送保険、自動車保険の損害率悪化が顕著となっておりますが、景気低迷による治安悪化を背景に、運送貨物の盗難や、自動車車両や部品の盗難といった事案の増大が少なからず影響しているものと考えられます。

     最後に今後の保険市場の成長見通しについてご説明いたします。2016年のブラジル保険市場の成長は、損害保険、生命保険ともに名目1%程度の成長に留まったと見込まれておりまして、インフレ率を加味した実質成長見通しでは大幅なマイナスとなっております。

     2017年以降、ブラジル経済の先行きには薄日が差しているようにも見えますが、実体経済回復の足取りは重い中、ブラジルの保険業界をめぐる目先の環境は引き続き厳しいものと予想されております。

     しかしながら、中長期的には、社会構造の変革に伴いまして、ブラジルにおける保険商品に対する一般的ニーズは間違いなく高まると思われておりますので、かかる将来的な需要の発掘に向けて現時点から準備を進めていくことが肝要かと思います。

     以上で金融部会の発表を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。

    司会

     大谷部会長どうもありがとうございました。ちょっと関心の高い分野でもございますので、ただ今の発表につきましてご質問のある方、挙手をお願いできますでしょうか。いかがでしょうか。はい、どうぞ。

    質問者

     為替について質問させていただきたいと思います。もう一つは先ほどのスライドにあった外国の直接投資の点で。為替についてはですね、今レアルは対円ベースで非常に、円に対してだんだんじり高の状態になっていると思います。

     それについて、色々客観的に言われているのは、先ほど仰られたようなテーメルの歳出制限法とか、年金改革とか、そういうものが功を奏しているような話を言われているんですけども、それは非常に期待度をマーケットが持っているということなんだろうと思いますけど、ではこのじり高がですね、いつまで続くのか、本質的要因はどういうふうに考えられるのかとか、あと先ほどのグラフを拝見させていただきますと、じり高の後急激に下がるという、こういう傾向がブラジルの通貨に対してはあるように思います。

     そこら辺を勘案して、実際今後どうなるのかと。一人事務所で、円ベースでお金をいただいているので、3月決算時期、またレアルが上がると実質値段が下がってしまうことがあるので、その点でちょっと関心を持っていることです。

     もう一つは外国直接投資の関係ですけど、先ほどのスライドでまあ安定的なようなお話をされたと思います。それほど変わっていないと。最後の方のところですね。でも日本企業を見るに、どんどん帰っている駐在員、私も顔の見える駐在員もどんどん帰って行ったり、少なくとも日本は投資をやっていないと。

     代わりにだからどこかの国がやっているという形になると思っているんですが、中国とかありますけど、そこのような代わりにやっているところはどういう視点でどういう目的でやっているのかということを推測できるようでしたら、個人的で結構ですので、ご教示いただきたいと思います。2点で、以上お願いいたします。

    大谷部会長

     ご質問ありがとうございます。まず為替の動きですが、ブラジルの為替は非常に思惑で動くんですね。だいたい市場と、スポット取引と先物取引とあるんですけども、通常でしたら、普通のマーケットでしたら大体6対4のところがですね、このブラジルの通貨に関しては1対10の割合でですね、先物のボリュームが非常に多いんです。

     ブラジルの通貨といいますと、皆さん為替する時に中銀に登録するということで、regulated carrencyだと思われがちですが、実は先物につきましては、シカゴのマーカンタイル市場を通じましてBM&Fとつながっておりまして、そこから先の取引ができるんですね。だいたいボリュームが1対10ぐらいですので、先物の参加者というと大体、昨年のデータで46%がオフショアの参加者というふうになっています。これがですね、思惑でばーっと投機したりするもんですから、はっきり言ってですね、良くわかりません、動きは。

     ブラジル、まあいま経済良くなる良くなるという期待感はありますけど、実体経済はよくなっていないですよね。そんな中でなんで為替はこんなに強くなるんだろう、というのはですね、外からの投資家が、テーメル政権がいろんな政策に取り組んでいると、そういうのを基に、これはブラジルよくなるんじゃないかという思惑でダーッと買っているもんですから、これが大きな動きを呼んでいるんですね。

     これは本当にブラジル独特の特徴でございまして、大体6対4のところが1対10で先物が10倍ぐらいあるというところですので、はっきり言ってですね、ブラジルの為替を予測するのは非常に難しいです。こんなこと言ったら身もふたもありませんけども、大体各銀行さん色んな、ブラジルの銀行含めまして、為替セミナーやっていますけど、大体為替の予想というのは外れています。これは難しいんです。

     で、皆さん、予想を聞きますと、オフィシャルなコメントが大体返ってきます。大体現状より0.2~0.3ぐらい安くなるという予想ですね。これは単に金利差のアービトラージで、セオリーに基づいてコメントしているだけですので、実際のところはよくわかりません。その時々の状況でころころ変わるというのが本当だと思います。ですから、ぜひ、皆さんにはですね、お取引先の銀行のディーラーに声をかけていただいてですね、本当に彼らが皮膚感覚で感じている相場を聞いていただいたらいいのではないかと思います。大体、正面切って銀行に聞きますと、銀行はオフィシャルのコメントを返すというのが普通でございます。

     それから、外国直接投資ですけども、まあ確かに日本からの大きな投資というのは減っていますけども、実際10億とか20億ぐらいのですね、小さな投資というのは、小さなM&Aというのはたくさんありまして、件数的には決して減っていないんじゃないかという気がしております。それと、金額的に大きいのはやはり、まあ統計で中々出てこないんですけども、中国が大きいのではないかと思います。

     あとは、やはりブラジルというのは、まあアジアが日本の裏庭と言ったらアジアに失礼かもしれませんが、第一投資目標地域としますと、やはりヨーロッパにとっては裏庭といいますか、最初に投資するべきところというのはやはりブラジルなんじゃないかなと思っておりまして、そういった意味で、今のような状況でも、ブラジルに対する投資熱といいますか、直接投資額は衰えていないのではないかと思います。

    司会

     どうもありがとうございました。大変貴重なコメントをいただきましてありがとうございます。ちょっと時間がオーバーしておりますので、これで金融部会の発表から今度は貿易部会の発表に移りたいと思います。どうもありがとうございました。

     

     それでは、貿易部会の今井部会長より発表をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

     

  • 貿易部会     今井重利 部会長


                                                    

     

     

