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ブラジル特集

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【加盟国の同意なく独自に二国間貿易協定を締結できるようメルコスールの規定を変更するのが望ましいと外務省が意見】2016年6月24日付記事 2018/10/30

メルコスール加盟国の承認を必要とせずブラジルが独自に二国間自由貿易協定を交渉できるよう、メルコスールの決定を無効にできる可能性について、外務省が検討している。

2000年にメルコスール加盟国が下した決定に基づくと、特恵関税を含む貿易協定を締結する場合、加盟国が共同で交渉しなければならない。

メルコスールを通じてブラジルが二国間貿易協定に署名したのは、これまでのところ、エジプトとパレスチナ、イスラエルの3か国にとどまり、かつイスラエルとの協定だけが発効している。ジョゼー・セーラ外務大臣は、二国間貿易協定の締結に関してブラジルがメルコスールに「柔軟性」を与えることを支持する。同外務大臣は、「二国間貿易協定を爆発的に拡大させよう」と言う。

1999年から始まった欧州連合(EU)との自由貿易協定の交渉では、アルゼンチンの抵抗により進捗が足踏みしかねないという懸念がある。

この協議に関係するある人物は、「外務大臣は(この問題を扱ったメルコスール審議会決議32号に関する)協議を活発化させたし、この問題は新たに緊急性をまとった案件になった」と話す。

二国間貿易協定締結の可能性があると目されるターゲットは、カナダと日本、韓国、欧州自由貿易連合(EFTA:アイスランドとノルウェー、スイス、リヒテンシュタイン)だ。

審議会決議32号を無効にするには、メルコスールに加盟する4か国全ての同意が必要となる。パラグアイとウルグアイは、このイニシアティブに対して強く賛成しており、そして両国は常に、独自に二国間条約が締結可能な余地を与えるよう求めてきた。

2016年6月第3週、ウルグアイのロドルフォ・ニン・ノボア外務大臣は、二国間自由貿易協定の締結に向けてウルグアイと中国が「積極的に取り組んでいる」と発言した。

「我が国は、(メルコスールと)団結して交渉するのを望むが、パラグアイが台湾と国交を持つことも含め、幾つかの問題もある」という。一方、アルゼンチンはこうした考えに抵抗している。ただ、仮にブラジルとウルグアイ、パラグアイが審議会決議32号の廃止賛成で同調したとしても、アルゼンチンが反対すれば政治的には成立しないとブラジル政府は受け止めている。

抵抗勢力

開発商工省(現商工サービス省)と財界には、このような意見に反対する声もある。仮に審議会決議32号が無効になった場合、メルコスールに加盟する他の国々もブラジルと同様に単独で二国間貿易協定の締結が可能になる。この場合、例えばアルゼンチンは中国と二国間貿易協定を締結できるし、ブラジルが同国に輸出している品目を域外から輸入する場合に関税を引き下げる、あるいは撤廃することも可能だ。例えば履物業界や機械・設備業界のような、アルゼンチン市場への輸出比率が大きい業界は、市場を失いかねない。

サンパウロ州工業連盟(Fiesp)は、メルコスールの規定の緩和に反対する。Fiespのトーマス・ザノット国際関係担当理事は、「キルチネル政権と異なり新政権(マウリシオ・マクリ大統領)は、我が国同様に貿易協定の締結に対して非常に前向きであり、メルコスールの規定を緩和する必要ななく、規定を緩和することはアルゼンチンとの反目を生み出すだけである」と指摘する。

メルコスールとEUの自由貿易協定締結に向けた交渉では、最近でこそ農産物問題でアイルランドとフランス、ポーランドといった抵抗勢力が台頭してきているものの、アルゼンチンは過去に様々な局面で障害になってきた。

マクリ大統領が前向きな発言をしたにもかかわらず、慎重な対応が求められる現在の状況において外務省内部には、市場を開放するというアルゼンチンの真意について疑いの目を向ける声が根強く残っている。財界をまとめる全国工業連合会(CNI)は、この問題に慎重な態度をとる。CNIのカルロス・アビジャオディ理事は、「現時点ではメルコスル対外共通関税(TEC)が市場の確保を保証しているという事情があるので、この柔軟性とTECの未来が具体的にどのような形になるのか正確に把握する必要がある」と話す。

財界の一部からも、単独で二国間貿易協定の交渉を認めるよりも、メルコスール加盟国が共同で、ただし関税の撤廃に対して国ごとに異なる期間を設ける形で交渉するほうが好ましいという考えを示す。財界関係者の1人は、「もし対外共通関税(TEC)に手を付ければ、世界で我々が唯一確保している専属市場を終わらせてしまう」と指摘した。

外国市場への出口

ブラジルは、メルコスールのパートナー(アルゼンチンとウルグアイ、パラグアイ)から同意を得ることなく単独で、二国間貿易協定の交渉に挑もうとしている。

この判断でブラジルの意図するところは何だろうか?

メルコスール審議会決議32号を無効にすることで、経済圏としてではなく、各国が単独で二国間貿易協定に向けて交渉できるようになる。

その利点は何だろうか?

理論的には、ブラジルにとって域外国と貿易協定を締結する場合のハードルが低くなる。例えば、1999年から引きずっているメルコスールとEUの交渉が未だにまとまらない理由の幾つかは、ブラジルの思惑とアルゼンチンの思惑の違いである。

個別交渉が不利になる点があるなら、それは何だろうか?

第1に、地政学的文脈である。メルコスールのあずかり知らない協定が認められることで、この経済圏が有名無実になる可能性がある。その上、共同であればメルコスールは、とりわけ経済規模の小さな国にとってはより有利な条件を交渉で主張できる。もう1つの問題は、ブラジル自身、現時点で強い結びつきがあるメルコスール加盟国との通商関係が弱まる可能性があるという点だ。

現在の輸出は、どのような状況だろうか?

輸出は前年(2015年1―5月)と比較して-1.6%と、ほぼ安定して推移している。だが、厳密に言えば4年連続で下降線をたどっている。1―5月の輸出がピークを記録した2012年と比較すると、現在の規模は-25%である。

だがその理由は、中国が原因ではないか?

部分的にそう言える。1―5月でピークを記録した2014年と比較すると、ブラジルの対中輸出は-18%である。だが2015年との関係で言えば+14%で、対中輸出が輸出全体の落ち込みを部分的に補填した。言い換えるとブラジルは、アメリカやドイツ、イギリスといったその他の様々な市場への輸出を減少させている。(2016年6月24日付けフォーリャ紙)



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