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【労働改革後に組合費の徴収額が90%減少】 2019/03/05

生き残りをかけて雇用者組合と労働組合が、人件費と事務所費用、活動費用の削減を余儀なくされている。また、組合の統廃合や所有する不動産でのコワーキングもその代替策として持ち上がっている。

予想されたように、労働組合と雇用者組合は、組合費負担義務撤廃に伴って資金を使い果たした。公式データに基づくと、労働改革実施後の新規定が通年で施行された初年となる2018年に組合費の徴収額は5億レアルとなり、2017年の36億4,000万レアルからほぼ90%減少した。この下落傾向はさらに続き、2019年の徴収額はさらに縮小する見込みだ。

その影響は、被雇用者だけでなく雇用者側でも、中央組織と連合会、連盟、組合に対する交付金の大幅な減少として表れた。これらの団体の多くが、組織とサービスの提供を維持するため、体制の刷新が必要だと認める。人件費と事務所費用、活動費、さらには休暇村といったコストの削減に加えて、組織の統廃合とコワーキング・スペースの確保(関連記事参照)といった対応も、代替案として持ち上がっている。

労働制度改革は、とりわけ労働組合に与えた影響が大きく、交付金は、22億4,000万レアルから2億0,760万レアルに急減した。一方、雇用者団体に対する交付金は、8億0,600レアルから2億0,760万レアルに減少した。ボルソナロ政権様々な省に分割吸収される形で解体された旧労働省が管理する交付金は、8,480万レアルへ86%縮小した(表参照)。

これらの金額は、2つの理由から、さらに減少する見込みだ。第1に、3月1日に連邦政府が組合費の支払いに足かせとなる暫定令(MP)を公布した。同MPでは、給与支払額から組合費を源泉徴収できる余地をなくした。支払いは今後、銀行振込用紙を利用しなければならない。これについて連邦政府は、組合費の支払いが任意であるという性格を強く打ち出すことが目的だと説明する。だが、法律の適用に関して疑問点があることで多くの企業が2018年に組合費を源泉徴収していたという事情があるため、2019年の徴収額はさらに落ち込むと複数の組合関係者が予想している。

<統廃合>

2017年11月から施行された労働制度改革で定められた運用モデルでの生き残りをかけ、2万人の労働者を代表するサンパウロ食品工業労働組合は、サントスの食品分野の労働組合と、州内の乳製品工業労働組合、たばこ工業労働組合と統合する。これらの労働組合を合わせると、加盟する労働者はほぼ5万人になる。雇用者組合側では、リオデジャネイロ州内の様々な市にある7組合による単一の団体設立に向けた合併が進められている。

サンパウロ州サン・ベルナルド・ド・カンポ市に保有する工場の閉鎖という判断をフォードに撤回させるという困難な課題をおよそ2週間前に抱え込んだABCパウリスタ地区金属労働組合は、確保した組合費が2017年に59億4,000万レアルだったものが、2018年には4,600万レアルに激減した。

フォードが自動車生産を終了することで、直接・間接を合わせて4,500人いると言われる労働者の大部分が職を失うだろう。フォードの判断を撤回させるために組合幹部は、連邦政府と州政府、市役所といったあらゆる行政の支援を受けるべく対策を進めている。

組合員には組合費の還付が行われるため、同労働組合は、雇用の削減は確かに打撃を与えはするものの別の形で持続的なものだと主張している。組合加入条件を満たす労働者数は7万1,000人で、2011年当時から3万9,000人縮小したが、この内およそ50%が加入している。

同労働組合は、交付金割当権を持つ6大中央労組で最高額の6,220万レアルを2017年に交付された統一労組(CUT)の下部組織である。2018年にこの交付金は350万レアルに減少しており、520万レアルの交付を受けたフォルサ・シンジカルと労働者総合統一労組(UGT)に交付額で追い抜かれている。

CUTによると、自動車メーカーと銀行といった組合加入条件を満たす労働者を大量に抱える企業が最初に組合費の源泉徴収を停止した一方で、法律の適用に関して疑問を残していた小規模の企業が引き続き徴収していた事情がある。

同中央労働組合は、傘下の組合が組合費の新方式に関して、協議を進めてきたと強調する。サンパウロ銀行員労働組合などの労働組合は既に、組合費の徴収に関して交渉の余地を認めており、基準日を交渉した後、支払うという形をとる。なお、CUTは、サンパウロ市ブラス区に保有する本部を売りに出したという噂については否定したものの、より良い提案があれば検討も厭わないとコメントした。

<事務所の売却>

UGTとサンパウロ・ビジネスマン労働組合の委員長を務めるリカルド・パタ氏は、支出を700万レアルから2018年には430万レアルに削減するリストラを断行したと話す。

「労働組合の従業員数を600人から200人に削減し、労働時間と給与を6か月にわたって削減し、3支部を閉鎖して事務所を1,030万レアルで売却、サンパウロ市の中心街にあるビルの1棟は賃貸している」と同委員長は説明。さらに、「今後、私たちは組合加入キャンペーンを大々的に展開する」と言う。

一方、フォルサ・シンジカルは、サンパウロ市リベルダーデ区に保有する12階建ての本部売却に1,500万レアルの価格をつけており、傘下の労働組合に対してコストを希釈するために合併を促している。同労働組合の狙いは、より小さな本部事務所、あるいは近隣のサンパウロ金属労組ビル内の一部のフロアを使用することである。(2019年3月5日付けエスタード紙)