                            
     皆さん、こんにちは。ただ今ご紹介にあがりました、貿易部会、伊藤忠の今井でございます。本日はよろしくお願いします。

     私は昨年に続きまして、今年も貿易部会を担当させていただきます。今日の私の説明は、貿易部会ということなので、貿易収支を中心に説明をさせていただきます。よろしくお願いします。それでは次のスライドをお願いします。

     このグラフは、縦棒が、左側、青が半期ごとの輸出。右の縦棒の緑が半期ごとの輸入。目盛は左側です。右側が、目盛が貿易収支で、これは折れ線グラフが表しております。下の方にですね、横に赤い棒がありますけど、これが貿易収支ゼロのところでございます。

     このグラフで申し上げたいことは3点ございまして、一つは右側のこの貿易収支のグラフの折れ線なんですけども、見ていただくと、2000年からずっと黒字でございまして、これが段々黒字幅が下がってくるんですけども、14年のここまでは黒字で、14年にこれが赤字になりまして、39億ドルの通年で赤字になりました。

     その後ですね、また黒字がどんどんいきまして、15年が年間で197億ドルの黒字、16年が477億ドルの黒字と。ということで、まあ残念ですけど、ブラジルの内需の低迷に比例しまして貿易収支の黒字幅がどんどん広がっているというのが1点目でございます。

     二つ目はこの棒グラフの絶対値なんですが、例えばこの一番高い所、これが2011年の下期でございますが、輸出が1380億ドル前後ございました。輸入が1200億ドル前後でした。これが段々下がっていきまして、16年の下半期は輸出が950億ドル、輸入が710億ドルということで、このピークの11年の下期から5年間で約4割ダウンになりました。全体で4割貿易の総量が減りましたというのが二つ目のポイントでございます。

     三つ目はもう少し、過去2年ぐらいの輸出と輸入を見ますと、輸出はですね、大体900億ドルぐらいで、半期ごとに見ても意外と横ばいになっています。ところが、この輸入の方を見ると、やはり過去2年、半期ごとにやはり基本的には下がっていっていますと。ということで、2年前は半期900億ドル台だったのが、先ほど申しましたけど、直近の16年下期は710億ドルということで、要はですね、輸出は横ばい、輸入は下がっているということで、やはりこれは内需の深刻さが窺われるなという貿易結果になっております。

     次のスライドから輸出、輸入に分けて少しご説明をさせていただきます。

     これは輸出の主要商品別ということでございまして、まず一番下の合計のところからいきますと、これは金額と数量とございますが、数量はプラスの1.2%で増えていますと。ただ金額ベースにしますとマイナス3.1%で減っているというのが現状でございます。

     少しアイテムごとに見てみますと、一次産品と半製品と工業製品と三つに分けているんですけども、例えば一次産品はですね、基本的には大豆以外は数量が伸びている。大豆はですね、統計的には北米産の大豆に輸出は売り負けているんじゃないかというような現象になっています。ただ、金額的には商品相場の下げということで金額は下がっているということでございます。

     半製品の方はですね、まあ若干減っているアイテムもございますけど、基本的には数量増ということで頑張っているということでございます。ただ、価格はですね、かなりアイテムによって違っているなと思っていまして。例えば、粗糖は価格もそんなに落ちていない、若干上がっているぐらい。ただ、木材・パルプはかなり価格が下がっているという状況です。逆に鉄鋼製品は、数量がマイナスでもですね、価格がかなり上がっていることでプラスになっているというような状況でございます。

     工業製品につきましては、基本的には輸出を頑張っているということで、基本的には数量も金額も、まあ一部マイナスもございますけど、大体プラスに推移しているという状況でございます。次のスライドをお願いします。

     今度は国別でございます。これはですね、まず左側の表でございまして、1番中国、2番米国ということで、これはあまり変わっていないと。ただ、輸出総額で見ますと、これは金額ベースでマイナス3.1%でございます。

     ちなみに、中国はですね、まあ先ほどの大豆とか原油のブラジルからの輸出はだいぶ減ったんですけども、鉄鉱石の輸出がだいぶ増えたということで、まあ中国は若干減っていると。2番目のアメリカ、これも若干減っているんですけども、原油とか鉄鋼製品はだいぶ輸出が減っていると。ただ一方ですね、航空機については輸出が増えているということで、トータルで若干減になっております。

     真ん中に緑の線で日本がありますけども、日本は順番で行くと6位なんですけども、比率でいきますとマイナス5%ということで。輸出はですね、全体がマイナス3.1%に比べてマイナス5%、全体よりちょっと下がっているということです。

     あと右側、これは地域別を作ってみたんですけども、地域別は結構、ブラジルの輸出というのは、全方位外交じゃないですけど、かなりバランスが取れているなというふうに思っておりまして。例えば中国、日本、アジア全体ですと33%、輸出比率がございまして、米州、米国、メルコスール、あとそれ以外の南米、これも全部足すと32%ということで、まあ大体3分の1。あとはヨーロッパ、中近東、それ以外も35%。大体3分の1ずつで、まんべんなく地域ごとには輸出しているなという構図でございます。次お願いします。

     次は輸入でございます。輸入はですね、全体でいきますと、右の下、数量についてもマイナス5.5%。金額ベースですとマイナス19.8ということで、20%減。ということで、輸入はかなり下がっているという状況でございます。

     この中で、右のパーセンテージでございますが、一つやはり面白いと思いましたのは、塩化カリウム。これは農業の肥料の原料でございますけど、これはやはりブラジルは農業生産が広がっておりますので、増えていると。で、例えば下の方のですね、農業に比例して殺虫剤とか除草剤も伸びているということで、やはり農業関係は輸入は比較的伸びているなと。

     あと燃料、これはディーゼルとか重油ですけど、これも輸入が増えているという状況です。ただ、やはりですね、一番ひどいのは乗用車。工業製品は全般にかなり下がっているという構図でございます。次お願いします。

     今度は国別でございます。左の表で、1番アメリカ、2番中国になったんですが、これはですね、15年と16年は逆転しました。中国が1番だったのが2番に落ちております。金額を見ますと中国の落ち込み幅が広いんですけど、中国はやはり工業製品一般ですね、ブラジルの輸入がかなり落ちているということで下げていると。1番に米国がなりまして、これは金額ベースは若干下がっているんですけども、例えば工業製品一般はやはり輸入が落ちているんですが、例えば米国からの輸入ということでプラスになったのが先ほどの燃料油ですとか、塩化カリウム、航空機の部品等がプラスでして、トータルで米国は1番になりましたということです。

