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ブラジル特集

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インタビュー記事【破綻宣告】 2015/03/18

ベージャ誌
2015年3月18日
リカルド・ハウスマン氏 インタビュー

ハーバード大学のハウスマン教授は、数年にわたってブラジルが、国際情勢と浪費の拡大、保護貿易主義といった情勢を謳歌するだけで、生産性の向上に投資しなかったと指摘した。

「輸出が堅調に推移した時期、ブラジル政府は改革を推進することなく、社会保障を拡大することに満足していた」

ブラジルは、公共支出の拡大と、改革に対する優先順位の引き下げ、潜在成長率を強化するために必要な投資を怠るなど、輸出品目の相場が高値を維持した数年間を浪費して過ごした。ベネズエラ人エコノミストでハーバード大学ケネディスクール国際開発修士課程のリカルド・ハウスマン教授は、分析の中でこのような見方を示した。公共経営学を扱う国際開発修士課程でブラジルの制度について教鞭をとる教授陣の1人でもある同教授は、輸入品の代替と国産化比率の義務付けを基礎にした政府の取り組みは、ブラジル企業の生産性向上に対する動機付けとしてほとんど貢献しかしなかったと主張。「保護貿易主義によってその国では、グローバリゼーションによって得られたメリットの活用が妨げられる」と指摘する。その上で、「民間部門は国際市場に照準を合わすべきだ。さもなければ、企業は惰性に陥る」と付け加えた。ベージャ誌がハーバード大学のオフィスにハウスマン教授を訪ね、インタビューした。

社会福祉プログラムと助成プログラムによる公共支出の拡大を通じて、ブラジルは、格差の是正と成長を模索しました。一定の成果を出すことができたのですが、ここへきて経済が低迷しています。この戦略をどのように評価されますか?

軍事独裁権の終焉に向けてブラジルは、80年代に難しい対応を迫られる政権移行期を迎え、新しい政治体制の構築に取り組んだ。80年代末に憲法が承認され、公共支出の増加につながった。これにより引き起こされた事態の1つが、インフレ率の上昇だった。後にハイパーインフレは抑制されたが、それは公共投資の縮小と増税に多くを負っていた。一連の歴史におけるプラス面は、物価の上昇が安定したことと、いくつかの改革を達成したこと、そして、ブラジルが発展したことだ。だが、公共貯蓄が存在せず、政府は恒常的に歳入を上回る歳出を計上している。多くの国で財政赤字を計上しているが、これらの国々の公共投資はその赤字額を上回る。ブラジル政府の場合は反対に、赤字が積みあがっている理由は投資拡大のためではなく、むしろ、経常支出の資金を調達するためなのだ。その結果は、不備だらけのインフラという目に見える形になって表れている。


「巨大な国内消費市場を抱えるブラジルは、常に、そうした特質を交渉のカードとして利用してきた。だが、そのような手法は、保護貿易主義政策に優遇する誤ったやり方だ」


ブラジルは数年にわたって大きな成長を達成し、最も有望視される国の1つだとも言われました。それは幻覚だったのでしょうか?

そのようなものは全て、政府が過剰に浪費する政策を導入したことで、選挙直前の2010年には終焉を迎えていた。ブラジルは7%以上も成長し、人々は、それが中国並みの成長を達成する段階の入り口だと想像し始めた。だが、そのようなものは、私が当時も指摘したように持続不可能であり、遅かれ早かれ破綻するものだ。国内にはチャンスが存在していたにもかかわらず、成長率は期待を裏切る水準だ。ブラジルには巨大な政治的資本があるものの、その資本を必要な改革に投入しなかった。この国には、とりわけ民間部門には、活力にみなぎり様々な分野で活躍する企業があるなど、広範囲に強みがあることは否定し難い。反対に公共部門は、抜本的な改革に対する推進能力を証明できなかった。2000年代に輸出が拡大していた時代、社会福祉を拡大することに満足していた。さらに政府は、岩塩層下のケースのように、政策に60年代のスタイルを採用した。ペトロブラスは引き続き、競争力のある体制を維持すべきだった。ところがその代わりに政府は、岩塩層下で独占的立場を与え、国産化比率の達成を義務付け、ガソリンに対する助成を要求した。これは、石油産業の発展にとっては、賢明さを欠く政策だ。

それでは、どのような道を進むべきだったのでしょうか?