<組合費は1日の賃金に相当>

組合費は、正規雇用の労働者の1日分の賃金と等しい金額である。雇用者組合の場合、会社資本をベースに徴収される。

労働者から組合費として徴収された金額の内60%が労働組合に振り向けられ、15%が労働組合連盟、10%が中央労働組合、5%が労働組合連合会に支払われ、10%が雇用担当省局に振り向けられる。雇用者組合の場合、違いは、中央組織のようなものがないため、20%が雇用担当省局に交付される。

この組合費の徴収は、労働者と企業が給与支払額から源泉徴収することを認める限りにおいて引き続き合法な措置である。組合費不足を補う代替案として労働組合が求めている交渉可能な組合費の徴収は、雇用担当省局とは無関係のため、公式に集計処理をされない見通しだ。(2019年3月5日付けエスタード紙)

 

徴収額の減少を受けてFiespが「コワーキング・スペース」を導入

Fiespが、1フロアを改修して最大で30団体の組合理事が勤務できるコワーキング・スペースを設置、家賃収入の拡大に取り組んでいる。

サンパウロ州工業連盟(Fiesp)が、組合分担金金交付として2018年に340万レアルを受け取った。2017年の交付額は、1,690万レアルで、大幅な減少。Fiespのルシアーナ・フレーレ法務担当常務執行理事は、「組合費負担義務撤廃には賛成の立場であるが、その落ち込みは当連盟の収入に大きな打撃を与えた」と言う。さらに、「これを克服するため、当連盟は新たなサービスの導入とコストの削減を通じた体制の刷新が必要だ」と付け加えた。

Fiespが2019年4月からパウリスタ大通りのランドマークでもあるビル内で提供を開始する新サービスが、コワーキング・サービス(シェアオフィス・スペース)である。16階建てのビルの1フロアを、組合員に対する対応とサービスを共有スペースで行うことを希望する最大30の雇用主組合を受け入れるべく改装した。

同連盟がターゲットにしているのは、賃貸の本部や人員の維持に苦しむ小規模の雇用主組合である。これらの雇用主組合は事務所スペースだけでなく人員もFiespが確保しているリソースを活用できるようになるため、Fiespは交付金の還流を受けるができる。「今回ははパイロットプロジェクトであるが、仮に成功を納めれば対応を拡大していくことになる」と、雇用主組合にとっては独立して活動するよりも大幅にコストを抑えられるメリットをルシアーナ法務担当常務執行理事は指摘した。Fiespにはサンパウロ州内130社が加盟しており、コスト削減に向けた最近の取り組みの中には、経済部と市場競争部、零細企業部と企業・スタートアップ部の統合といった、テーマ別部門の統合が挙げられる。

<賃貸契約>

商業で最高額の雇用主組合交付金を受け取っている経済団体が、サンパウロ州商業連盟(Fecomércio-SP)である。2018年の交付額は、750万レアル。ただし、2017年は2,930万レアルだった。

会員企業の90%以上を小・零細企業(MPE)が構成するFecomércio-SPは、労働制度改革施行前、MPEに対する雇用主組合費負担義務を廃止した小・零細企業向け税及び賦課金統合納付制度(シンプレス・ナシオナル)の法制化段階で既に、雇用主組合の合併を推奨してきた。

同連盟のイーヴォオ・ダラカ(Ivo Dall’Acqua)副会長は、2年前から、理容店組合と女性向け美容店組合を合併して美容店組合(Sindibeleza)を設立するよう同連盟がアドバイスしてきたと話す。「公的機関の手続きの問題で新組合はまだ登記されておらず、現状では、司法省の判断待ちである」と言う。

同副会長はさらに、サンパウロ市内の一等地であるベラ・ヴィスタ区に保有するモダン建築の本部ビルを維持するためにFecomércio-SPは別の収入減があると強調。連盟自身が使用するエリア以外にも、第三者の利用のために貸し出される見本市やコンベンション用スペース、劇場も備えている。(2019年3月5日付けエスタード紙)

 

中央労働組合が年金ファンド・マネージメントを検討

社会保障改革の可決を視野に組合関係者が、年金ファンドへの参加を議論している。

組合費負担義務撤廃後の生き残りに向けた体制の刷新への取り組みと、将来的に 積立制度の導入もあり得る年金制度改革の可決を視野に、中央労働組合は、年金ファンド・マネージャーへの参加の可能性について検討を進めている。

これに関してフォルサ・シンジカルのジョアン・カルロス・ゴンサルヴェス事務局長は、アメリカとカナダのような、数10年にわたって労働組合が年金ファンドに参加あるいは管理してきた事例を参考にしていると説明する。

同事務局長によると、「議論はまだ始まったばかりで、このプロセスがどのようなものになるのかといった、より深い議論を交わしているわけではない」と言う。今のところ、この問題に関する学術的な部分、国外の団体からの情報収集などが議論の中心である。

分析中の文書のひとつによると、カナダ国内の年金ファンドの資金でほぼ半額を占める大手100団体の中で、少なくとも4団体を労働組合が管理している。これが理由で同国では、組合活動が活発な水準を維持している。

同事務局長によると、このプロセスに対する重要なステップが、労働組合の統合を推進し、例えば先の2か国と欧州で見られるように、あらゆる職種を代表する労働組合を設立することである。

UGTのリカルド・バタ委員長によると同労組も同様に、労働者は「この資産管理を大手銀行だけに任せて良いはずがない」という理由から、この選択肢を検討中だと言う。

この議論を最近になって始めた団体のひとつが、フォルサ・シンジカルで、ゴンサルヴェス事務局長は全ての中央労組がこの協議に加わることを希望している。この問題に関してCUTも、検討しているとコメントした。(2019年3月5日付けエスタード紙)
 

 



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