     次に、緑のが日本でございますが、日本はマイナス26.9%ということで、全体よりもやはりさらに落ちているということで、順位も15年は6番だったんですが、16年は8番目に下がりました。順位も下げているという状況です。

     右側の円グラフですね、これも地域別で輸入を作ってみたんですけど、やはり輸入の方もですね、先ほど申し上げたように、アジアで約3分の1、米州で約3分の1、ヨーロッパ・その他で3分の1ということで、輸出同様輸入もですね、まんべんなく色んな地域から3分の1ぐらいずつ輸入しているという構図でございます。次お願いします。

     今度は日本でございます。左が日本への輸出なんですが、まあ鉄鉱石が1番なんですけど、鉄鉱石も含めて基本的には、全体でマイナス5%なんですが、例えば鉄鉱石は金額もマイナス11%ですが、日本向けの鉄鉱石は例えば数量的にも15年は2900万トン輸出したのが16年は2500万トンということで、まあナンバーワンの輸出産品の日本向け鉄鉱石もやはり減少しているという状況です。

     一つだけ気を吐いているのが航空機なんですけど、航空機は150%アップで、これはですね、JALグループさんがブラジルのEmbraerさんの飛行機を採用したということで、航空機だけはどーんと伸びている状況です。

     輸入につきましては、これは全体的に非常に落ちている。特に乗用車などがかなり落ちているという中で、先ほどの航空機の裏返しで、航空機関係の部品、これはプラスになっているということで、それ以外は総じて全部マイナスというのが対日貿易輸出輸入の構図でございます。次お願いします。

     今度はブラジルへの対内直接投資ということで、左側は年ごとの金額なんですけども、例えば2011年はこのグラフでは一番大きくて、695億ドルでした。それ以降はですね、まあ年によってばらつきあるんですけど、基本的には500億ドル台で、比較的やはり横ばいで安定しているなというのが見て取れます。例えば15年は579億ドルで、16年は537億ドルと、そんな感じでございます。

     右側に国別を書きました。ただこれはですね、中国が直接投資ではなくて、どうもSPCを通しているみたいで、推測ですとオランダとか、ルクセンブルグとか、バージンアイランドとか、この辺は多分実質的には中国から投資が来ているんじゃないかというふうに言われております。全体でですね、例えば16年は537億ドルでしたけど、中国からは多分100億ドル以上の投資が来ているんじゃないかというふうに言われております。

     この赤の所は日本なんですけど、日本はですね、全体でほぼ横ばいの時に日本はマイナス50%強ということで、半減しているということで、日本の地盤沈下、直接投資離れというのがかなり16年は顕著に表れてきた年だなというのがデータ上出ております。次お願いします。

     次は、直接投資の業種別を作ってみました。これを見ますと、例えばですね、一次産品につきましては、金属・鉱物採掘業、これはマイニングですけど、これはプラスになっていまして、16年は25億ドルなんですが、これはたまたま、このうち15億ドルはアングロアメリカンがニオブとリンの権益を中国企業に売りましたと。あと、バーレがですね、銅と金の権益をカナダ企業に10億ドルで売りましたということで、この二つで大体25億ドルという、マイニングは結構顕著な状況になっています。

     次の工業一般なんですが、全体でマイナス4%なんですが、まあ業種によって若干まだらがありますけど、基本的には対内投資は工業は頑張っているというふうに見て取れます。一番下のサービス業。これ、全体ではマイナス13%なんですが、これは業種によってだいぶばらつきがあるなということで、倉庫業、運送業、金融業関係はかなりのプラス。一方インフラ系の通信、電気、ガス、この辺がかなりマイナスというような状況になっていまして、トータルですとまあ7%強のマイナスというのが業種別でございます。次お願いします。

     これはですね、冒頭のまとめの総括に今年の1月のところだけ入れました。1月の貿易黒字は27億ドルということで、元々ですね、16年は500億ドル以上黒字と言われたのが477億になりましたと。17年も500億ドル以上の黒字になると言われていますけど、とりあえず1月は27億ドルの黒字に留まっていると。ただ、やっぱり貿易の絶対値を見ますと、1月単月で輸出が149億ドル、輸入が122億ドルということで、例えばこれを6倍するとですね、16年の下期と同じような貿易量になりますので、基本的には1月も伸びていないというのが結果でございます。次のページお願いします。

     これが最後のスライドです。まず、上の枠は今申し上げたところのまとめでございまして、16年度の貿易収支は477億ドルでかなり黒字なんですけど、輸入、輸出とも減少傾向。特に輸入が減少していますと。ということと、対内投資は537億ドルということで、そんなに落ちていない。という中で、やはり対日は輸出、輸入ともにマイナス5%、マイナス27%ということで、平均よりも下がっている。特に対内投資についてはマイナス51%ということで、全体がマイナス7%なので、日本の地盤沈下がかなり顕著だなというのが統計から見てとれます。

     そういう中で、先日の貿易部会の中でこの次の「いま、為すべきことは?」ということでご相談、アンケート、ご意見いただいたんですけど、そういう中でやはりございましたのは、やはり今の貿易統計を見ても日本との貿易の地盤沈下が非常に顕著に現れた年だなということで、やはり我々日本企業として危機感を持たなきゃいけないというのが現状認識なのかなというところから始まりまして、部会の中で、そういう中で、他との連携の強化、例えばオールジャパンもそうですし、あとアメリカとかドイツとか他の商工会とかそういう団体と連携して動いていくとか、あとはやはり実体経済まだ良くないので、今年は我慢の年、来るべきブラジルの将来の成長に準備をする年ではないかと。

     ということとか、やはりこういう中では、ブラジルをもっと売り込まなきゃいけない、宣伝をもっとうまくやらなきゃいけないというご意見とかですね、あとは政府に対して規制緩和、投資促進の制度改正というのを働き掛けていこうと。それもですね、大きな網でかけるというよりも、アイテムを決めて働き掛けていった方が効果的じゃないかと。というような意見が出まして、その辺をまとめたのが下の表でございまして、いま為すべきことは、ということで、上の三つは定性の総論でございまして、今まで申し上げているように、輸出入ともに貿易の増大が必要だと。そのためにはやはり対内投資も必要だと。やはり対内投資をして、消費の活性化、内需拡大を図っていくというのが定性面かなと。