政府は、公共貯蓄の拡大、インフラに対する投資、税制の簡略化を優先すべきだ。こうした欠陥は長年にわたって知られていたが、その対策に向けて政治的な意欲は示されずに来た。それだけでなく、ブラジルは、巨大な国内消費市場を抱えているが、常にこれを交渉のカードとして利用してきた。だが、そのような手法は、保護貿易主義政策を優遇する誤ったやり方であり、競争力のある経済を構築するという点では不健全だ。

あなたは、企業の生産性向上、あるいは利益率の改善に貢献する政府の対策というものが存在するとおっしゃっています。それは、何が違うのでしょうか?

生産性が向上すれば、社会全体が恩恵を受ける。給与が上昇し、より多くの製品が販売され、企業も利益を拡大し、政府の税収も増加する。だが、仮にも公共政策が、より利益の大きな企業だけを視野に入れているのなら、つまり生産性を主眼にしていないならば、全体に恩恵が行き渡るとは言えない。国産化比率を義務付ける政策が、まさにそれだ。市場を保護することで、消費者は製品に対してより大きな対価を支払う。特定の民間部門を振興するために減税すれば、政府の税収は減り、公共サービスによる恩恵も縮小することになる。唯一、恩恵を受けた企業だけがおいしい思いをする。公共政策が中心に据えるべきは、国際競争という環境における生産性向上に向けたインセンティブであるべきで、保護された市場における利益の確保であってはならない。

教授は、他の研究者と共同で、経済複雑性指標を作成しました。この指標の目的はどのようなところにあるのでしょうか?

我々が試みたのは、経済的認識に対するノウハウの水準を測定することだった。何が生産されているか、そして財あるいはサービスを作り出す上で何が障害になっているのかを測定した。一般的に言って、貧しい国の生産能力は、小さく、そして、比較的シンプルなものなのだ。経済大国では多くのものを作り出す能力がある上、シンプルなものから、一部の国だけが生産する能力を持っているような、より複雑なものまで作り出す能力がある。それは、ある社会の生産能力の多様性を評価する手法と言える。我々は、この評価が所得水準と潜在成長率が密接に関係していることを示しているのを発見した(データは、サイト:http://atlas.cid.harvard.eduで閲覧できる)。

この経済複雑性指標でブラジルは、どのような状況と位置づけられているのでしょうか?

ブラジルは発展の歩みを止めた。停滞している。ブラジル経済の複雑性は、例えば、メキシコを下回る。発展した地域もあるが、国としての潜在力は、極めて高い水準にある金利と貯蓄率の低さ、高い取引コストといった好ましくないマクロ経済環境のために限定的だ。もう1つの問題として、外交政策がある。ブラジルは悪趣味の冗談であるかのように、メルコスルを変貌させた。欧州連合(EU)は生産システムとダイナミックで統合された経済システムの構築に向けた扉を開いた。他方、メルコスルの目的は、常に保護貿易主義を向いてきた。例えば自動車工場は、国際市場とは縁がない。こうしてブラジルは、メキシコとの競争に勝つことがでないために、非効率な自動車をアルゼンチン向けに輸出する。ブラジルがより複雑な経済を獲得するには、様々な障害が存在する。

熟練労働者不足は障害物の1つでしょうか?

私は教育問題でブラジル人の苦情をいつも聞かされている。この分野では一定の進歩があった。国の生産性を向上させるために極めて重要な要素に対してブラジルがわずかな注意しか払ってこなかったことで、ブラジルは、国外の熟練労働者にとって魅力的だ。多くのポルトガル人とスペイン人は、自国が経済危機に見舞われ雇用機会が失われるとブラジルで働くことができる。前世紀には移民がブラジルの展開に重要な役割を果たしたことを忘れることができないが、過去数年、ブラジルはこの重要性を軽視してきた。現在のアメリカがそうであるように、ブラジルは、移住にインセンティブを与える規定を確立すべきだ。

移民は開発の促進に貢献するでしょうか?

間違いない。私の研究はいずれも、才能の移転に伴ってテクノロジーと知識が生み出されることを示唆している。才能の移転の方が、知識を構築するよりもはるかに容易だ。優れた才能を国外から呼び込めば、彼らは国内にとどまり、彼らは新たな世代の才能を涵養するのに貢献する。移住政策はブラジルで広く議論されるテーマとして、より大きな役割を与えられるべきだろう。


「民間部門は国際市場に注力すべきだ。発展を達成できた国には、韓国やイスラエルのように、真の利益というものは国際市場を征服して初めて手に入れることができるという文化が存在する」


一部の国では、中所得国の罠と呼ばれるものから脱出に成功しています。その秘訣は教育への投資ではなかったのですか?

