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論評【インフレのミステリー】 2017/09/22

セルソ・ミンギ

文明世界において、そして今では同様にブラジルにおいても発生している低インフレは、まだ完全にそのメカニズムが説明されているわけではないが、急激に低下する要因のいくつかは明らかにされている。

この9月20日、米連邦準備制度理事会(FRB)のジャネット・イエレン議長は、アメリカにおいてこの低インフレは「恐らく一時的」なものだと理解されるものの、上昇圧力の弱さの原因は「謎」だという見解を示した。その翌日、ブラジル中銀インフレ四半期白書で、我が国におけるインフレの驚くべき特徴について指摘した。そして、下振れしたインフレを計測し、これが、インフレの想定と実際に起こった現実の乖離だとする極めて興味深い表を発表した(表を参照のこと)。

下振れは、目新しいことではない。例えば90代末から2000年代の初頭にかけて、ブラジルにおける中銀通貨政策委員会(Copom)と同じ役割を担う米連邦公開市場委員会(FOMC)で、当時のアラン・グリーンスパン議長は、実際のインフレが想定から下振れしたことに当惑した。金利も同様に低利で推移し、求人は拡大、失業率が低下、しかも財とサービスに対する需要が拡大する中、インフレが低水準で推移した。「私は、何が起きているか理解できない」と、グリーンスパン議長は認めた。それから、紆余曲折の後、ひとつの糸口が見えてきた。説明のひとつは、IT分野で雇用が拡大していたことだ。

FRB自身の研究で、この現象は、パラダイムシフトだと説明された。従来の生産システムは、ピーク時の需要に対応するのに大きな在庫を確保する必要があった。仮にその在庫を確保していなければ、企業は市場を競合社に奪われる。この在庫には、倉庫と管理人、その他のコストが発生する。例えば、日々、従業員のグループがスーパーマーケットの棚をチェックし、シャンプーや歯磨き粉、食用油などの棚の状況を確認する。サプライヤーへの発注を担当する部門に判断を通知するスプレッドシート分析部署があった。送り状は、客先に届くまでに数日を要した。このようにして、製造業の販売部門は発注処理をこなしてきた。このシステムにはさらに運営部隊が必須であり、より多くの人員と手続き、時間を要した。一方、サプライヤーは、最終製品と原料の在庫と、(需要のピークに対応するために)より多くの機械・設備、より大きな運転資金などを必要とした。このような状況が当然と考えられてきたので、誰も、これら全ての必要性に対して疑問を持たなかった。

だが今では、生産システムと生産チェーンには、従来と異なる流れが生まれている。最終消費者がスーパーマーケットで商品を購入してレジを通ると、サプライヤーはオンラインで顧客のニーズに関する情報を受け取ることができる。販売店とサプライヤーは、もはや、大量の在庫と倉庫、人員、設備を必要としない。コストは急激に低下し、インフレにもそれが反映され始めた。

ITは、これを説明する要因のひとつにすぎない。この外にも、次のような要因がある。すなわち、アジア諸国の人件費が世界中の最終商品の価格を崩壊させたこと、とりわけブラジルにおける農業生産が大きく伸びて食品の価格が下落したこと、市場に潤沢な資金が供給されて(我が国ではそれほどでもないが)信用コストとインフレを低下させたことなどだ。

しかも、恐らく、要因はこれだけではない。それらすべての要因が与える影響についてイエレン議長は理解しているが、しかし、インフレの天井と底、その発生の原因に関する「ミステリー」の新たな内訳については説明しない。(2017年9月22日付けエスタード紙)
 

 



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