     そういう中で、次の真ん中の二つですけど、私どもやるべきこととしては、日本・ブラジル双方への広報、宣伝活動を活性化する。やはりブラジルの高い将来をアピールしていくと。例えば今年は 5月にジャパン・ハウスの開所式もありますし、8月にクリチバで日伯経済合同委員会もありますので、そういう機会もとらまえてですね、やはりブラジルを、対ブラジル、対日本両方にですね、うまく宣伝していく、働き掛けていくというのが必要なのかなと。ということと、もう一つ、先ほど申し上げたように他の国の商工会との、もしくは他の部会との交流、連携を深めていく。貿易・投資促進の課題を当局へ提言していくということなのかなと思います。

     最後の二つはですね、今年、欧米、まあトランプ政権から始まってですね、ヨーロッパ側もフランスの大統領選挙とかドイツの総選挙等々ありますし、中国は景気いま変調していますし、10月、11月には5年ぶりの第19回中国共産党大会もありますし、まあ政治の動向が貿易動向を左右する可能性もあるのかなということで注意しなきゃいけないということと、一番最後は、まあ最近日本人、日系企業をめぐって色んな治安、安全等々ありますので、この辺はやはり、仕事をする、貿易をする上でも細心の注意を払ってやっていくということなのかなというふうに思っております。

     これで私のまとめでございます。ご清聴どうもありがとうございました。

    司会

     今井部会長どうもありがとうございました。ただ今の発表につきまして、ご質問等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。はい。どうもありがとうございました。それでは引き続きまして機械金属部会の発表に移ります。池辺部会長より発表をいただきます。よろしくお願いいたします。

     

  • 機械金属部会     池辺和博 部会長

     

                                                

     


     

                            
     皆さんこんにちは。機械金属部会の池辺でございます。よろしくお願いいたします。2016年の回顧と2017年の展望というテーマで機械金属部会の発表をさせていただきます。

     私の発表の内容ですけれども、まず機械金属部会に関連するマクロ的な指標を三つほど紹介させていただき、その後、まあ多種多様の業種や分野の企業が会員となっております機械金属部会ですので、今回のこのシンポジウムに際してレポートを提出していただいた企業をこのように6つの分類した形で各分野の状況を報告させていただき、最後に本日の副題となっております「景気回復に向けて、いま為すべきことは」ということに触れさせていただきたいと思います。

     まず機械金属部会に関連するマクロ指標ということですけれども、これは先ほど金融部会の発表の中にもございましたけれども、ブラジルの鉱工業生産の対前年比比較ということで、先ほどの金融部会は四半期でのプロットでしたけれども、これは月単位でのプロットになっております。まあ我々の機械、製造現場等で使用されることが多いんですけれども、その生産においてはですね、2014年の4月から34カ月連続での前年比のマイナスというふうになっております。生産活動が長期間停滞しているということで、我々の顧客さんであります製造業が不振になっているというのが改めて思い知らされるところでございます。

     ただ、唯一の光明といいますか、2016年の2月以降ですね、このマイナス幅が減少になってきており、先月、2017年の1月はマイナス0.1%とほぼ前年並みまで戻っているということで、今月以降ですね、プラスに転じていくことを期待しております。

     続きまして、同じく経済生産活動の指標となります段ボールの生産なんですけれども、ご承知の通り、経済生産活動が活発になりましたら製品等の梱包・輸送に使用されます段ボールの需要が増加するということで、これを見ておりますけども、これは四半期単位での前年との比較でございます。

     2013年の第4四半期以降、やはりこちらの方もですね、マイナスが続いております。このグラフには2016年の第2四半期までしかプロットしておりませんけれども、2016年の第3四半期、第4四半期もやはりマイナスで、2016年年間を通してマイナス2.3%であったということになっております。ただ、今年の1月ですね、1月単月ですけれども、5.5%のプラスということで、先ほどの鉱工業生産同様ですね、回復の兆しが見えかけているのかなという期待をしております。

     続きまして、これは建設業界の実績でございます。我々の機械金属部会にはですね、建設機械や空調設備関連等の会社もございまして、建設市場の動向というのは非常に気になるところでございます。

     これも四半期単位の前年比較ですけれども、やはり2014年の第2四半期以降ですね、このようにマイナスが続いております。しかも、政府の緊縮財政策、企業の設備投資の抑制、さらにはラバ・ジャットによるゼネコンの体力の低下等々でですね、ここに関しましてはまだまだ回復の糸口が見えないというのが実態かと思います。

     以上のようなマクロ指標を受けてですね、我々機械金属部会のこの6つの業種別について報告させていただきます。

     まず鉄鋼関連ですけれども、まあ主要の需要先というのが、やはり先程の建設業界ですとか、あるいは自動車業界、不調に陥っていますがやはり自動車業界ということでですね、鉄鋼の生産の方も、このグラフにありますが、過去5年連続で前年割れということになっておりまして、2016年で見ますと生産、それから国内販売ともにマイナスの9%というふうになっておりまして、鉄鋼各社もですね、高炉14基中の3基が休止されておりまして、稼働率も55~60%程度ということになっております。機械金属部会の鉄鋼関連の企業も非常に厳しい1年を強いられたということでございます。

     輸出に関しましても、昨年度、前半はですね、レアル安もあって17%実は伸びたんですけれども、後半に関しましては、レアルの反発、それから中国の過剰生産による世界的な供給過剰ということもございまして、一転してマイナスに転じ、通年でも2%のマイナスというふうになってしまいました。

     2017年の展望ですけれども、国内経済は緩やかな回復に向かうというふうに見られておりますし、まあ自動車の生産もですね、今年は若干回復するというふうに見られておりますので、鉄鋼の生産もですね、後半を中心に微増を予想しております。

     ただ輸出の方は、米国に続いて欧州でもブラジルの鋼板に対するアンチダンピングの調査が始まったということで、先程出ましたけど、それに加えてレアルの高値維持が続いている関係もありまして、輸出に関しては非常に厳しい年であるかと思われております。

     続きまして、電力と社会インフラにおける都市交通についてご説明させていただきます。

     電力に関しましては、やはり生産活動等の経済活動が停滞している関係で、電力の消費は2015年、2016年の2年連続で前年比を割っております。工業分野の電力消費に関しましても、過去32カ月間減少が続いておりました。ただ、2016年の11月と12月の2カ月連続で増加に転じておりまして、2017年は工業電力の需要が増大するような予想が出ております。