低開発の問題を解決するための特効薬として教育を売り出すという、ある種の誇張が存在する。より重要なこととして私は、別の企業と大学、研究機関の間で知識を統合するネットワークを生み出す能力がある企業や生産チェーンの立ち上げが、より重要だと信じている。この場合、大規模にイノベーションを生み出すことが可能になる。教育の質を改善するというのは、単純にそれだけでは不十分だ。韓国では、将来重要な産業になるという確信のもと、新型チップの開発を決定したが、その際、このプロジェクトには大学と企業、政府が関わった。そしてサムスンは同国最大の輸出企業になった。70年代に韓国の技術開発水準は、ブラジルと同水準にあった。その後の年月にわたってブラジルは、国内市場を守るという戦略を続けたことで、その差が開き続けた。民間部門は、国際市場に照準を合わすべきだ。これがなければ、会社は惰性の経営となり、適切な発展を達成できないだろう。発展できた国には、韓国とイスラエルのように、真の利益というものは国際市場を征服して初めて手に入れることができるのだという文化が存在するのだ。

国の発展と貧富の格差縮小プロセスにグローバリゼーションが貢献するとあなたは主張されます。しかし、ラテンアメリカは過去20年にこの点で若干の進展を見ました。なぜでしょう?

グローバリゼーションはより複雑な経済を持つ国々の発展に貢献した。その理由は、製品の生産において、あらゆる段階で優れていることを必要としないからだ。恐らく君は、デザインとマーケティングが得意ではないとしても、もしかすると裁断と縫製の能力があるかもしれない。時間が経てば、デザインとマーケティングでも能力を開花できるだろう。だが能力を身に着けるまでの君は全ての段階に携わらなければならず、様々なことをやりながら同時に学ぶことは容易ではないだろうし、保護貿易主義の手助けがなければわずかな事業しか生き残れない。近代的な経済は生産チェーンのグローバリゼーションを可能にする。エンブラエルは本質的に、世界中で生産された部品と装置の組み立てメーカーだ。同社が製造するのは、航空機の部品のごく一部だ。もし国産化比率を義務付ける政策が適用されていれば、同社は恐らく、ただの1機の航空機すら飛ばすことができないだろう。私は、より複雑な経済を獲得し、国際的な生産チェーンに参入しようというメキシコが進める変革に注目している。ブラジルでは、グローバリゼーションによって生じた成長の恩恵を国として享受することを、保護貿易主義が妨げている。

あなたは、ベネズエラの経済政策に関して、原油の国際相場が高騰して同国にとって追い風だった時代から、様々な誤りを指摘しておいででした。出身国でもあるベネズエラに対して、どのような見通しをお持ちでしょうか?

ベネズエラは、まさに悲劇だ。歴史上最も悲惨な、経済的かつ社会的実験の1つだ。石油がこれほどのブームとなり、それも今回ほどの長期にわたって続いたことはかつてなかった。にもかかわらず、ベネズエラでは、石油の国際相場が1バレル=100ドル以上だった時期から問題が生じ始めた。原油相場がまだ同国にとって追い風だった時ですら、物価のコントロールを失い、リセッションに陥ったのだ。政府は、市民社会と個人の自由、民間イニシアティブを破壊した。不幸にも、この破壊プロセスはラテンアメリカ、とりわけブラジルの協力があった。ベネズエラに対するブラジルの支持は、米州機構(OAS)と人権に対するブラジルのコミットメントと矛盾するものだった。ベネズエラの大惨事は、南米全体、もちろんブラジルにも反動をもたらすだろう。それは地域的な問題だ。外務省は、この災厄を乗り切る上で自身の立ち位置について、再考することになる。外交政策の世話係としてマルコ・アウレリオ・ガルシア(外交政策担当大統領補佐官)に委任した影響を見直さざるを得ないだろう。
 



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●ブラジルeSocialシステム説明会のプレゼン資料掲載中(2016年12月7日午後2時から マクソウドホテル)

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ブラジル投資ガイダンス(最新版・英語)

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