     ただ、消費が減少する一方で、昨年度も新規の水力発電や風力発電等の稼働が開始された関係でですね、発電容量は6.7%増加しておりまして、電力の需給ギャップは拡大しております。従いまして、昨年度、2016年度の電力の発電オークションの新設案件もですね、395メガワットということで、過去10年の平均に対して約10分の1程度であったというふうになっております。2017年度に関しましても、新規の発電設備案件はやはり期待薄で、しかも電力各社の設備投資もあまり期待できないということで、電力関連のビジネスもやはり苦戦を強いられていくものと思われます。

     都市交通における地下鉄関連ですけれども、御承知かと思いますけれども、サンパウロ州だけですでに落札された6件のプロジェクトがですね、工事の延期やサスペンド状態となっております。サンパウロ州政府の投資も、2016年度、昨年は前年比で約12%の減少と、2014年度に比べると44.5、約半分になっているということでございます。

    この最大の削減分野が、地下鉄・近郊鉄道を含めた交通輸送分野ということで、当初の予算に対して25%の削減というふうになっております。従いまして、地下鉄や近郊鉄道のほとんどの路線の拡張工事も一時中止や先送りの状態になっておりまして、我が機械金属部会の会員企業の中でももろにこの影響を受けている会社もございます。

     2017年度に関しましては、サンパウロ州政府はですね、民営化による工事の再開等を計画しておりまして、年内にもコンセッションの入札が行われる予定にはなっておりますけれども、いずれにしましても、工事の再開等具体的な動きになるのは2018年以降かなというふうに考えております。

     続きまして、建設機械と業務用空調の関連でして、どちらも建設に密接に関係している業界でございます。建機に関しましては、ラバ・ジャットの関係で大手のゼネコンの公共事業への参加の中止や認可取り消し等がございまして、先程も言いましたように、建設業は3年近く不振が続いております。加えて、2015年度ですけれども、年末にICMSの減免措置が廃止されるという憶測が流れまして、年末に駆け込み需要が発生しました。

     その関係で今年、16年の初めはその反動で激減してしまったと。ということで、例えば油圧ショベルで見てみますと、2014年に対して2015年が34%落ちたのに対して、さらに2016年も30%のダウンということで、2年で約半減というような結果になっております。

     小型建機に関しましても、状況は同じといいますか、さらに非常に厳しくて、2016年で前年比47%。その前年であります2015年が2014年比の42%ダウンということだったものですから、 2016年は2014年に対して約3分の1の市場にまで減ってしまったというのがこの小型建機の事情でございまして、農業や製造業、墓地等の非建設用途の需要を開拓することでカバーしているということでございます。

     業務用空調ですけれども、こちらもやはりビルや工場等の建設減によって、需要は2016年で言いますと前年比マイナス12%というふうになっております。ただまあ、空調の場合はですね、既存ビル等の交換や増設需要もあるせいか、まあ建機に比べたらですね、落ち込みはそれほど大きくはないと言うふうになっております。

     2017年の展望ですけれども、やはり建設業界の回復は2018年以降になるかと予測されますので、建機に関しましても、あるいは業務用空調に関しましても、2017年は横ばいか、あるいはせいぜい後半に微増かというような予想をしております。

     続きまして、切削工具とベアリングですけれども、これはどちらも主要顧客先が自動車業界ということで、このあと自動車部会の方から詳しい市場の説明があるかと思いますけれども、このグラフにありますように自動車の生産は4年連続で減少しておりまして、昨年は対前年比で11%のダウンと。ピークでありました2013年に比べると42%もダウンしているということで、環境は非常に厳しいものとなっております。

     ということで、切削工具に関しましては航空機や医療機器等の自動車業界以外の需要を掘り起こすことによってカバーし、あるいはベアリングに関しましては、新車の買い替えで消費者が現有車を修理するという需要がございます。このアフターマーケットの取り込みを強化することによってカバーしているというような状況でございます。2017年ですけれども、自動車の生産は若干回復するというふうにみられておりますけれども、特にベアリングに関しましては自動車のモデルチェンジとの関連もあってですね、本格回復はまあ数年先になるという見方もあるようです。

     続きましてトラクターですけれども、こちらは農業は比較的、先程の話にもありましたけど、比較的堅調で、一時ストップされていました政府の農業向け低利融資の方も再開されたということで、トラクターの販売台数は16年度前年比マイナス4%と、まあマイナスなんですけども、大幅前年割れの他の分野に比べたらですね、比較的下げ止まりになってきたと言っていいのかなと思います。

     2017年度も農作物の収量増が予想されている関係で、トラクターの需要は15~20%の増加が予想されておりまして、まあ我が業界にとってはですね、唯一と言っていい見通しの明るい分野かなと思っております。

     最後になりますけれども、産業機械の中の非汎用圧縮機とポンプについて。非汎用圧縮機につきましては、主要用途が資源開発あるいは石油関連ということで、ペトロブラスの投資抑制、資源価格の低位安定等でですね、市場はまあ壊滅的と言っていいかなというふうになっておりまして。

     この表はガスコンプレッサーの輸入実績の2年間の比較ですけれども、2016年合計でですね、前年比70%以上のダウンということで、特に大型のターボコンプレッサーに関しましては、まあほぼゼロに近い状態まで落ち込んでいるということです。このクラスのコンプレッサーはほとんどが輸入になっておりますので、この輸入実績イコール市場規模と見ていいかなと思っております。

     2017年ですけれども、ペトロブラスの投資回復はまだ先になるかと思われます。ただ原油価格の回復と、プレサル鉱区におけるペトロブラスの30%以上の権益優先権の撤廃によって海外資本の投資が増えることを期待しております。

     ポンプについても、大型のカスタムポンプに関しましてはやはりコンプレッサーと同様で、主要用途の製鉄や石油化学が不振なことがありまして、需要は大幅な減となりました。ただ一方で、農業向けが主体の標準ポンプに関しましては、市場は前年比の5%増であったということでございます。で、2017年度ですけれども、上期はほぼこの状況が続き、下期に穏やかな回復基調になるのではないかと予想しております。

     それでは最後になりますけれども、本日の副題になっております「景気回復に向けて、いま為すべきことは?」ということを、会員企業よりのコメントを整理する形で紹介させていただきます。

     まず、最初に書きましたコスト削減ですけども、これはもちろん景気回復期に限らず常に必要なことなんですけれども、顧客の投資額が限定されている折ですから、他社よりも割安な価格を提供することによる競争優位とともにですね、顧客の投資額低減を図るということでございます。

     それから、品質の向上。これはもちろん、コスト同様にですね、品質面での競争力を強化するということなんですけれども、まあ閑散期といいますか、この今時間の余裕のある時にですね、日本の親会社、あるいは本社の支援を受けてですね、こちらの現地の技術力をアップしていくということでございます。

     それから、ソリューション提案の強化ということで、単品売りになりますと価格優先の競争になりますので、自社製品を通じてお客様の課題や要望を解決するソリューション型のビジネスに転換していくということでございます。

     それから、客先情報の収集というのは、まあ過去1、2年前にありました引き合いや案件がこの経済状況で中止や延期になった部分がございますので、その案件の再度掘り起こしということで顧客様の訪問。その訪問を通じてお客様の情報を把握することによって、景気回復の後にお客様のご要求に迅速に対応できる体制も整えておくということでございます。

     最後に、やはりこの、時間的な余裕があるといいますか、この時期にですね、新規の業界や顧客、それから未開拓であった地域への開拓も進めていきたいというような意見が出ておりました。

     以上が私の発表でございます。ご清聴ありがとうございました。

     

    司会

     ありがとうございました。ただ今の発表につきまして、ご質問等ございますでしょうか。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。はい。それでは、機械金属部会の発表を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

     引き続きまして、自動車部会の発表に移りたいと思います。溝口部会長より発表をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

     

  • 自動車部会     溝口イサオ 部会長

     

                                                            

     

     

                 

     はい。皆様、あらためまして、こんにちは。それでは私から、自動車部会の報告をさせていただきます。今回は、2016年の振り返りと2017年の展望について、四輪業界、二輪業界の順に説明させていただきます。

     まず始めに、四輪業界の2016年振り返りです。2016年の自動車市場は失業率の上昇などによる景況感悪化、購買意欲低下の影響を受け、販売は205万台、前年比80%となり、4年連続での減となりました。輸入車比率についても、レアル安の影響を受け、13.2%と5年連続で低下しています。

     続きまして、こちらは2015年と16年の月別の販売台数です。昨年1月以降、市場環境は好転しておらず、左側の2015年に比べ販売がさらに落ち込んでいることがお分かりいただけると思います。ただし、前年比で3割前後減少していた2015年と比較すると、徐々に下げ幅は縮小傾向にあり、底打ち感は出てきたと見ています。

     また、在庫月数は各社生産調整が一巡。最近では1カ月台前半で推移しており、ほぼ適正と言ってよい在庫水準となってきました。

     こちらは生産と輸出の推移です。市場の状況を反映し、2016年の総生産台数は215.7万台、前年比88.8%となりました。一方で、レアル安の影響および国内市場縮小により、各社が輸出向け生産にシフトしているため、輸出は前年比124.7%と増加しました。

     こちらは輸出台数をカテゴリー別、輸出相手国別に見たものです。カテゴリー別では乗用車とバスが約3割増加いたしました。輸出相手国別では、販売が上向きとなっているアルゼンチン向け輸出が増加しました。また、金額は小さいもののアメリカ向けも上位に入ってきており、こちらは昨年から欧州ブランドの一つがアメリカ向けの輸出を開始したためと聞いております。

     次に中古車・新車別の販売台数です。新車については先ほど申し上げた通りですが、中古車市場はその規模を維持しており、2016年は前年とほぼ同等の約1000万台となりました。

     続きまして、こちらはブランド別の販売台数とシェアの実績です。左は2015年から16年のシェア構成の変化を示しておりますが、Fiat、GM、ワーゲン、Fordという、いわゆるBIG4が約5%シェアを落としている一方、日系ブランドは1.5%シェアを伸ばしております。右はブランド別の変化になりますが、厳しい市場環境下でも、日系ブランドがそのブランドや品質などを背景に健闘していることがお分かりいただけるかと思います。

     こちらは昨年、一昨年の新車販売店数の変化とその増減の内訳を示したものです。BIG4が200店近くの販売店を閉鎖する一方、日系ブランド、韓国ブランドは逆に販売網を拡大。市場全体としては、前年比で販売店数が増加しています。

     続きまして、2016年のトピックとして、11月に開催されましたサンパウロモーターショーを紹介させていただきます。厳しい市場環境の中開催されましたが、全ての主要ブランドが参加し、来場者は70万人を超え盛況となりました。日系ブランドについても、トヨタさんは、エティオスの輸出拡大、新車・中古の包括プログラムなどによる事業強化、ニッサンさんは、キックスのブラジル生産と新型フロンティアによるシェア拡大、弊社については、ブラジル開発モデルによる競争力強化、をアナウンスし、各社がブラジル市場へのコミットメントを示しました。

     また、新車発表に加え、先進環境安全技術やコンセプトカーを日系ブランドが積極的に展示し、来場者・メディアでの注目を集めました。

     続いて、今回のサンパウロモーターショーのトレンドとしてSUV市場の活況に触れさせていただきます。左上のグラフにあります通り、全体市場が落ち込む中、SUV市場は前年を上回り、成長を続けています。また右上のグラフを見ていただきますと、SUVの中でもコンパクトSUVが拡大していることがお分かりいただけるかと思います。このような中、モーターショーでも各社から多くのコンパクトSUVが発表・展示され、このセグメントは今後も活況となる見通しです。

     次に2017年の展望に移ります。

     まずは経済指標の予測です。中央銀行の2017年予測ではGDP成長率は2年ぶりにプラスとなり、インフレと金利はさらに低く抑えられる見通しです。

     こちらは、それらの状況を踏まえた2017年の自動車業界予測です。2016年の総市場は205万台でしたが、ANFAVEAは2017年販売台数予測を、総市場で213万台、前年比4%増と、市場が5年ぶりに増加に転じると予想しています。

     一方、自動車部会としては、先月の販売実績が依然前年割れとなっており、上向きとなる時期がまだ明確には見通せないことから、ANFAVEAよりも若干低めではありますが、総市場で前年比2.4%増の約210万台と予想しております。

     なお輸出は、レアル安により増加した昨年をさらに上回ると予想。生産台数は、国内市場の回復、および輸出台数増により、前年比12%増となる予想です。

     続きまして、長期展望に移ります。まずは市場の長期予想をする上で重要となる、各金融機関の経済指標予測を見ていきます。

     GDP成長率は、各行半年前の予想より若干下方修正する一方、インフレ率と金利は直近のトレンドを受け、前回予想より低く抑えられています。いずれにしましても、2016年を底として、2017年から経済が緩やかに回復する予想となっております。

     このような予測や足下の販売状況を総合的に見た場合、ブラジル自動車市場は底打ち状態にあり、回復の時期を正確に見極めるのは難しいものの、市場が好転するのは2017年の後半から2018年だろうと自動車部会では予想しています。

     続きまして、日系ブランドの課題への対応についてご説明いたします。

     こちらは、昨年のシンポジウムにてご説明させていただきました、日系ブランドとして認識する課題と、それに対する各社の取り組みです。前回同様、この項目に沿ってアップデートがあるトピックをご紹介させていただきます。

     本日は、こちらの、事業体質の強化について、トヨタさんのエンジン工場の増強と、弊社からは地域に向けたモデル開発を取り上げさせていただきます。

     トヨタさんでは、部品現調率向上、とりわけエンジン現地生産による為替影響とコストの低減を目指し、昨年5月に中南米で初となるエンジン工場の開所式を実施されました。そして、11月にはその工場の能力拡大のため追加投資を発表されました。

    これにより、投資額は6億レアルから11億8000万レアルに増え、エティオスのエンジンに加え、2019年下期からカローラのエンジンを生産する予定です。また、生産規模は現状の年産10万8000基から17万4000基になる予定と聞いております。このように現地生産を進めることにより、市場競争力と事業体質のさらなる強化を図られています。

     続きまして弊社の事例を紹介させていただきます。ホンダでは、お客様が求める商品をよりスピーディに開発・生産することを目的として、2013年に四輪研究所をサンパウロ市内からスマレ工場敷地内へ移転しました。また2014年には、営業などを含めたSEDBA機能の集約を完了しました。

     その成果の一つといたしまして、南米のお客様に向けたコンパクトSUV、WR-Vをこのブラジルの研究所で開発、今年の3月から発売する予定です。このように地域に根差した商品開発・生産を行うことにより、市場競争力の強化を図るとともに、現調化や輸出を含めた事業体質の強化を推進しています。

     それでは、四輪パートの総括に移ります。

     この半年を振り返りますと、政府からは消費刺激策が出され、自動車業界においても底打ち状態からの回復が期待されています。一方で、失業率は低下しておらず、購買意欲は上向きにはなっていません。このような状況から、回復に向けてはまだ状況への注視が必要であり、急激な変化が今後も起こり得るという認識の下、環境変化に負けない事業体質の強化が引き続き求められます。

     具体的には、為替対応を踏まえた部品現調化や、生産性向上などによるコスト低減、および、輸出促進を長期的な視点で推進していくことが重要だと考えます。一方で、現調化や輸出のさらなる加速には、低いコスト競争力を打開する恒久的な取り組みも官民連携の下で必要と考えております。

     こちらは、そのような背景を踏まえた政府への提言でございますが、自動車政策や自由貿易政策、人材育成、労使関係、人的交流を含め、幅広い領域について取り組みが必要と考えております。引き続き業界一丸となって是正提言を粘り強く続けていくことだと考えていますので、どうか皆様ご協力賜りますよう、よろしくお願いいたします。

     続きまして、二輪業界の状況について、簡単ではありますが触れさせていただきます。

     まず、生産・販売の動向です。長引く不況や、解雇増による購買力の低下により、2016年の国内卸販売実績は86万台、前年比72%と、5年連続で前年割れとなりました。また、低調な販売状況を反映し、生産は89万台、前年比70%となりました。

     こちらは、登録ベースの月別販売推移です。前年比で見ますと下げ幅が徐々に大きくなってきており、例年盛り上がりを見せる12月も低調な販売となり、なかなか回復の兆しが見えない状況です。

     最後に、二輪販売の支払い形態別推移です。緑のグラフはローンによる販売比率を示していますが、与信審査の厳格化に加え、可処分所得の低下などにより、ローン申請数自体が減少しています。これが市場の縮小に大きく影響していることがお分かりいただけるかと思います。

     このような厳しい状況ではありますが、ブラジル二輪市場は日系ブランドがシェア8割以上を占める重要な産業と認識しておりますので、四輪と同様、引き続き市場環境に応じた事業体質強化、および商品競争力強化を図ってまいります。

     以上で自動車部会の報告とさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。

     

    司会

     溝口様どうもありがとうございました。ただ今の発表につきまして、かなり関心の高い分野かと思いますけども、ご質問のある方、挙手をお願いできますでしょうか。いかがでしょうか。よろしいですか。はい。それではこれで自動車部会の発表を終了させていただきます。溝口様、どうもありがとうございました。

     では、前半の部の最後となります、コンサルタント部会の発表に移りたいと思います。関根副部会長より発表をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

     

  • コンサルタント部会     関根実 副部会長

     

                                                       

     

     

     

                          

     西口コンサル部会長が今週出張で不在でございますので、今日私関根が代わりに発表させていただきます。よろしくお願いいたします。

     今年に入りまして、ブラジルの金融市場、非常に活性化しておりまして、先程から発表ありましたけども、株式についてはBOVESPA指数が5年前の水準、2012年の水準まで戻ってまいりました。で、為替につきましては、去年の初めは1ドル=4レアルだったところが、今日現在ですと3.06ですけども、約25%レアルが戻してきております。

     それから、金融市場では、CDS、各国のカントリーリスクを示す指数があるんですけども、Credit Default Swap、これが昨年の初めは500ポイントだったんですけど、現在では225ポイントと半分以下に下がってきておりまして、ブラジルの金融市場がブラジルの経済回復を先取りしているという状況になっております。

     まあ我々、ブラジルに住んでおりますと、連日ラバ・ジャットのCorruptionのニュース、治安の悪化、失業率の増加と、良いニュースはほとんどないんですけど、なんでこんなに金融市場が活性化しているのかと、ここら辺をコンサル部会でディスカッションしてみました。

     まず、貿易収支が良いと。先程貿易部会から詳しい報告がありましたので、簡単に。総合貿易収支、このスライドの右上の所なんですけど、これはモノの輸出入プラス、サービスの輸出入を合計したものです。通常ブラジルはこの総合貿易収支がマイナスなんですけども、昨年と一昨年、2年間は若干ですけどもプラスを計上しています。それぞれ150億ドルの黒字でございました。

     このスライドの右下のグラフがその内訳なんですけども、2016年につきましては12月ベースではなくて10月ベースです。10月累積で12カ月間さかのぼって、モノの輸出は1530億、モノの輸入は1145億でプラスになっているんですけども、まあ先程来ご報告のあります通り、経済がさえないので輸入が減ったことによってモノの貿易収支が改善したと。まあ結果オーライなんですけども、中身は決して喜んでいられない数字です。

     それからサービスの輸出入、右下にありますけど、サービスにつきましては輸入超過というポジションになっております。

     スライドの左側の方は品目別の輸出なんですけども、先程来詳しいご説明がありましたので省略させていただきます。

     次に直接投資なんですけども、外国からブラジルに入ってきている直接投資と、それからブラジルから外国に出ていく直接投資。これを棒グラフにしたものが左上のグラフです。2016年で見ますと、流入が639億ドル、流出はわずか88億ドルで、ネットで552億ドル。若干減ってはおりますけども、直接投資はブラジルに順調に入ってきていると。2017年以降の予想なんですけども、徐々に景気回復でこれは順調に伸びていくであろうという予想でございます。

     スライドの右側の方は国別の投資の源泉国なんですけども、先程もお話ありましたけども、オランダとかルクセンブルグ、ヨーロッパの小国が大きなシェアを占めているんですけども、これの実態は、貿易部会からのお話の通り、ほとんどは中国ではないかと見られております。公表されておりませんので詳細は分かりませんけども。

     スライド右下の方は、今年のラテンアメリカにどのくらい直接投資が行われたのかと。外国からの直接投資ですけども、ブラジルが58%ということで半分以上をブラジルが占める予想です。近年ブラジルがちょっと調子悪くなってきたので、ブラジルからメキシコにシフトするという動きがありましたですけども、11月にアメリカの大統領選挙でトランプ大統領が選出されてから、メキシコに非常に厳しい事を言っていますので、今年はメキシコへの投資にストップがかかって、ブラジルは漁夫の利的にその分増加が期待されております。

     ブラジル、まだまだ構造改革が必要なんですけども、外国の投資家から見るとブラジルは現時点では最も魅力的な投資先と、どうも見ているようですね。まず左側の方で、ブラジルの政治的、制度的な環境ということなんですけども、昨年の5月にジルマ前大統領からテメル現大統領に代わりまして、まあ8月から正式にテメル政権が発足しましたんですけども、それまでの政治的な混乱が落ち着いたということがまず第1点ですね。

     2番目に、エンリケ・メイレーレスさんが財務大臣に就任されて、元中銀総裁、その前はBankBostonのアメリカの頭取をやられた方。国際金融界にもよく知られた方なので、オーソドックスな政策で、まああまりひどい事はやらないだろうという、まあ安定感が増したということですね。それから、ジルマ政権の時に財政支出、大盤振る舞いしまして、赤字に陥りました。これがテメル政権になりまして、メイレーレス財務相が支出の天井を作るということで国会を通しまして、一応その公共支出の歯止めがかかったという状況です。

     それから、財政赤字を改善するために、まあ昔から言われていることですけども、年金制度、社会保険、INSSの改革というのがようやく始まりました。拠出期間の延長、それから受給年齢の引き上げと、まあ過渡的な措置が採られておりますけども、長年の懸案がようやく始まったということでございます。

     右側の経済環境の方なんですけども、メイレーレス財務大臣、2018年には330億ドル、合計で、民営化のプランを出されています。中身は従来からあるプロジェクトで、目新しいものはほとんどないんですけども、再度ブラジルで民営化の動きが出てきているということですね。

     2番目に、金利の引き下げ。まあインフレが落ち着いてきているということで、ようやく4回連続で政策金利が下がってきております。今日からは12.25%。で、あと数回やって、今年末には一桁台の金利になるであろうという予想ですね。

     3番目に、産業活動。昨年の下期に底を打ったというのが大方のコンセンサスになってきております。徐々に回復していくけれども、まあ来年10月に総選挙を控えていますので、それまでは徐々に、本格的な回復は選挙後、具体的には再来年からということになるかと思います。

     2017年、今年、外国からの直接投資としては、現在の予想ではブラジルは7番目に多く投資資金が入るであろうという予想です。

     毎年、国別の競争力という統計が発表されておりますけども、直近では138カ国の調査でブラジルの競争力は不名誉なことに81番目です。左の円グラフなんですけども、黄色い線がブラジルです。

     この12項目につきまして、採点して、競争力を数値化しているんですけども、まあ政治体制、教育水準、労働力、技術開発力、金融市場、市場の大きさ、ここら辺12項目でですね、ブラジルが優れているのはグラフの一番左の市場のサイズ、マーケットサイズ、これだけがブラジルは優れていて、他はほとんどだめと。こういう、競争力が落ちるところなのにもかかわらず、ブラジルに投資資金が入ってきていると、非常に不思議なんですけど。なぜか、ということを後ほどご説明したいと思います。

     M&Aにつきまして、部会長の西口さんの会社、EY、Ernst & Youngが毎年6カ月ごとにお客さんからアンケート調査を取られています。直近では昨年の12月なんですけども、上から2行目の所なんですけども、ブラジルにあるErnst & Youngのお客様、多国籍企業が多い訳ですけど、その31%がブラジルの現在の経済をポジティブに捉えられていると。これが昨年の6月の時点ではわずか3%しかなかったということで、昨年の後半に大幅な改善を見たというのがお客様の意見です。

     真ん中へんの所にあるんですけど、6カ月前は11%であったM&Aへの関心が、今63%が前向きに捉えられていると。そのうち42%は今年M&Aをやりたいと思っていると。まあEYのお客様、グローバル企業で、必ずしも日系だけではないので、欧米の企業が中心なんですけども、まあ42%がブラジルでM&Aをやりたいと。すでにその73%は5件以上の案件をもっていらっしゃるということでですね、M&Aの業務は昨年は非常に低調だったんですけども、今年は活発化することが期待されています。

     下の方で、EYのグローバルベースで、世界的に調査をまとめますと、57%がM&Aを前向きに考えていると、あるいはジョイントベンチャーをやりたい